FoE オーストラリア2009年11月
ナノ粒子検出
上位10有名ブランドの化粧品中から


情報源:Friends of the Earth Australia
Nanoparticles found in 10 top brand cosmetics
http://nano.foe.org.au/nanoparticles-found-10-top-brand-cosmetics

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2009年12月11日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/FoE_au/FoE_au_Nanoparticles_in_cosmetics.html


ナノ粒子検出 上位10有名ブランドの化粧品中から

 FoE オーストラリアによって委託されたテストで、上位10有名ブランドで販売されているファンデーションとコンシーラーにナノ粒子が検出された。それらのブランドには、Clinique、Clarins, L’Oreal、Revlon、The Body Shop、Max Factor、Lancome Paris、By Terry、Yves Saint Laurent、Christian Dior などが含まれる。

 FoE オーストラリアによって委託され、オーストラリア顕微鏡微量分析研究施設によって実施された科学的テストは下記を発見した。

  • 8社有名ブランドで販売されているコンシーラー、ファンデーション、ミネラルファンデーションは100ナノメートル以下の粒子を含んでいた。(Clinique, Clarins, L’Oreal, Revlon, The Body Shop, Max Factor, Lancome Paris、By Terry)
  • さらに2ブランドは100ナノメートルのナノ粒子を含んでいた。(Yves Saint Laurent、Christian Dior)
さらにFoE オーストラリアは下記を発見した。
  • テストした化粧品のうち7種は、ナノ粒子が皮膚に吸収されやすいようする”浸透強化剤”として作用することが知られている成分を含んでいた。
  • 浸透強化剤を含んでいない3種の化粧品はミネラルファンデーションであるが、それらは粉状なのでより大きな吸入リスクを及ぼす。
  • わずか1社だけ(Christian Dior)が、ナノ成分を使用していることを製品ラベルに表示していた。ナノ成分の表示をしないということは消費者が情報に基づく選択をすることを拒否するということである。
 検出されたナノ粒子は、光を散乱させる(小じわを隠す)、太陽光から保護する、又は色を改善するために使用されている。

化粧品テスト結果に関する詳細な背景説明については、ここをクリック(pdf)

ナノ化粧品の長期的健康リスクについての懸念

 ナノ化粧品の長期的健康リスクはほとんど分かっていない。”実生活”条件でのありそうな暴露もまた分かっていない。しかし、初期の研究は、もし暴露が十分大きければ、現在化粧品産業によって使用されているナノ粒子は、肺損傷、細胞毒性、DNA損傷を引き起こし、胎児への危害の可能性すらある。

 日焼け止めや化粧品中で使用されているナノ粒子による自由ラディカルの生成は紫外線に暴露した時により大きくなる。昨年、ナノ日焼け止めに関連して、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)ナノ安全研究プログラムのディレクターは、The 7.30 Report(訳注:オーストラリア放送協会の2008年12月17日の番組)で、”最悪のシナリオはがんの発症ではないかと疑っているが、我々はまだ分かっていない。それが現在試みていることだ”と述べた。マックコール博士は、CSIROの研究はさらに2年かかるであろうと付け加えた。

 2004年、世界で最古の科学協会である英国王立協会は、”重大なナノ毒性リスクの証拠があるなら、ナノ粒子は新規物質として扱われ、消費者製品中での使用が許される前に新たな安全せい評価の対象となされるべきである。製品中のナノ成分は表示され、」人々が情報に基づく選択が出来る機会を与えるべきである”と勧告した。
 オーストラリアのナノ化粧品はラベル表示がなされておらず、効果的に規制されていない。

 ヨーロッパでは日焼け止め化粧品中のほとんどのナノ成分は新たなテストと義務的なラベル表示を求めている。

 より大きな粒子サイズでの使用が既に承認されている場合には、オーストラリアの法律は、ナノ粒子としてこれらの物質を使用する前に安全テストを実施することも、ナノ成分のラベル表示をすることを会社に求めていない。

 国の化粧品規制当局に予防原則に基づくナノリスク管理をするよう求めてください。

 オーストラリア化粧品規制当局は現在ナノ物質規制のための新たな規制の枠組みの提案に対するパブリックコメントを実施中です。
http://http://www.nicnas.gov.au/Current_Issues/Nanotechnology/Stakeholder_Consultation.asp

 更なる情報:http://www.nicnas.gov.au
phone: 02 8577 8800 / 1800 638 528, or email: info@nicnas.gov.au.



化学物質問題市民研究会
トップページに戻る