欧州 市民組織 共同プレス・リリース 2016年4月26日
市民社会 ナノテクノロジーに関して 言葉ではなく、行動を求める 情報源:European Environmental Bureau (EEB), Press Release, 26 April 2016 Civil society demands action, not words, on nanotechnology http://www.eeb.org/index.cfm/news-events/news/ civil-society-demands-action-not-words-on-nanotechnology/ 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2016年5月6日 このページへのリンク http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/EEB/ EEB_160426_Civil_society_demands_action_on_Nano.html NGOs、消費者グループ、及び研究組織 [1] は、月曜日(4月25日)のブリュッセルでの欧州委員会の利害関係者との会合の後、欧州委員会が EU 市場にあるナノ物質についての情報の収集と発表のための適切な措置を提案することを依然として怠っていることに失望の意を表明した。 数年間続いた影響評価プロセスの後、そしてその完成と規制監視委員会(Regulatory Scrutiny Board)による承認の前に、欧州委員会は EU ナノ物質登録に反対する決定をしている。その代わり、欧州委員会は欧州化学物質庁(ECHA)にナノ物質観測所(a nanomaterial observatory)を開発する役割を課すことを選択した [2] 。昨日の会合では、新たな機構に関しもっと詳細が提供されることが想定されていたが、実際にはナノ物質観測所は市場にあるナノ物質についての情報ギャップに対応できるであろうという希望をほとんどもたらさなかった。 欧州環境局(EEB)の上席化学物質政策担当ドロレス・ロマノは次のように述べた。 ”登録は、環境と労働者及び市民の健康を保護するためにナノ物質を管理する規制を開発し実施するための重要な鍵である。”自主的な情報プラットホームでは、義務的な登録に決して置き換えることはできない。これは新たな情報を生み出し、ナノ物質を追跡可能とし、それによってそれらの安全な使用を可能にし、市民が情報に基づく選択をするのに役立つであろう” [3] 。 国際環境法センター(CIEL)の上席弁護士デービッド・アゾレーは次のようにコメントした。 ”ナノ物質についてのデータの効果的な収集を確実にするために REACH の枠組みを採用することの不履行から、EU 化粧品規則によって義務付けられている目録の発行の拒絶まで、欧州委員会は、ナノ物質についての情報を収集し、公衆及び規制当局に利用可能とする義務の履行を一貫して怠ってきた。昨日のワークショップで聞いたことに基づけば、将来のナノ物質観察構想は、欧州委員会のナノ物質への取り組みのもう一つの失敗の前兆であることを示している”。 欧州消費者連盟(BEUC)の持続可能性・安全性担当長シルビア・マウラーは次のように付け加えた。 ”欧州委員会は残念ながらナノ物質についての情報の取集と提供のために産業側にどのようなコストをも課すことを拒絶している。その代わり、財政的コスト及び健康と環境リスクを社会と消費者に押し付けることを選択した”。 更なる情報
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