2013年1月 IPEN 水銀フリーキャンペーン報告書
石炭火力発電所と製紙工場サイト
タイのタートゥーム 水銀ホットスポット


情報源:Coal-fired power plant and pulp and paper mill site:
Tha Tum Mercury Hot Spot in Thailand
IPEN Mercury-Free Campaign Report, 3 January 2013
Prepared by Ecological Alert and Recovery Thailand - EARTH (Thailand), Arnika Association (Czech Republic) and the IPEN Heavy Metals Working Groupp
Bangkok - 3 January 2013
http://ipen.org/hgmonitoring/pdfs/thailand_mercury_fish-hair-rev-nophotos-en.pdf

紹介:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2013年7月7日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/IPEN/Mercury_Monitoring/Thailand/
Thailand_coal-fired_power_plant_and_pulp_and_paper_mill.html

バンコク−タイ 2013年1月3日

はじめに

 2009年、国連環境計画管理理事会(UNEP GC)は、人の健康と環境へのリスクを削減するために水銀に関する法的拘束力のある世界的文書を開発することを決定した(UNEP GC25/5)。UNEP GCは、水銀はその長距離移動、残留性、生物蓄積性、及び有毒性のために世界の懸念物質であると言及した。その結論は、水銀は人と野生生物に有害な影響を及ぼすレベルで世界中の魚に存在すると述べた2002年UNEP世界水銀アセスメントに基づいている。人間の毛髪は、魚を食べることで取り込まれると思われるメチル水銀の体内汚染の信頼性ある指標として広く受け入れられている(Grandjean, Weihe et al. 1998); (Harada, Nakachi et al. 1999); (Knobeloch, Gliori et al. 2007); (Myers, Davidson et al. 2000))。

 この報告書はタイのタートゥー地区の石炭火力発電所と製紙工場に焦点を当てている。そこはタイ中部のプラーチーンブリー県の最大の複合産業地域であり、バンコクから東北東120km、そしてプラーチーンブリー川から1.5km南に位置する。石炭は水銀を含んでおり、燃焼されると環境に水銀を放出する。制御が不十分な施設は、粒子結合した水銀を大量に放出し、これらの排出は火力発電所の風下の地上に降下する傾向がある。大気汚染防止装置により捕捉される飛灰中の水銀もまたその後に、環境中に放出される。製紙工場は、カビの成長を抑制するために酢酸フェニル水銀(phenyl mercury acetate)が加えられ、放出水を汚染する。

 石炭火力発電所及び/又は製紙工場が潜在的に地域の人々と魚の水銀レベルに影響を及ぼしているかどうか確認するために、魚と毛髪サンプルがタートゥーの産業サイトの近くで収集された。さらに、地域の水銀放出が、長距離移動のために世界規模の問題になるので、我々は、ドラフト水銀条約が”石炭火力発電所や製紙工場に対して、どのように対応しているのかを検討した。魚は、スリマハポ(Srimahaphot)地区にあるシャロンウェン(Shalongwaeng)運河で採取され、毛髪サンプルはタートゥーム準地区の Moo 2 村と Moo 3 村の住民から収集した。

材料と方法

 タイのNGOである EARTH が魚と毛髪の収集を実施した。ライギョ 20 サンプルが、生物多様性研究所(BRI)(2011)により開発された手順を用いて、現地の漁民の協力を得て採取された。毛髪サンプルについては、EARTHがIPEN(2011)により開発された手順を使用して収集した。生物多様性研究所(BRI)は米国メーン州ゴーハムにある彼らのラボで魚と毛髪のサンプル中の水銀レベル(総水銀量THg)を測定した。

結果と検討

 タートゥームは、急速な工業化と拡大に直面している地方の自治体である。過去10年、地域の住民は、火力発電所の露天貯炭所からの石炭粉塵、製紙工場からの恒常的な悪臭、そして公共運河でのほとんど毎日の魚の大量死を含んで、大気汚染、水汚染、騒音公害についての様々な苦情を訴えていた。

