C&EN 2012年1月27日
二酸化チタンの分量
キャンディ中のTiO2のレベルは高いので
子どもは大人よりこの漂白剤を多く摂取する

情報源:Chemical & Engineering News, January 27, 2012
A Measure Of Titanium Dioxide
Commercial Product Analysis: Because of TiO2's high levels in candy, children ingest more of the whitener than adults
By Charlie Schmidt
http://cen.acs.org/articles/90/web/2012/01/Measure-Titanium-Dioxide.html

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2012年2月1日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/C&EN/120127_C&EN_A_Measure_of_TiO2.html

Credit: Glane23/Wikipedia
甘いチタン:キャンディは漂白成分、二酸化チタンを高いレベルで含んでいる。
 主に漂白剤として使用されている二酸化チタンは、食品、塗料、身体手入れ用品などにおける一般的な添加剤である。しかし、科学者らは、どのくらいの分量のTiO2 がこれらの製品中に含まれているのかについてほとんど知っておらず、このデータの欠如がこの化学物質の潜在的な健康影響の研究を阻害している。今回、研究者等がアメリカの商品中の酸化チタンの分析研究を初めて実施し、製品のあるものは重量でほぼ10%のチタンを含んでいることを発見した(Environ. Sci. Technol., DOI: 10.1021/es204168d)。

 ”リスク評価者は人間のチタン曝露に関するもっと多くのデータを必要としている”と、この研究を主導したアリゾナ州立大学のポール・ウェスターホッフは述べている。

 ウェスターホッフと同僚等は、キャンディ、チョコレート、乳製品などの食品や、歯磨きや日焼け止めなどの身体手入れ用品を分析した。研究者等は質量分析計を使用して製品中のチタンのレベルを定量化した。身体手入れ用品中の濃度は、重量ベースで1%から10%近くまでの範囲にあった。テストした89食品の中で、白いキャンディやドーナツのような白色の菓子類は最も高いレベルでチタンを含んでおり、一人前当りの最高は340mgであった。イギリスの国民食事栄養調査(The National Diet and Nutrition Survey:NDNS)によるそのような菓子類の消費データに基づいて、研究者等は子どもは大人より2〜4倍のチタンを摂取していると結論付けた。

 このチームはまた、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope; SEM)を用いて、食品中のチタンの36%は、100nm以下のナノ粒子形状であることを発見した。これらの観察に基づき、ウェスターホッフは、廃水処理プラントから環境に放出されるチタン・ナノ粒子のほとんどは食品由来であると述べている。研究者らは次に、このナノスケール粒子により及ぼされる健康リスクを理解する必要があると彼は述べている。


訳注:関連情報
Nanowerk Spotlight February 15, 2012 New study shows that titanium dioxide nanoparticles are ubiquitous in food products



化学物質問題市民研究会
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