ECHA プレスリリース 2016年3月23日
ナノ形状物質のハザード評価に関する
新たなアプローチ


情報源:ECHA Press Releasae, Helsinki, 23 March 2016, ECHA/NI/16/13
New approach on hazard assessment for nanoforms

http://echa.europa.eu/view-article/-/journal_content/title/
new-approach-on-hazard-assessment-for-nanoforms


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2016年3月25日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/ECHA/
160323_ECHA_New_approach_on_hazard_assessment_for_nanoforms.html

 欧州化学物質庁(ECHA)、オランダ国立公衆健康環境研究所(RIVM)、及び欧州委員会共同研究センター(JRC)による新たな報告書は、同じ物質登録の中の様々なナノ形状物質のためのデータをどのように利用するかを描いている。そのアプローチは、ナノ形状物質のためのハザード評価に関する将来のガイダンス開発における基礎を形成するであろう。

【2016年3月23日 ヘルシンキ】報告書 『Usage of (eco)toxicological data for bridging data gaps between and grouping of nanoforms of the same substance - Elements to consider (同一物質のナノ形状物質間のデータギャップを埋め、グループ化するのための環境毒性データの利用−考慮すべき要素)』 は科学的な参考論文である。EU レベルにおいて、それは規制者、研究者、産業及び NGOs に対して、ある物質のひとつのナノ形状に関する研究が同じ物質の他の形状の物質のハザード特性を予測するために利用することができることに科学的根拠を与えるためのアプローチを提供するものである。

その論文は、同じ物質登録範囲内のナノ形状物質のデータを利用するための機会を特定する段階的なアプローチを概説している。その特定は、物理化学的特性の評価、及び生体外(in vitro)スクリーニング手法を通じてのグループ化に基づいている。この方法は、動物実験を含むテストの必要を最小にし、その結果コストも最小にしつつ、同じ物質のいくつかのナノ形状のハザード評価を可能にするかもしれない。

 このアプローチは、EU 及び OECD レベルでナノ形状物質のハザード評価に関する将来のガイダンス開発における基礎を形成するであろう。それは、 欧州化学物質庁(ECHA)、欧州委員会共同研究センター(JRC)、及びオランダ国立公衆健康環境研究所(RIVM)による共同報告書である。EU 加盟国、NGOs 及び産業がその草稿作成プロセスを通じて関与した。

背景
 同じ物質のナノ形状のグループ化は、同一のデータセットに基づき、ひとつのナノ形状物質より多くの物質の評価を可能にする。ナノ形状物質は明確な境界の使用(例えば、物理化学的挙動、又は生体外スクリーニング手法の結果における類似性)によってグループ化されるかも知れない。そのようなグループが形成されれば、関連する評価項目データはそのメンバーの中で共有されるかもしれない。グループ化は、テストを低減するが、それでも化学物質の安全な使用を確実にするための REACH データ要求を満たす適応(adaptation)と呼ばれる代替手法である。

更なる情報:報告書のダウンロード



化学物質問題市民研究会
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