ES&T 2007年11月14日
ナノ物質規制のチャレンジ

情報源:ES&T Policy News - November 14, 2007
The challenge of regulating nanomaterials
http://pubs.acs.org/subscribe/journals/esthag-w/2007/nov/policy/rcnanoregs.html

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2007年11月18日

 ナノ技術産業は消費者製品にナノ物質をますます使用しているので、専門家らは適切な監視と規制が欠如していることについて、懸念している。

 ナノ生活を始めてみよう。銀ナノ粒子を使った虫除け木綿シーツのベッドから起き上がり、ナノ金の練り歯磨きで歯を磨き、ナノ繊維で防汚ー防水に作られたズボンに足を通し、肌にナノ・サンスクリーンを塗って外出する。これらのナノ・ベースの消費者製品は世界中の市場に出回っており、そのリストは増大している。

 ナノ物質は生活を滑らかにする。それらはよりきれいな水を供給し、がん細胞を正確に狙い撃つ新しい治療方法を提供することを約束する。しかし、ナノ技術が有する可能性にもかかわらず、世界中の科学者、環境活動家、及び政治家はナノ技術の未知のリスクについて懸念を持っている。

 ”かつて新たに開発されたどのような技術も・・・ある種の有害影響を持っており、時にはそれらは深刻なものであった”とワシントンD.C. を拠点とするナノ専門のウッドロー・ウィルソン国際センター新規ナノ技術学術プロジェクト(PEN)の上席顧問、クラレンス・デービスは述べている。環境中の化学物質規制のための意思決定原則に関する全米アカデミー委員会の議長に加えて、デービス1989年から1991年まではEPAの政策担当副長官を務めた。”もしナノ技術についてどこかで何かの問題が起きなければ、前代未門であり常識を覆すことになるであろう”と彼は述べた。

 今までのところ、これらの小さいけれど強力な物質が人の健康問題や環境惨事を引き起こしたということは報告されていない。しかし、これらの物質の多くが動物に有害影響を引き起こすことを示す研究の数が増大している。サザン・メソディスト大学、ヂューク大学、ワシントン・シアトル大学の研究者らによるひとつの研究は、フラーレン(C60ナノ物質はしばしばバッキーボールと呼ばれる)は大口バスの脳中で酸化ストレスを引き起こすことができる(Environ. Health Perspect. 2004, 112 (10), 1058 - 1062)[訳注1]。その他の研究として中国科学アカデミーと北京大学の研究チームが銅ナノ物質に暴露したマウスは腎臓、肝臓、及び脾臓に重大な損傷を受けることを示した(Toxicol. Lett. 2006, 163 (2), 109 - 120)。

 ナノ物質のサイズが小さいこと−その特別な威力に栄誉が捧げられる特性−及び加工された表面は生物学的システムと容易に反応するので、ナノ物質の有害性をもたらすチャンスが増大する。ナノ物質が脂質のような有機物質でコーティングされるとミジンコにより多く影響を与えることが最近の研究でわかった。(Environ. Sci. Technol. 2007, 41 (8), 3025 - 3029)。ミジンコはその物質を摂取して食物として脂質の層を剥がし、最終的には裸の炭素カーボン物質が消化管を詰まらせ、ミジンコを殺す。

 研究は、全てのナノ物質が有害であることを示唆しているわけではなく、専門家らはナノ物質の製造を中止することは賢明ではないとしている。この技術は急速に発展している。ニューヨークに拠点を置く独立系の知的及び技術的調査と報告を行う会社であるラックス・リサーチ社によれば、ナノ技術産業の投資は、2004年の130億ドル(約1兆5,000億円)から2006年の500億ドル(約5兆8,000円)に増大している。同社は、2014年までに投資は2兆6,000億ドル(約300兆円)に達すると予測している。これらの予測の結果、多くの専門家らは、この産業を遅すぎないうちに注意深く規制することが緊急に必要であると述べている。環境団体であるエンバイロンメンタル・ディフェンスの上席科学者であるリチャード・デニスンは、もしこのままのペースでこの産業が増大していくなら、”緊急の行動を起こす必要がある”と指摘している。

新規ナノ技術プロジェクト(PEN)によれば、現在、ナノであると主張する500種以上のナノ製品が市場に出回っており、そのリストに挙げられる製品は急速に増加している。しかし、それらの全てが本当にナノなのかテストされていないという懸念の声がある。写真:David Hawxhurst, PEN
新しいものを古いもので規制する

