平成26年度 NEDO 検討中
「低炭素社会を実現する
ナノ炭素材料実用化プロジェクト」
への当研究会意見


安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/

掲載日:2014年3月18日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/japan/NEDO_140317_CNT_project.html

 意見
提出:2014年3月17日
氏名:安間 武
所属:化学物質問題市民研究会
意見:

(1)ナノ材料の安全確保は、省庁間及び市民を含むすべての利害関係者の広範な議論を踏まえた国家戦略に基づいて行われるべきであるが、現時点では日本にそのような議論の場も国家戦略もない。

(2)ナノ材料の安全性確認は製品が市場に投入される前になされるべきであり、そのためには、まず第一に”製造から廃棄までの全ライフサイクルにわたり人と生態系の健康に対して受け入れられないリスクは生じないことを確認できる試験方法及び評価方法の確立”がなされなくてはならない。このような試験方法及び評価方法は当然動物実験を含むべきべきであり、“受け入れられないリスクは生じない”と国が判定したナノ材料及びその応用製品のみが市場に出すことを許されるべきである。

(3)本基本計画(案)が目標として掲げる“簡易自主安全管理技術の確立”については、事業者が、新たなナノ材料やその応用製品を開発するに当たり、あるいは開発中に、それらが受け入れられないリスクを生じそうにないとの判断を事業者が得れば、開発に着手、継続するという、ナノ材料やその応用製品を市場に出すまでの事業者の“開発リスク”を最小とするためのツールの確立であると考えるべきである。

(4)最終的に市場に出すことの可否は、上記(2)で確立された「試験方法及び評価方法」で、人と生態系の健康に受け入れられないリスクが生じるかどうかを国が判断し、市場に出すことの可否を決定するために必要な全てのデータを国に提出することを事業者に義務付けるべきである。

(5)ナノ材料の安全確保はナノ産業促進より優先するという政策がとられるべきである。人への健康リスクがあることはわかっていたのに、”管理使用”をすれば安全であるとして、市場に出すことが長らく許されたアスベストが甚大な被害を引き起こしたことを忘れてはならない。


受付日 2014年03月17日
受付番号:20140317-0003 「低炭素社会を実現するナノ炭素材料実用化プロジェクト」への受付が完了しました。
NEDO資料


化学物質問題市民研究会
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