PLoS ONE 2012年11月7日
二酸化チタン ナノ粒子
ミジンコの次世代の感受性を高める


情報源:PLoS ONE, November 7, 2012
Titanium Dioxide Nanoparticles Increase Sensitivity
in the Next Generation of the Water Flea Daphnia magna
Mirco Bundschuh(*), Frank Seitz(*), Affiliation(*), Ricki R. Rosenfeldt(*), Ralf Schulz mail(*)
(*) Affiliation: Institute for Environmental Sciences, University of Koblenz-Landau, Landau, Germany
http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0048956#top

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2012年12月21日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/PLoS/121107_TiO2_nano_sensitivity_next_generation.html

アブストラクト

 ナノ粒子産業は近い将来1兆ドル(約80兆円)のビジネスになると期待されている。したがって、ナノ粒子の環境への非意図的な導入が増加しているようである。しかし、現在適用されているリスク評価手法は工業ナノ粒子の本質的な特性にもっと対応できるような調整が求められる。
 慢性還流曝露システムと、その後の微生物ミジンコ標準テストとしての急性毒性テストを結合して、二酸化チタンナノ粒子に曝露した成魚の次世代稚魚は、96時間−50%効果濃度(EC50)(訳注1)で示されたように、曝露していない成魚の次世代稚魚に比べて、二酸化チタンナノ粒子への感受性が著しく増大することを発見した。この観察は、成魚が、感受性、次世代の数、又はエネルギー備蓄のような典型的に評価されるエンドポイントにおいて相違を示さなかったので、特に注目される。したがって、本研究は生態毒性学研究はナノ粒子の環境リスクの評価に、現在の標準的テスト手順には含まれていない直接的に曝露しない次世代の評価を含めるための更なる開発が必要であることを示唆している。


訳注1
EC50/ウイキペディア
 50%効果濃度 (EC50)または半数効果濃度とは、薬物や抗体などが最低値からの最大反応の50%を示す濃度のこと



化学物質問題市民研究会
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