 この複合産業地域は、タートゥームにある”304産業公園”と呼ばれる12平方キロメートルの地域にある75の工場からなる。この複合産業地域には、年間90万トンの石炭を消費する 400 MW の石炭火力発電所と、年間50万トンの紙を製造する製紙工場がある。火力発電所は燃料に、石炭とバイオマス、すなわちコメのモミ殻や樹皮を使用する。火力発電所からの水銀放出量は、大気汚染防止装置はもちろん、燃料中の水銀含有量にも依存する (UNEP 2005) が、そのどちらについてもこの報告書では検証していない。製紙工場は、著しい、特に廃水への水銀放出源である(Beim and Grosheva 1992); (Kim, Park et al. 2010).。この調査では、ライギョの 20 サンプルがシャロンウェン運河(17 サンプル)と周辺の沼地(3 サンプル)から、ふたつの異なる年に採取された。Table 1 は、すべてのサンプルの水銀レベルを示す。

Table 1:タイのタートゥームにある火力発電所と製紙工場に近接する
サンプル
水銀
平均
ppm,ww
標準
偏差
最小
水銀
ppm
最大
水銀
ppm
米EPA
参照用量
[脚注a]
ppm
米EPA
参照用量
を超える
サンプル比
EU水銀
制限値
[脚注b]
ppm
ライギョ 20 0.341 0.111 0.067 0.526 0.22 85% 0.02
ww: 湿重量(wet weight)


脚注a:この数値は、メチル水銀は総水銀の90%を占めるという仮定に基づく米EPAの魚の摂取ガイドライン(メチル水銀 0.2mg/kg)で使用されており、カナダで使用されている制限値も同様である。日本と英国は0.3ppmを参照用量としている。(出典:US EPA (2001). Water Quality Criterion for the Protection of Human Health: Methylmercury. Final. EPA-823-R-01-001, Office of Science and Technology, Office of Water, U.S. Environmental Protection Agency Washington, DC: 303.)

脚注b:欧州委員会により示された魚の水銀制限値(2001) Commission Regulation (EC) No 466/2001 of 8 March 2001 setting maximum levels for certain contaminants in foodstuffs (Text with EEA relevance). European Commission. Official Journal of the European Communities. EC 466/2001: L 77/71-13.
 他のいくつかの国も同様な制限値を使用している。UNEP (2002)Global Mercury Assessment. Geneva, Switzerland, UNEP: 258。

 Table 1 は、ライギョのサンプル中の平均水銀レベルは、米EPAの参照用量0.22 ppm を超えており、全サンプルの85%がこのレベルより高かった。全てのサンプルは、タイ政府により設定された汚染基準を超えていた(UNEP 2002)。ライギョ中の水銀濃度は、この魚の全体長に関係しておらず(下記 Figure 1 を見よ)、したがって現地の人々への助言に魚のサイズを基準にとり入れることはできないということを示唆している。

Figure 1
Fish THg vs, Length_75.jpg(19405 byte)
 タイの水生態系の動物の体内組織中の水銀に関する最近の調査は少なく、2000年以前の期間の研究は海洋環境に焦点を当てている。

 汚染管理局によるひとつの調査が、タイランド湾に流れ込む主要河川の河口周辺の海の沈殿物と海洋動物の体内組織中の水銀及びその他の重金属のレベルを観察した(Marine Pollution Subdivision - Polluton Control Department (PCD) - Ministry of Natural Resources and Environment 1998)。この調査は、ボラの体内組織中に 0.063 mg/kg 、サバに0.014 mg/kg、エビとムラサキガイに0.02 mg/kg 又はそれ以下の水銀濃度(wet weight)を観察した。

 最近では、多くの住民の要求と苦情があり、2012年9月にラヨーン県バーン カイ地区の地方自治体ノーンブワがプラグラン運河で魚の組織サンプルを採取し、カドミウム、鉛、及び水銀についてテストした。サンプルはカドミニウムと鉛は示さなかったが、水銀については、0.024以下から0.073 ppm までの範囲の濃度を示した(Central Laboratory (Thailand) Co. Ltd. 2012)。

