IPEN 2011年1月
水銀 INC2 エレメント・ドキュメントの IPEN の見解

情報源:International POPs Elimination Network (IPEN),January 2011
IPEN Views of Mercury INC2 Elements Document

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
Translated by Takeshi Yasuma (Citizens Against Chemicals Pollution (CACP))
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2011年1月18日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/IPEN/INC2/IPEN_110114_INC2_Elements_Document.html


 IPENは、事務局のペーパー、”水銀に関する世界の法的に拘束力のある文書への包括的で適切なアプローチについてのドラフト・エレメント・ペーパー”に非常に失望した。我々は、事務局の労力に感謝するが、我々の見解では、このペーパーには野心が欠ける。水銀汚染は、人の健康と環境に対する大きなそして深刻な世界の脅威であり、この脅威に対する強固で野心的な対応が必要である。ところが、事務局のドラフト・エレメント・ペーパーに含まれる措置一式は不適切である。これらの措置は、全体としては、人の健康と環境を適切に守り、魚を再び安全に食べられるよう世界の水銀汚染を十分に低減し環境への水銀の放出を削減するために必要とされる規模で、水銀の放出を削減するために必要とされる行動を駆り立てるためには十分ではない。

したがって我々は、政府間交渉委員会(INC)に参加する国家及び地域の代表者が、子どもの十分な精神的発達の可能性を阻害する水銀への曝露による神経的ダメージを将来の世代が受けないようにするために、十分に強く包括的な世界水銀規制条約の採択に導くであろう強化された修正を導入し、支持することを求める。

 何年にもわたる議論の末、世界のコミュニティは、水銀汚染を規制するための世界の法的に拘束力のある文書が必要であるとという合意に達した。そしてこの文書を準備するためにINCが設立された。残念ながら、協議のためのベースとしてINC2に示された事務局のドラフト・ペーパーは大部分が願望的で自主的である条約体制を描いている。もし、そのアプローチがINCによって受け入れられたなら、少数の最大国及びほとんどの産業途上国又は移行経済国への重要な遵守要求が危うくなるように見える。同時に、ドラフト・ペーパーで提案されている財政的メカニズムは、遵守活動への財政的及び技術的支援を厳しく制限するように見える。もし、このアプローチが採択されるなら、一握りの国しか、この財務的メカニズムからの条約遵守支援を受ける資格が得られないかもしれない。

 このドラフトは、国家行動計画(NIPs)の策定は自主的であるとさえ提案している(Article 21)。もし、これが承認されれば、国家行動計画の策定は条約遵守活動としてはみなされず、自動的には財政的支援の資格は得られないかもしれない。ストックホルム条約の経験は、多くの国にとって、国家行動計画を策定することは国の批准にとって、国の情報の包括的な理解の確立にとって、条約実施への意味ある関与にとって、重要であることを教えている。

 ドラフト・エレメント文書に関するIPENの懸念の例として、”許さない(not allow)”という言葉の使用;水銀含有製品の取り扱われ方;水銀使用製造プロセス;小規模金採鉱;大気放出;汚染サイトの修復−などがある。それぞれについて、以下に議論する。


”許さない(not allow)”

 第3条(水銀供給源)、第7条(水銀添加製品)、第8条(水銀が使用される製造プロセス)において、この重要なエレメント・ペーパーは、通常もっとよく使用される”禁止する(ban / prohibit)”、”妨げる(prevent)”などの言葉の代わりに、”許さない(not allow)”という言葉を使用している。これらの条項は全ての該当する場所で、”許さない(not allow)”という言葉を”禁止する(prohibit)”に修正されるべきである。

