France 24, 2013年11月8日
コロンビアのゴールドラッシュ金採掘
金にはなるが危険も高い


情報源: France 24, 08 November. 2013
Good money, danger galore in Colombia gold rush settlement
http://www.france24.com/en/20131108-good-money-danger-galore-colombia-gold-rush-settlement

訳:安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2013年12月4日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/news/131108_Colombia_gold_rush_settlement.html

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コロンビアのアンティオキア県の都市ブリティカ近くの山岳地帯にあるサンアントニオの村にある鉱山から、採掘者らが不法採掘した金鉱石を詰めた袋を運ぶ。2013年10月19日 (画像クリックで拡大)

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金鉱石をロバに積む採掘者ら。2013年10月19日 (画像クリックで拡大)

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金鉱石を処理する採掘者ら。2013年10月19日 (画像クリックで拡大)
【AFP】 ヘルマン・ピネダは、現代ゴールドラッシュの中で湧き出た粗末な移住者村落での、金採掘、危険な作業、そしてコロンビアでは違法な採鉱に生命の危険をさらしている。

 コロンビアの北西部に位置するここサンアントニオの多くの人々は、プラスチックや木材でできた掘立小屋に住んでいる。しかし手にするお金には文句は言えない。

 そして現在では、2年経過したこの野営地での困難な生活を少しでも軽減する環境ができてきた。理髪店、ナイトクラブ、携帯電話ショップ、そして金取引所などがある。

 コロンビアには14,000の採掘現場があるが、そのうち56%が無許可であると政府は言う。

 鉱山省によれば、2012年1月から今年の6月まで採鉱現場での事故で86人が死亡し、39人が負傷した。

 8人の子どもの父親であるピネダ(40歳)は、アンティオキア県にある山の山腹から金鉱石を採掘する女性や子どもを含む4,000人のうちのひとりである。

 彼は13歳の時から不法な採掘の仕事をしてきた。サンアントニオで彼は採掘した鉱石で生計を立て始めた。うまくやってきた。

 ”私は、稼いだ金を採掘に投資した。そしてある鉱山の共同所有者になった”と述べ、収入の一部は仕事のために爆薬の購入にあてていると付け加えた。

 彼の仕事は、地盤を緩めるために爆薬を仕掛け、作業を安全にするために梁で補強し、20人の採掘者を指揮することである。

 黄金熱は、多くの人々をアンティオキア県の他の場所からも引き寄せ、人々は輝く高価な金属を熱心に探し求めた。

 生活は厳しいが、手にするお金は全く良かった。時には、彼らが掘り出した金の値の約30〜40%、265ドル(約26,500円)ほど手にすることができた。

 ピネダは、他の不平を言う採掘者らよりはるかに良かった。月に13,000ドル(約130万円)位までは稼ぐことができると彼は言った。彼は採掘現場から約30km離れた場所にある賃貸アパートに住み、毎週、ガールフレンドに会いにメデジン(訳注:コロンビアの都市)まで行った。

金の魅力は絶大

 しかし彼の考えははっきりしている。この仕事は危険であり、採掘現場の危ない作業環境のために、彼が働ける年月は短いであろうと彼は言う。

 ”不法採掘ではいつもそういうことなのだ。だから稼げるうちにできるだけ多く稼ぐという考えで、人々はもっと多く、もっと速く採掘しようとしている。それは無秩序である”とピネダはAFPに語った。

 彼はまた、政府がすべてを閉鎖するかもしれないリスクもあると述べた。実際に、当局は危険区域の設定と採掘者を締め出す計画をすでに宣言した。

 ”それは多くの地震活動がある地域である。そこは急斜面で断層がある。多くの人々が山腹で働けば、地層は弱まり、地滑りのリスクが高まる”とアンティオキア県リスク管理ディレクターのシーザー・ヘルナンデスは述べた。

 サンアントニオに出現した移住者村落には水供給設備がないので地面はびしょ濡れで、事態をますます悪くすると、彼は付け加えた。

 地中深くで27年間働いたピネダは、あらゆる種類の事故を目撃し、仲間が死に、盲目になり、手足が不具となったのを見てきた。

 ピネダは彼自身、重度の肺障害を持っていると言っている。現在、彼は40歳になり、採掘の仕事を止めることを考えている。そして、今までに稼いだ金でメデジンに買った店で働こうとしている。

 しかし、金の魅力は大きいので、それは難しい決定であると彼は述べている。



化学物質問題市民研究会
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