 9月にEPAは、殺菌剤として銀又は他のどのようなイオンを使用している装置は、連邦政府殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法(FIFRA)における農薬として規制されるであろうと宣言した。これには殺菌剤として銀ナノ粒子を使用していると主張するサムソンの洗濯機のような装置も含まれる(注2)。しかし、この決定を説明している告知の中で、EPAは、現在まで、[サムソン洗濯機]がナノ技術を使用していることを示すどのような報告も受けていないと主張している。EPAは、使用されている又は開発されているこの種のナノ物質を規制するために、どのようにすれば最も良いかについてまだ議論している。

 どのような新技術もその揺籃期に規制することは本質的なむずかしさがある。技術は常にバラ色の約束を求められている。規制するためには、政府は潜在的なリスクについての情報が必要であるが、どのような新技術も初期の段階ではそのような情報は非常に欠落している。一方、不足するデータは人の健康と環境リスクに存在するのだから、ナノ物質はこのcatch-22[訳注3ジレンマの意味]に直面する。

 ”ナノ技術の潜在的な影響を理解する調査研究にはなかなか資金がつかない”とPENの科学顧問であるアンドリュー・メイナードは述べている。2005年6月まで、ホワイトハウスの国家科学技術評議会のナノ技術環境健康影響ワーキング・グループの共同議長であった。”我々は、どのような調査研究が必要なのか、それをどのようにやっていくべきなのかについて、いまだに明確な戦略を持っていない。我々は、研究機関がその研究を支え資金調達することを可能にする適切なよい仕組みをもっていない”。

 研究者と政策立案者は研究の不適切さに目を向けようと試みる間に、彼らの多くはナノ技術が規制されるまで、多くのデータの入手を待つことは賢明ではないということに同意している。

 ”現在、ナノ技術が現状の規制構造にどのように適合するのかに関して、大きな議論が規制機関の中と外の両方で行われている”とメイナードは述べている。しかし、この技術は独自の難しい問題−規制構造のまさに根幹(アメリカ及びその他の諸国の両方で)とナノ技術の根底にある原理との間の不連続性−を引き起こしている。多くの既存の政策は物質の化学的特性に基づいているが、ナノ物質の威力は主にその物理的特性の中にある。

 ”過去50年間にわたり策定されたほとんどの規制は実際に化学に目を向けてきており、物理的構造の取り扱いは難しかった”とメイナードは続けた。”しかし、現在我々は、物理的構造は信じられないほど重要となっている状況の中にいる。ナノ技術者は、ナノ物質を彼らが望むよう機能させることができるように見える・・・。我々は21世紀の技術を持っているのに、20世紀の規制に無理やり押し込もうとしており、それではうまく適合しない”。

 虚偽表示ではない真正のナノ物質を含んだ製品が既に市場に出ているが、時にはそのことが表示されていない。消費者組合によってテストされた全てのサンスクリーン19種は、その両方とも細胞中のDNAを損傷することができる活性酸素の生成を引き起こすことが示されている酸化亜鉛と酸化チタンのナノ粒子を含んでいた。これらのうち唯一 Keys Solar Rx だけがナノ粒子を含んでいることを表示していた。写真:Alex Parlini, PEN
 今年の5月にPENは、EPA and Nanotechnology: Oversight for the 21st Century(EPAとナノ技術:21世紀の監視)という報告書を発表したが、それはEPAはいくつかの法の下にナノ物質を規制する権限を与えられていると結論付けている。環境法のほとんど−the Clean Water Act (CWA), the Clean Air Act (CAA), the Comprehensive Environmental Response, Compensation, and Liability Act (CERCLA), the Resource Conservation and Recovery Act (RCRA), FIFRA, and the Toxic Substances Control Act (TSCA) −を用いることができる。それぞれの法は、”ナノのライフ・サイクルの異なる部分”に目を向けているとデービスはその報告書の中で書いている。

ナノとTSCA(有害物質規制法)

 ナノ物質の法的要求についての議論の大部分は、TSCAの下での”新規物質”と考えるべきかどうかについてであり、同法は会社に対し、開発されたどのような新規物質もそれらが市場に出される前にEPAに報告しEPAに新規化学物質を規制するチャンスを与えることを求めている。デービスや他の多くの人々によれば、製造され市場に出される前にEPAがそれらを規制する最も容易な方法なので、EPA は全てのナノスケール物質を新規物質とすると解釈すべきなのである。この解釈は、労働者の暴露を防止することを含めて、異なるタイプの暴露を最も広くカバーすることができる。

 議会はTSCAを商用の化学物質の目録を作成することを目標として制定した−とEPAの化学物質管理部門のディレクター、ジム・ウィルスは述べている。会社が化学物質を製造する時には、EPAに新規物質として製造を登録し、その化学物質に関して入手できる全てのデータを提供することが求められている。”このプログラムの構造上、我々のデータの必要性が満たされるまで、我々は実際に新規化学物質が市場に出るのを防ぐことができる”とウィルスは述べている。EPAは会社のデータをレビューし、もしその製品が安全であると見なせるなら、会社は自由にをそれを製造することができる。もしEPAが高いレベルのリスクを認識すれば、EPAはもっと多くのデータを要求するか、その化学物質の製造を止めさせることができる。

