![]() ZMWG 2011年1月 INC2 解説資料
世界の水銀供給 情報源:Zero Mercury Working Group, January 2011 INC 2 Briefing Paper Series Global Mercury Supply http://www.zeromercury.org/UNEP_developments/ZMWG3_Supply_FS0111_03.pdf 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2011年3月20日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/ zmwg/INC2_Briefing_Paper_Series/Global_Mercury_Supply.html 水銀の使用や汚染を削減するための重要な要素は、世界の水銀供給を削減することである。世界の水銀供給を削減すると水銀の価格が上がるために水銀が入手しにくくなるので、水銀の需要を削減することに役立つことになる。このことは、小規模金採鉱のように直接的に又は法的な規制で水銀使用を減らすのが難しい分野では特に重要である。水銀は破壊したり他の物質に変換することができないので、世界の水銀供給を削減するためには、水銀の国際貿易を削減し、最終的には廃絶して、既存の水銀在庫を安全に長期保管することが必要となる。 水銀供給源
一次水銀採鉱は、新たな水銀を世界の在庫に加わえ、また、水銀の採活動そのものが水銀による著しい大気汚染源となるので、最も好ましくない水銀供給源である。キルギスと中国はいまだに大規模な一次水銀採鉱を行なっており、キルギスだけが輸出のために水銀を採鉱している。 金、亜鉛、鉛、銅のような他の金属の採鉱は、精錬・精製工程で多量の水銀を副産物として生成する。金属精錬工程に汚染管理機器を設置すると、それが大気を汚染する水銀を捕らえるので、そのぶん水銀副産物の量が増える。天然ガス製造もまた、製造ラインの腐食を防ぐために金属水銀を捕らえる。 大量の水銀が、特に途上国で、水銀含有製品や産業廃棄物の収集、リサイクル及び再処理により生成される。廃棄物管理の過程において安全と環境のためという理由で再処理された水銀は、転用されて水銀供給源となりやすい。特に水銀電極塩素アルカリ設備の閉鎖又は非水銀プロセスへの転換時には大量の水銀が入手可能となる。これらの塩素アルカリ設備の解体で生じる水銀を確保し保管することは、多量の水銀がすでに1か所に集まっているのだから、世界の水銀供給を削減するために、効率的でコスト高価のある方法である。 貿易制限と保管計画
条約規制措置 水銀条約は、EUとアメリカの輸出禁止という状況で強化され、世界の水銀入手可能は低減される。このことは、新たな一次水銀採鉱を禁止し、既存の一次水銀採鉱を3年以内に廃止することにより達成することができる。さらに、条約は、世界貿易における水銀輸出を禁止すべきである。最後に、条約は塩素アルカリ設備及びその他の水銀使用プロセスの解体及び製品から生じる水銀の隔離を促進し、現在取られているような保管政策と取り組みを支持すべきである。 |