 ”許さない(not allow)”という言葉は、明確な意味を持たない。それはかつて他の法的文書中で使用されたことはなく、正確な法的定義に欠ける。それは受動的な言葉であり、ある行為を許さないとある締約国に求めることが、実際にその行為が行なわれることを止める又は防ぐための締約国への確言的な法的義務を生成するかどうか不明確である。このドラフト・エレメント・ペーパーによれば、この言葉は、”具体的な行動が締約国の領土内で生じず、したがって締約国はそれに対応する法律や規則を採択する必要はないかもしれないという状況を許す”ために選ばれた。我々はこれについての説得力のある正当性を見つけることはできない。この言葉の使用により生じる可能性のある抜け道は、”許さない(not allow)”という言葉を禁止する(prohibit)”又は”妨げる(prevent)”と言う言葉で置き換えることによって生じる締約国への比較的小さな追加的な負担よりもはるかに重いように見える。


第7条:水銀添加製品

IPENの見解では、第7条は、免除対象となるもの意外の全ての水銀添加製品を禁止すべきである。しかし第7条の事務局ドラフトは Annex C にリストされている水銀添加製品だけが条約の管理対象となることを提案している。

 もし事務局の提案が受け入れられるなら、Annex C は、水銀含有農薬と殺生物剤、水銀含有塗料、及び顔料のカテゴリーを含むよう修正されるべきである。

 事務局のドラフトは免除がどのように機能するのか明確な姿を示していない。ドラフト第7条は次のように見える。
  • INCに全ての許容できる使用許可免除を協議させる。
  • 期限付き免除の確立又は更新の手続きが示されていない。
  • 条約が発効した後に、免除のリストを更新するための手続きが示されていない。
 第7条は、期限付き免除を許すよう修正されるべきである。事務局のドラフトは唯一の免除タイプである使用許可免除を要求している。使用許可免除は、少なくとも中期的にはコンパクト蛍光ランプのような製品には適切かもしれない。(しかし長期的には、エネルギー効果があり、水銀を使用しないランプが入手できるようになるので、この使用許可は廃止される必要があるかもしれない)。しかし、期限付き免除の条項なしには、締約国が数年で容易に廃止することができる高汚染用途に対してすら使用許可免除を与えることになり、これにより廃止することができ、また廃止すべき水銀添加製品の使用について無期限の免除を与えることになる。

 この条項はまた、条約が新たな製品及び新たな情報に対応できるよう水銀含有製品の他のカテゴリーを加えるために、Annex C を修正するためのきちんとした手順を確立すべきである。


第8条:水銀が使用される製造プロセス

 この条項は、水銀使用製造プロセスの廃止のための世界の目標期限の確立を含んでいないが、例えば、比較的迅速な水銀電極塩素アルカリ製造設備の廃止の世界的な目標達成に関して、そのような手順は非常に有用なはずである。

 条約の下に規制対象となる全ての水銀使用製造プロセスをリストする Annex D は、わずか二つのプロセスしか記載されていない。塩素アルカリ製造及び塩化ビニルモノマー製造である。それはまた、水銀化合物を触媒として使用する全ての他の化学物質製造プロセスをリストすべきである。その中でも特に、アセトアルデヒド製造とポリウレタン製造を含むであろう。水俣の災害は水銀触媒を利用するアセトアルデヒド製造設備から水俣湾に放出された排水によって引き起こされた。水俣病を引き起こした化学製造プロセスを禁止又は規制するための条項がない世界水銀規制条約について、水俣条約と命名する採択をするとすれば、それはなんとも皮肉なことである。

 第8条は、 Annex D にリストされる製造プロセスで水銀を使用するひとつ又はそれ以上の設備を持つ各締約国は、そのようなプロセスにおける水銀の使用をを削減及び廃止する国家行動計画を策定することを求めている。しかし第8条はこれらの締約国は策定した計画を実施する義務を有するということをどこにも述べていない。

 第8条で求められる国家行動計画は、Annex D の Part II にリストされる要素を含むことが求められている。 Part II は、計画はそのような設備が年間に消費する水銀の量の見積りを含んで、そのような設備の数とタイプの目録を含むよう適切に要求している。しかし、それはこれらの設備からの水銀放出の測定または見積りを求めていない。これらのデータは重要である。現在、国際的なコミュニティは、水銀触媒を使用する塩ビモノマー(VCM)製造から放出される水銀と環境中に放出される水銀に関するデータを全く持っていない。このプロセスは2008年にUNEPによって770トンの水銀を消費すると見積もられた。消費された水銀の約半分が放出されているので、VCM製造は世界の人間活動に由来する水銀汚染に最も貢献しているもののひとつであるということを示唆している。しかしデータがなければ、誰にもわからない。

