2013年3月16日、カナダガゼット紙(訳注:政府の公式新聞)はカルボン酸修飾されたコバルト・鉄・マンガン 酸化物について重要新規活動(SNAc)の告示を発表したが、この告示は、この物質は国内物質リスト(DSL)に含まれていないと述べている(訳注1)。
この告知は重要新規活動(SNAc)を次のように定義している。
- (a) 粒子のひとつ又はそれ以上の次元のサイズが 1〜100メートルの物質を含むように加工された物質で、(b) 項に記述される用途以外で、年間100kg以上の量の使用、又は
- (b) 商業用又は産業用インク添加施設における、粒子のひとつ又はそれ以上の次元のサイズが 1〜100メートルの物質を含むように加工された物質で、年間1,000kg以上の量の使用。
この告知は、提案された重要新規活動(SNAc)に着手する90日前にカナダ政府に提供されなくてはならないデータを規定している。カナダ政府は、1999年カナダ環境保護法(CEPE)の下に、新規物質のために重要新規活動(SNAc)告知が発行される場合、”物質の物理的所有又は管理を移転する全ての人は、所有又は管理が移転される全ての人に対して、重要新規活動(SNAc)告知を遵守する義務と、環境大臣に全ての新たな活動とその告知に記述されているその他の情報を届け出る義務があることを知らせる責任がある”ということに言及している。使用者は、重要新規活動(SNAc)告知を遵守すること、及び、その物質に関連する重要新規活動(SNAc)に着手する前に重要新規活動(SNAc)届出を提出することを知っている責任がある。
訳注1:カナダ新規化学物質の製造前届出(NSN)/厚労省解説
- カナダ環境保護法(CEPA)により、、国内物質リスト(DSL)に収載されていない化学物質は製造前届出(NSN)が必要となる。
- 新規化学物質の製造前届出(NSN)に当たり、要求されるデータ項目は、物質の種類、NDSL(非国内物質リスト)収載の有無及び製造・輸入数量によって異なる。また、既存化学物質については、包括的かつ詳細なリスク評価を優先的に行う優先物質リストが作成され、当該リストに掲載された化学物質(これまでに69 物質)については保健省と環境省がリスク評価を行い、「有害」であると判定されると、有害物質リストに掲載されリスク管理措置が適用される。
- CEPAにおいて、ナノマテリアルに特化した規定は存在しないが、固有の構造等を有する場合は国内物質リスト(dsl)に収載されていても新規化学物質とみなされることがある。
- 環境省及び保健省は、新規精神の製造前届出(NSN)で」提出された情報を基に審査(リスク評価)を行い、、当該新規化学物質が@「有害(toxic)であると疑われる、あるいはその可能性がある、A「有害」であると疑われなかったとしても、重要な新しい活動であれば「有害」になるかもしれないと疑われる、B「有害」と疑われない、のいずれに該当するか判定することになっている。
- @に該当する場合は、人健康及び環境へのリスクを最小化するために以下のような制約条件が課される。
<制約条件の例>
・特定の用途についてのみ使用を可能とする。
・警告や注意喚起のラベリングをする。
・環境に排出してはならない。
- Aに該当する場合は、重要新規活動(SNAc: Significant New Activity)が告示され、事業者が当該活動を開始する場合、事前に政府に届け出なければならない。
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