 タートゥーム周辺からの魚の水銀レベルは、バーン カイ地区のノーンブワと比較すると、かなり高く、むしろタイランド湾の汚染された天然ガス製造地域のエラワンとフナンのプラットフォームで1990年代に採取され、観察された0.5 ppm 以上の水銀レベルの魚に匹敵するCheevaporn and Menasveta 2003)。

 シャロンウェン運河への可能性あるひとつの水銀経路は、火力発電所からの飛灰と、露天貯炭所からの石炭粉塵である。さらに、製紙工場からの汚染された廃水がシャロンウェン運河に流れ込んだ可能性もある。

 シャロンウェン運河は、プラーチーンブリー川に流れ込んでおり、ナコーンナーヨック川と合流してバーンパコン川となっている。バーンパコン川は、Rojanavipart (1990)によれば、付近の河口でミドリガイの高い重金属汚染が見られる川のひとつである。この調査は、”タイランド湾内の重金属による汚染は、もし防止措置がが早急にとられなければ、もっと深刻になるであろう”と示唆した。我々の調査のデータは、いくつかのタイの河川における重金属による汚染の問題は、悪化していないとしても、少なくともまだ深刻であることを示している。

 Table 2 は、火力発電所と製紙工場から 0.5〜2 km に位置するタートゥームの Moo 2 と Moo 3 の村人の毛髪サンプル中の水銀レベルを示している。

Table 2: Mercury content in hair samples from Tha Tum, Thailand
サンプル
水銀
平均
ppm,ww
標準
偏差
最小
水銀
ppm
最大
水銀
ppm
米EPA
参照用量
[脚注c]
ppm
米EPA
参照用量
を超える
サンプル比
タートゥームの
Moo 2 と Moo 3 村
20 4.595 2.692 1.628 12.758 1.00 100%
ww: 湿重量(wet weight)


脚注c:米EPAの参照用量(RfD)は、血中水銀濃度 4-5 μg/L、及び毛髪中水銀濃度約 1μg/gと関連する。US EPA (1997). Mercury study report to Congress, Volume IV, An assessment of exposure to mercury in the United States. EPA-452/R-97-006: 293.

 タートゥームの Moo 2 村と Moo 3 村20人全てのボランティアの毛髪中の水銀レベルは、米EPAの参照用量より4.5倍以上高く、全ての個人のサンプルもこの参照用量を超えていた。毛髪中の最大水銀レベルは、参照用量より12.5倍以上高かった。我々は、ボランティアの年令(18〜72歳)、1週間にとる魚の食事の回数(1回以下から8回以上)、及び彼らの毛髪中の水銀レベルとの間の関連性を検証した。一般的に、水銀レベルはこれらの基準(年令と魚食事回数)の両方に依存し、年令と食事回数が増えると水銀レベルは上がる。しかし、最大水銀レベルは最高齢のボランティアではなく、ライギョを非常にしばしば食べる人の中に見出された。

 どの家庭でも、広く入手可能であり重要な栄養源であるために、地域の淡水魚を日々の食事の一部として食べる。このことは、 タートゥームに住む人々の毛髪中の相対的に高いレベルを説明する。

 タイには環境汚染データが少ない。今日までタイは、重金属汚染の総合的な調査を実施したことがない。それにもかかわらず汚染年次報告2011年度版(天然資源環境省−汚染管理局(IPCD)、2011)によれば、タートゥームが位置するプラーチーンブリー県は、産業有害化学物質による病人の数が4番目に高いとリストされている。

 EARTH(以前の名称は Campaign for Alternative Industry Network orCAIN:代替産業キャンペーン・ネットワーク)により2008年にタイの北東部にあるカーラシン県で実施されたひとつの調査は、電子機器のリサイクルと焼却サイトの近くの土壌中に高いレベルの水銀 (0.70 ppm)を検出した(Saetang and et al. 2008)。

