欧州委員会共同研究センター(JRC) 2015年4月1日
ナノ物質の細胞毒性の
スクリーニング手法に向けて


情報源:Joint Research Center (JRC) April 1, 2015
Towards a method for cytotoxicity screening of nanomaterials
https://ec.europa.eu/jrc/en/news/towards-method-cytotoxicity-screening-nanomaterials?search

訳:安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2014年6月26日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/JRC/JRC_150401_cytotoxicity_screening_of_nanomaterials.html

 ナノ物質の細胞毒性を評価するためのある手法に関する研究所間の比較調査の結果が発表された。これはナノ物質の細胞毒性のスクリーニングのための調和のとれた手法に向けての重要な第一歩である。

 コロニー形成効率(CFE)分析というその手法は、化学物質の細胞毒性のテストに用いられる、実験動物を必要としない生体外(in vitro)手法である。JRC の科学者らはこの CFE 分析手法をナノ物質のテストのために改造し最適化を図った。この手法の性能が、フランス、イタリア、日本、ポーランド、韓国、南アフリカ、及びスイスの12の研究所で、OECD 工業ナノ材料作業部会(WPMN)の枠組みの中でテストされた。JRC により調整されたこの研究所間比較調査のおかげで、この分析手法のプロトコールがよく定義され、容易にそして信頼性を持って他の研究所に移転可能であることが示された。さらに、この CFE 分析手法は、テスト干渉を回避し、また特に感度が高いので、一般的に用いられている生体外(in vitro)に比べていくつかの長所を持っている。従って、この CFE 分析手法は、ナノ物質の初期毒性スクリーニングのための一連の生体外手法の範囲内で最初の選択肢として推奨することができる。

詳細は報告書を参照のこと:
Interlaboratory comparison study of the Colony Forming Efficiency assay for assessing cytotoxicity of nanomaterials

背景
 工業ナノ物質は消費者製品中でますます多く使用されている。従って、それらはヒト環境に対する有害性(ハザード)に関してテストされなくてはならない。しかし、従来の化学物質のテストと評価のための標準的手法は、ナノ物質の特性に適合させる必要がある。従って、JRC の科学者らは、ナノ物質のスクリーニングとハザード評価に適した生体外テスト(動物を使用しない)手法の開発、最適化、及び調和に関して研究している。これらのテスト方法の国際的な調和は、OECD 工業ナノ材料作業部会(WPMN)への JRC の参加を通じて、確保される。



化学物質問題市民研究会
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