 実際にEPAは、”ナノスケール物質に関する多くの新規化学物質届出”を過去数年間に受けているとウィルスは認めている。しかしEPAはいまだにナノ物質を新規物質として規制していない。

 EPAの文書の中で、『ナノスケール物質TSCA目録状況 一般的アプローチ』を7月12日に発表し、EPAはなぜ全てのナノ物質をサイズだけをベースにして新規物質として分類することができないのかを説明している。それは、TSCAの下での新規化学物質の定義が分子構造又は同一性(identity)だけに基づいているためである。もし、ナノ物質が既にTSCA目録の中のある化学物質と同一の分子を含んでいるなら、それは既存化学物質であるとウィルスは述べている。そして、今日、研究され製造されているほとんど全てのナノ物質は、TSCA目録中の化学物質に化学的に同等である。したがってEPAはそれらを規制する権限がない。例えば、カーボン・ナノチューブとフラーレンは炭素からできており、TSCA目録中で既存化学物質である。

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健康とフィットネス関連製品がナノ物質利用のレースで先頭に立っている。PEN
 ナノ物質を開発し製造している会社の代表は、EPAがこのことがらに関してその立場を明確にしたことでEPAを賞賛している。”我々は、この件に対処するに当たり適切な方法であると考える”と化学会社を代表する組織であるアメリカ化学工業協会(ACC)のナノ技術審議会のマネージャー、ビル・グレッジは述べている。

 産業及び化学物質規制を専門とするワシントンD.C.を拠点とする法律会社、Lynn Bergeson of Bergeson and Campbell, P.C., のリン・バージソンは、EPAの説明は、ナノ物質製造者の”不安をなくす”ものであると述べている。EPAの文書は、規制でも指針でもないと彼女は述べている。しかし、”サイズはその特性を識別するものではないことを再確認している”と彼女付け加えた。

 このEPA文書はまた、物質が新規であるかどうか決定するときにEPAが考慮する6つの特性をリストしているとバージソンは述べている。それらの特性の中には、同素体(allotropes /異なる物理的構造)、同位体(プロトン(陽子)の数の違いのために同一元素が異なる原子質量をもつ)、及び同一化学物質の結晶格子−がある。カーボン・ナノロッド及びフラーレン(別名バッキーボール)は黒鉛やダイアモンドのように共に炭素の同素体である。そこで、EPAは、同じ化学物質の形状の変異であるこれらの二つのナノ物質を”新規”であると潜在的に見なすことができたはずでる。そしてこれは ”rubber hits the road”であるとバージソンは述べている。”EPAは全ての場合において、同素体、同位体、及び結晶格子に関する解釈で完全に一貫しているわけではないので、私はこれらの3つの特性は化学物質製造者からもっと多くのコメントを受けるであろうと考えている”と彼女は述べている。

 国立労働安全衛生研究所(NIOSH)の労働衛生専門家、環境活動家、及びその他の人々は、ナノ物質のサイズが小さいこと及び生物系及び環境との相互作用の仕方に基づいてナノ物質を新規物質と見なすよう強く求めて、EPAのナノ物質及びTSCAに関する立場に批判的である。

 デービスによれば、EPAの文書はEPAが現在の政策の問題を見ていないので、”非常に許しがたい政策声明”である。”それは化学と現実の状況に真っ向から反対するものである”と彼は述べている。”我々は、ナノを規制する法に制約があることを知っているが、これらの制約にうち勝たねばならない。”

 アメリカは現在、ナノ製品であると自己申告して製造されている製品の数において他の全ての諸国を勝っている。PEN
自主的なアプローチ

 それにもかかわらず、ウィルスが指摘するように、EPAは、”すでに規制プログラムに入らなくてはならない時期であるということを認めていない”。その代わり、EPAはナノスケール物質スチュアードシップ・プログラム(NMSP)と呼ばれる自主的な報告プログラムを提案している。

 目録文書と同じ日に発表されたNMSP提案は、会社がEPAに既存のナノ物質及びナノベースの製品に関する情報を自主的に報告することを推奨している。そのデータは、化学物質名、密度、融点のような化学的特性、及び表面積、予想される用途、及びその物質の製造と使用の間に生成されそうな様々な副産物等を含む。

 それは基本的で詳細な要素を持つよう設計されているとウィルスは述べている。”そのアイディアは、これらのナノ物質を製造する会社が製造するそれぞれのナノ物質に関する報告を自主的に提出する報告窓口を持つというアイディアである”と彼は述べている。”我々は、この基本的な報告システムを通じて我が国で製造され使用されるナノ物質の全て、あるいは少なくともその主要な部分について入手できればと期待している”。