 1978年の11月〜12月にタイのTACSCO社の苛性ソーダ工場の近くで採取した魚のサンプルは、 魚肉に0.10〜1.38 ppm (湿重量ベース)の水銀レベルを示したが、コントロール地域の魚のレベルは 0.01〜0.30 ppm であった (Suckcharoen, Nuorteva et al. 1978)。同じ調査で Sukcharoen, Nuorteva et al. (1978) はまた、毛髪中の水銀にも目を向けた。塩素アルカリ施設で汚染された地域からの毛髪サンプルは、平均水銀レベルは2.3 ppm と 2.9 ppm であった。その施設の近辺の男性と女性の毛髪サンプルには相違があった。男性の毛髪中の水銀濃度は女性に比べると顕著に高かった。もうひとつの調査でSukcharoen(1978)は、同じ塩素アルカリ施設の地域から得たタイではよく食べられる野菜で豚のエサでもあるヨウサイ(Ipomoea aquatica)中に高いレベルの水銀を検出した。この一連の調査は、魚と毛髪サンプル中の高い水銀レベルを示す我々の調査と合致する。この調査でのタートゥームの毛髪中の平均水銀レベルは、タイの塩素アルカリ施設の近辺で1970年代後半に、Sukcharoen により観察されたレベルより高い。

石炭火力発電所及び製紙工場と水銀条約

 この調査で示されたタートゥームにおける魚と毛髪の水銀による汚染は、火力発電所及び製紙工場からの環境と魚の水銀汚染をなくすために、水銀条約がどの様な行動を義務付けたかという疑問を提起する。

 水銀排出目録は、石炭火力発電所は水銀大気排出の主要源であることを示唆している (Pirrone, Cinnirella et al. 2010); (UNEP Chemicals Branch 2008)が、それらの廃棄物及び水への水銀放出の寄与はしばしば、過小評価されている。また、タイのタートゥーム・ホットスポットに関連して、水銀により引き起こされる水生態系への製紙工場の寄与がどのようなものなのかについての疑問も生じる。火力発電所も製紙工場も、現在の水銀条約テキスト中の陸と水への水銀及び水銀化合物の放出源カテゴリーのリストにない (UNEP (DTIE) 2012)[脚注d]。製紙は、水銀ツールキット(UNEP 2005)及び米TRI(有害化学物質排出目録)データが大気への顕著な排出源であると示唆しているにも関わらず、現在の水銀条約には大気排出源としてリストされていない(UNEP (DTIE) 2012)[脚注e]。

 大気排出に関する現在の条約は、、既存の石炭火力発電所を管理するために、もしそれらがある閾値以上である場合(まだ決定していない)、いくつかのあいまいなオプションを提示している。しかし、これらの条項は、この分野の急速な成長に起因するらしい新たな水銀排出を相殺するために十分な規模で。個々のプラントからの排出を削減しないかもしれない。

 水生態系の継続する水銀汚染、特に地域のコミュニティとタイへの旅行者のための食物として提供される魚の汚染を防止するために火力発電所や製紙工場のような放出源からのさらなる放出を防止することが必要である。これらの問題に目が向けられるまで、水銀は地域を汚染し続け、世界の水銀汚染をもたらし続けるであろう。

脚注d:UNEP(DTIE)/Hg/INC.5/3; 製紙と火力発電所は付属書G 水銀及び水銀化合物の陸及び水への放出源のリストにない。

脚注e:UNEP(DTIE)/Hg/INC.5/3; 製紙と火力発電所は付属書F 水銀及び水銀化合物大気への放出源のリストにない。

謝辞

 EARTH、Arnika Association 及び IPENは、Tha Tum 住民の協力、スウェーデン政府及びスイス政府、及びその他からの資金的支援、及びデータを分析するために生物多様性研究所(Biodiversity Research Institute (BRI))により提供された技術的支援に感謝します。この報告書で述べられている内容と見解は、著者及びIPENのものであり、必ずしも資金的及び又は技術的支援を提供した機関の見解ではありません。

参照
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  • Harada, M., S. Nakachi, T. Cheu, H. Hamada, Y. Ono, T. Tsuda, K. Yanagida, T. Kizaki and H. Ohno (1999). "Monitoring of mercury pollution in Tanzania: relation between head hair mercury and health." Science of The Total Environment 227(2.3): 249-256.

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