ZMWG 2010年6月2日
水銀条約へのZMWG提案に関する
日本政府との電話会議

関連情報:Zero Mercury Working Group, 18 March 2010
ZMWG Proposed Partial Conceptual Text for A Global Mercury Treaty March 2010 Working Draft
http://www.zeromercury.org/UNEP_developments/Hg_Treaty_ZMWG_Working_
Draft_Conceptual_Text_March_2010_Working_Draft-final.pdf

(上記日本語版)
ゼロ・マーキュリーワーキング・グループ 2010年3月18日
世界水銀条約のためのZMWGが提案する部分的概念テキスト 2010年3月暫定ドラフト
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/zmwg/Hg_Treaty_ZMWG_Draft_March_2010_jp.html

紹介:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
Translated by Takeshi Yasuma (Citizens Against Chemicals Pollution (CACP))
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2010年6月2日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/zmwg/ZMWG_Japanese_Government_Conference_Call_100602.html


はじめに

 ゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループ(ZMWG)は、スウェーデンで2010年6月7-11日に開催される水銀に関する第1回政府間交渉会議(INC1)のための準備及び関与の一環として、各国政府及びその他の検討のための部分的概念テキストを3月18日に発表しました。(上記関連情報参照)

 ZMWGは日本政府に対して電話会議を通じてZMWGの概念テキストについて協議したい旨申し入れていましたが、日本政府はこの申し入れを承諾し、6月2日に国際電話会議(Conference Call)が実現しました。下記が電話会議の概要です。

電話会議:
日 時:2010年6月2日 午前9時〜10時10分(日本時間)

参加者:
 日本政府: 環境省環境保健部環境安全課・早水輝好課長以下環境省、経産省、外務省から7人。
 NGOs: ZMWGを代表して3人。 David J. Lennett (Natural Resources Defense Council/NRDC 米国)、Michael Bender (Mercury Policy Project/MPP 米国), 安間武(化学物質問題市民研究会/CACP 日本)

議題:ZMWGが提案する部分的概念テキスト
Zero Mercury Working Group, 18 March 2010
ZMWG Proposed Partial Conceptual Text for A Global Mercury Treaty March 2010 Working Draft
http://www.zeromercury.org/UNEP_developments/Hg_Treaty_ZMWG_Working_
Draft_Conceptual_Text_March_2010_Working_Draft-final.pdf

(上記日本語版)
ゼロ・マーキュリーワーキング・グループ 2010年3月18日
世界水銀条約のためのZMWGが提案する部分的概念テキスト 2010年3月暫定ドラフト
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/zmwg/Hg_Treaty_ZMWG_Draft_March_2010_jp.html

会議の概要:
1.NGOの説明
 NGOを代表してDavid J. Lennett(NRDC)が、ZMWGが提案する部分的概念テキストのうち主要な下記パラグラフについて詳細な説明を行なった(約50分)

  I. 一次水銀採鉱からの水銀生産の管理に対する提案概念
  II. 締約国間における元素水銀と水銀化合物の貿易管理に対する提案概念
  III. 水銀利用製品の製造と締約国間における貿易の管理に対する提案概念
  IV. 水銀、水銀化合物、水銀利用製品の非締約国との貿易の管理に対する提案概念
  V. ある製造プロセス中での水銀使用の管理に対する提案概念
  (VI, VII, VIII は説明省略)
  IX. 技術的及び財政的支援

 様々な説明の中でDavid J. Lennettは、特に次のような点にも言及した。
  • EUとアメリカは水銀輸出禁止を決定したが、日本は水銀を輸出している。日本の水銀輸出禁止が重要である。
  • 中国は国内使用のために水銀一次採鉱を行っており、塩ビ(PVC)製造プロセスで大量に水銀を使用している。中国の動向が重要。
  • ”水銀”輸出はバーゼル条約ではなく、水銀条約で扱い、バーゼル条約は”水銀廃棄物”輸出に限定して取り扱うべきである。
2.日本政府のコメント
 日本政府からは早水課長(環境省)が概ね下記のようにコメントした。
  • 日本政府はNGOの提案を基本的には理解した。
  • 日本政府の検討は包括的・概念的レベルであり、NGO提案のように条約条項レベルではないが、テークノート(take note)した。
  • 個々には詳細な検討が必要である。
  • NGOの提案/説明は有用であった。ポジティブに取り組む。
  • 日本の水銀輸出の問題が緊急事項であることはよく理解している。
  • しかし、日本には余剰水銀の保管、リサイクルシステムの維持などに課題があり、解決に少し時間がかかる。
以上



化学物質問題市民研究会
トップページに戻る