2014年10月31日国連人権有害物質特別報告 水銀:人権を脅かす重大な汚染を管理することを これ以上待つことはできない 人権と有害物質特報告者:バシクット・トゥンジャク 情報源:United Nations Human Rights, 31 October, 2014 Mercury: The world cannot wait any longer to control a major pollutant threatening human rights By Special Rapporteur on human rights and toxics, Baskut Tuncakw http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=15241&LangID=E 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2014年11月2日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/UN/141031_UN_Human_Right.html ジュネーブ(2014年10月31日)−人権と有害物質に関する国連の新たな特別報告者バシクット・トゥンジャク氏は、世界中の政府に対して、水銀の有害影響から人の健康と環境を保護するための世界条約である水銀に関する水俣条約の批准手続きを早く進めるよう要請した。 タンカ氏の訴えは、11月3日〜7日までタイのバンコクで開催される水銀に関する政府間交渉委員会の重要な会合(INC6)を目前にして行われた。 水銀に関する水俣条約は、法的に拘束力を持つためには50か国により批准されなくてはならないが、2013年10月に署名と批准のための受け付けが開始されてから1年経過しているのに、現在までわずか7か国が批准しただけである。 ”同条約に128か国が署名したのは喜ばしいことであるが、このペースでは、水銀の有害影響を低減することを含む化学物質の適切な管理を達成するために設定された目標である2020年までに発効しないであろう”とこの専門家は指摘した。 ”批准は、国家にとって人権の義務を果たすべき緊急のことがらである”と、タンカク氏は述べた。条約の批准の遅れは、人々と環境が水銀汚染からの人権への有害影響を受け続けることを意味する”。 ”水銀汚染は、健康、食物、安全な労働条件、そして健康な環境を含む多くの人権への現在及び将来の世代の権利に影響を及ぼす。水銀への暴露は、それが例え微量でも、致命的なものを含んで、ゆゆしい健康の脅威を引き起こす”。 ”水銀の有害影響は、特に脆弱であることが示されている子どもと妊娠可能年齢の女性にとって深刻な懸念である”とタンカクは述べ、”水銀は一旦環境中に放出されると、ぜい弱な集団への水銀の影響は管理することができない”と付け加えた。 国連環境計画(UNEP)が所管するこの条約は、歴史上最も悲劇的な水銀汚染事故に因んで命名された。極めて有毒な水銀汚染廃水の水俣湾への放出が数十年間に及ぶ水銀中毒をもたらした。 地域の数千人の人々が、神経的及び身体的にむしばむ、水俣病として知られる病気になった。 正確な被害者の数は不明のままであるが、数万人の人々の権利が侵害された。 バシクット・トゥンジャク氏(トルコ)は、2014年に国際連合人権理事会(United Nations Human Rights Council)により、有害物質と廃棄物の環境的に適切な管理と廃棄の人権への影響に関する特別報告者に任命された。詳細は下記ウェブサイトを参照ください。 http://www.ohchr.org/EN/Issues/Environment/ToxicWastes/Pages/SRToxicWastesIndex.aspx 特別報告者(Special Rapporteurs )は、人権理事会の特別手続者(Special procedures)として知られているものの一部分である。国連人権部門における独立系専門家の最大の組織である特別手続者は、特定の国の状況や世界の全ての場所の主要な問題に目を向ける理事会の独立した事実発見及び監視メカニズムの一般名称である。 特別手続者の専門家が自主的に行う業務:彼らは国連の職員ではなく、その業務に対する給料を受けない。彼らはどのような政府や組織からも独立しており、個々の能力の範囲内で務めている。 問い合せ及びメディア対応:Soo-Young Hwang (+41 22 917 9325 shwang@ohchr.org) 又は srtoxicwaste@ohchr.org。 他の国連独立専門家に関連するメディアの問い合わせ:Xabier Celaya, UN Human Rights - Media Unit (+ 41 22 917 9383 / xcelaya@ohchr.org) |