 第8条2項は、条約発効日に締約国の領土内で使用されている又は存在する Annex D にリストされる水銀を使用する製造プロセス又は設備を導入することを禁止している。この条項は、二つの深刻な問題を抱えている。第一に、その条項は、そのような設備が現在存在している場合には、これらの締約国が無制限にその数とサイズを拡大すること許すライセンスを与えるものである。第二に、将来そのような施設を建設し操業したいと望むかもしれない国が、条約が発行する前に急いでプラントを建設することを奨励することになる。このようなやり方では、条約が発効する前の期間に、締約国が望むだけの数の施設を建設するためのライセンスを無制限に発行することになる。この条項は、これらの新たな設備の建設と既存設備の拡張に関する明確な制限と規制を規定するよう修正されるべきである。もし操業を継続すべき既存の設備を持つ国を許可するために期限が必要なら、採用すべき期日は条約が発効する日ではなく、条約を採択する外交会議の行なわれる日とすべきである。


第9条:小規模金採鉱

 小規模金採鉱(ASGM)は、世界の全大気放出源の推定18%に寄与する第2位の水銀大気放出源であるとUNEPにランクされている。さらにASGM は、水系への直接水銀放出の非常に大きな放出源である。それは深刻な職業的及び地域社会の水銀曝露源である。それは地域社会に金(かね)もたらすが、それはまた地域の経済を混乱させるインフレーションをしばしばもたらし、貧しい地域社会をさらに貧しくする。金価格が非常に高く高騰するので、ASGMの実施は規制がなければ拡張し続けるであろう。しかしドラフト第9条は、ASGMへの対応に自主的な措置だけを提案しているように見える。このことは、ASGMに取り組む締約国の努力を条約遵守体制の外に置き、したがってその活動は条約の財政的メカニズムからの支援を得るための資格を得る対象とならないように見える。このことがASGMに関する世界の高い懸念をもたらしている。しかしドラフト・エレメント・ペーパーは、ASGMへの対応に自主的な措置だけを提案しているように見え、ASGMに取り組む締約国の努力を条約遵守体制の外に置き、したがってその活動は条約の財政的メカニズムからの支援を得るための資格を得る対象とならないように見える。

 この汚染源に対応する第9条は、野心的な意図を示して記述を開始している。

 この条約の発効日にその領域内に小規模金採鉱を持っている締約国は、そのような採鉱において水銀及び水銀化合物の使用を削減し、実行可能なら廃絶し、水銀及び水銀化合物の環境への放出を削減しなくてはならない。

 しかし第9条は、真の遵守義務を含んでいない。締約国がこの見事な野心的目標を達成する方向に向けてなすために実際に義務付けられていることの全ては”措置を取ることを考慮すること”である。実際に何かをしなくてはならない義務は何もない。意図的かどうかは分からないが、このドラフトはまた、小規模金採鉱での水銀使用を削減し廃絶するための措置の支援において技術的及び財政的援助を提供するのかどうかに関して、提供国に完全な柔軟性を与えている。

 ドラフト第9条2項は、小規模金採鉱での水銀使用を削減し廃絶するための国家の措置への技術的及び財政的援助は自主的であることを示している。それは次のように述べている。”締約国は、技術的及び財政的支援及びその他の関連事項に関し相互に及び関連する政府間組織と協力してもよい”(強調を加た)。IPENの見解では、ASGMでの水銀使用を削減し廃絶するための野心的で効果的な国家プログラムに関わるコストは相当な額になる。強固な世界水銀規制条約は、提供(ドナー)国がそのようなプログラムに多くの支援を提供する義務を含むことが必要であろう。