 ウィリスによれば詳細プログラムは、”他の会社より深いポケット”をもつ選択した会社を目標とする。EPAは、ナノ物質の健康と環境影響に関するデータを生成するあめに、"個別に又はコンソーシアムを形成することによって、あるいは他の方法で、これらの産業を招待するであろう。

 ナノビジネス連合(NanoBusiness Alliance)のような産業グループとアメリカ化学工業協会(ACC)は、EPAがこのプログラムを創設したことを褒め、そのプログラムに参加する計画であると述べている。しかしその他はEPAがそれを開始するのに時間がかかりすぎると批判していた。このプログラムは当初、2005年に利害関係者のグループによってEPAに提案されていた。

 同様な期限のないアプローチがイギリスでも試みられているとデニスンは述べている。イギリスの制度ができて9ヶ月の間にわずか9社がデータを提出しただけであった。”圧倒的な反応ではない”。

 しかし、EPA当局は現在、基本プログラムでデータ提出のために3〜9か月の期限を設定する方向に傾いている。EPAはまた、NMSPへの参加が弱体であれば、報告の義務付けを行うことを検討している。

議論ばかりで実行が伴わない

 世界中の政治家、科学者、そしてビジネスもまた、いかに最もよくナノ技術のリスクと戦うかについて議論している。30カ国からの代表からなる国際組織である経済協力開発機構(OECD)はナノ技術を優先事項のひとつにしている。2007年3月、OECDは、OECD加盟国及び非加盟国の科学者、産業、規制者、及び公衆の間の対話を推進するために、科学技術政策委員会の下にナノ技術に関する作業部会を立上げた。作業部会では、異なる国からのデータを編集し、研究に関する国際的な協力と議論を開始している。製造ナノ物質の安全性(Safety of Manufactured Nanomaterials)と呼ばれる他のOECDプログラムがナノ技術の環境と人の健康へ及ぼす影響に焦点をあてている。

 オーストラリアの国家科学機関である英連邦科学産業研究組織のミカエル・バーバーは、OECDは、”我々が情報を重複して持つことなく”、政府は限られた資源を特定の問題と感心事に振り向けることができるよう、各国が情報交換、協力、及び情報の共有をできる国際フォーラムを開催する準備をしていると述べている。”OECDは、この種の議論を行うために、良い舞台かもしれない”と彼は付け加えた。

 個別の国レベルにおいて、規制当局や研究者らは、その技術がどこに立脚しているのか、リスクについて何が知られているのか、そして産業はどこに向かっているのかについての明確なイメージを得るために、入手可能な情報を編集し分析する問題に目を向けることを試みている。これはまた、規制当局がもっと効果的な規制のアプローチを採用する助けになる。

 イギリスでは、王立協会、インサイト・インベストメント(投資会社)、ナノ技術産業協会(NIA)、及びイギリス政府が資金を出すナノ技術知識移転ネットワークによって資金が出ているイニシアティブである”責任あるナノコード(Responsible NanoCode)”が産業のための自主的な行動規範(code of conduct)を開発するために働いている。このイニシアチブは、産業がナノ物質からのリスクを特定するのを助けるためにその原則が世界中で採択されること、公衆を含む他の組織と情報を共有すること、労働者と消費者の暴露を防ぐことを期待している。このコードは、安全なナノ製品の開発のために、”上位管理組織の最高レベルの関与を求めている”とNIAのディレクターであるステッフィ・フリーデリッヒは述べている。規制を開発するには時間がかかるが、ひとつのコードは、ナノ技術のリスクを管理するための良い世界的な枠組みを提供することができると彼女は述べている。

 この議論の全ては、いかに多くの議論がナノ物質に向けられてえいるかをまさに示しているとメイナードは述べている。しかし、それが規制と監視になるまでに起こされる”行動は比較的少ない”と彼は述べている。

リチュー・チャテルジー(Rhitu Chatterjee


訳注1
EHP 2004年7月号 Science Selections フラーレンと魚の脳 ナノ物質が酸化ストレスを引き起こす

訳注2
ES&T 2007年1月3日 殺菌ナノ物質 法的検査が強化される 米初のナノ技術規制 間近か


訳注3:catch-22
ジョーゼフ・ヘラーが1961年に発表した小説。原題は "CATCH-22"。堂々巡りの状況での戦争を、混乱した時間軸のなか幻想ともユーモアともつかない独特の筆致で描いた戦記風の物語。狂気の戦争、戦争の狂気を描いた、現代文学の代表的な作品のひとつである。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%81=22


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