 第9条は、その領域内に小規模金採鉱を持つ各加盟国は、その目的がASGMにおける水銀使用を最小とし廃絶することである国家行動計画を開発し実施することを求めるよう修正すべきである。そのような計画は、国家目標の記述、削減目標、及びこれらの目標を達成するために用いられる措置を含むべきである。そのような計画は、次の事項を含むべきである。
  • 国家目標、削減目標、この目標を達成するために用いられる措置の記述。
  • 水銀の輸入及びこの分野に対するその他の水銀供給を禁止することを含んで、ASGMに利用できる水銀供給を制限するために締約国が採用する措置。
  • すべてのアマルガム実施手法の中で最悪の全鉱石アマルガム化を禁止し、制限し、又はあきらめさせるために締約国が採用する措置。
  • 採鉱活動が終了した後のASGMサイトの浄化、修復、復興のために締約国が使用する措置とメカニズム。
締約国は計画の下における進捗を条約(事務局)に定期的に報告すべきであり、第9条は計画が定期的に更新されていることを示すべきである。

このアプローチは、加盟国にかなりの柔軟性を与えるが、それはまた、ASGMにおける水銀使用を削減し、廃絶するための締約国の活動を条約遵守体制の中に堅固に組み込み、したがってこれらの活動が条約財政メカニズムからの支援資格を得ることを可能とする。


第10条:大気放出

 UNEPの2008年大気放出水銀評価によれば、非意図的水銀放出源(化石燃料燃焼、金属採鉱と精錬、セメント製造、及び廃棄物焼却)を合わせると全ての大気水銀放出の70%になる。このことは、これらの放出源に対応した条約措置の効果は重要になることを示唆している。IPENは、最良の入手可能な技術(BAT)の使用を求め推進する義務が、これらの放出源に目を向ることを目指した条約措置の核となるべきであるとするドラフト・エレメント・ペーパーに同意する。しかし、我々は提案されている具体的な条文には重大な懸念を持っている。

 我々は、詳細なBAT指針を条約の条文そのものに導入しようと試みることは非常に複雑になり、したがって、詳細なBAT指針の作成は締約国会議(COP)による最終採択をもって専門家グループに行く必要があるとするこの重要なエレメント・ペーパーに同意する。しかし水銀放出の規制に適用される”最良の入手可能な技術”が何を意味するのかについて、国際的に受け入れられている定義は、現在、存在しない。したがって、第10条4項はBATを定義するために修正される必要がある。それはまた、BAT指針が導入すべき目的、指針原則、及び政策の枠組みの明確な記述をふくめるために修正する必要がある。

 これらの条文修正案は、INC のコンタクト・グループによって作り出され、専門家グループが用意するBAT指針が水銀放出における実際の削減を達成するために適切であることを確実にするために専門家グループに明確な指針を提供できるようにすべきである。

 そのような修正案がINCによって採択されず、条約の条文に導入されなければ、BAT指針のドラフト作りに指名された専門家グループは何もすることができず、有用な成果物を作り出すことは不可能である。良いBAT指針は条約の実施を成功させるために確かに重要なので、これらの指針のドラフト作りに指名された専門家グループは、その仕事に成功する機会を与えられるべきであり、失敗するであろう定義されていない仕事を負わせるべきではない。

 我々は、この条項にいくつかの他の懸念も持っている。このドラフトは、第10条を大気放出だけに目を向け、水や土壌への放出に目を向けないことの影響について考えていないように見える。この条項は、Annex E にリストされている4つの放出源に対応して作成されている。石炭焚き発電所及び産業用ボイラー、非鉄金属製造施設、廃棄物焼却施設、及びセメント製造工場である。ドラフト・エレメンと・ペーパーはこれら非常に大きな放出源から水と土壌への水銀放出を規制するための措置を提案していないように見える。しかし、もし、条約が大気放出だけを規制し、他の媒体を規制しなければ、これは汚染媒体の移行を招く。運転員は、事実上、水銀の水と土壌への放出を増やすことで水銀の大気放出を削減して報われるかもしれない。したがって、第10条と11条は統合して、水銀の大気放出と水銀の水と土壌への放出の両方を規制するBATを利用するひとつの条項にすべきである。この統合された条項は、 単一のBAT標準を確立して、Annex F にリストされている放出源及びその他の顕著な水銀放出源を含めるために拡張された単一の Annex E を参照すべきである。

 非意図的水銀放出源の特別な懸念は、住宅及び産業用加熱のための化石燃料の使用からの排出である。UNEPの2008年大気放出水銀評価は、この放出源は全世界の人の活動に由来する水銀の大気放出の20%にあたり、最大の放出源のひとつであるとしている。しかし、ドラフト・エレメント・ペーパーはこの重要な放出源について何も対応していないように見える。第10条と Annex E は、この重要な放出源に対応し規制するために修正されるべきである。

 IPENは最後に第10条5項を修正して、比較的少数の(大国で高度に産業化された)”総水銀放出量が著しい国”は詳細遵守義務の対象となる一方、他の加盟国は第10章の放出源に対応した国家行動計画を開発し実施することが求められないという二層構造のアプローチを除去することを提案する。この条項は、各締約国が大気水銀放出を削減し廃絶するための国家行動計画を採択すること求めるよう次のように修正されるべきである。これらの放出を削減し、実行可能な場合には廃絶するための国家計画を開発すること。そしてその計画を実施すること。

 二層構造のアプローチは、比較的少数の国だけが Annex 10 放出源に対応する財政的メカニズムから大きな支援を受けることになるであろう。他の国については、これらの放出源に対応するための国家努力は、多くが自主的であり財政的支援はないであろう。IPENは、このアプローチでは意図する目標を達成できないであろうと懸念する。我々は、もし条約を成功させようとするなら、全ての地域の全ての関心を持つ政府の完全な参加を促進することが必要であると信じる。多くの後発開発途上国(Least Developed Countries)及び小島嶼開発途上国(Small Island Developing States)、特に魚に大きく依存する食事に対するよい代替がない人々は、この条約の成功に最大の利害関係がある。最大の総水銀放出量を持つ国々の総排出量を減少させるために必要とすることをするようそれらの国々を説得するために必要となる世界の弾みをつけるために、後発開発途上国や小島嶼開発途上国の政府は、この条約とその実施に完全に関与する必要がある。


第13条:汚染サイト

 もともと水俣の災害は水銀触媒を使用するアセトアルデヒド製造設備から水俣湾に放出した排水により水銀汚染されたサイトからもたらされたものである。しかし事務局ペーパーのドラフト第13条は、全く自主的であり、どの締約国にもその領土内の汚染されたサイトに対して何かをすることを求めるどのような遵守義務をも含んでいない。このことは、締約国の汚染サイトに対応する努力は条約遵守体制の外側にあり、したがってこれらの活動は、条約の財政メカニズムからの支援の資格が得られない可能性がある。締約国に水俣湾のような汚染サイトから人々を保護するためのどのような義務をも含まずに世界水銀規制条約を水俣条約と命名するなら、それはなんとも皮肉なことである。

 条約は、締約国に汚染サイトに対応するための計画を策定し実施することを義務付けるべきである。これらの計画の要素は次のことを含むべきである。

  • 施設を閉鎖した後に放置されたままのサイトを含んで、その領土内の水銀汚染サイトの特定と評価。
  • 修復のための費用を負うべき組織に責任を持たせるための、水銀汚染による全ての被害者が適切な補償を受けることを確実にするための、そして汚染者負担の原則を適切に実施するための手順。
  • 水銀汚染の拡大を防止するための措置。
  • 水銀及び水銀化合物で汚染されたサイトが環境的に適切な方法で修復されることを確実にするための国家の指針。
  • 脆弱な集団への特別の配慮を持って、修復の前、途中、後に水銀へのヒト曝露を最小にすることを確実にするための国家の指針。
  • 脆弱な集団への影響を考慮して、水銀で汚染されたサイトの近くに住む人々への健康影響を調査するための手順。
  • 水銀で汚染されたサイトの近くに住む人々に水銀曝露のリスクに関する情報を提供する措置。


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