2016年3月10日
INC7 における IPEN 開会発言
IPEN 水銀政策担当リー・ベル

情報源:Opening Statement from IPEN for INC7, 10 March, 2016
By Lee Bell, IPEN Mercury Policy Officer
http://ipen.org/sites/default/files/documents/
Opening%20Statement%20from%20IPEN%20for%20INC7%20.pdf


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2016年3月15日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/INC7/IPEN/160310_IPEN_Opening_Statement.html

 議長、ありがとうございます。私は、世界100か国、700の公共団体のネットワーク IPEN のリー・ベルです。

 IPEN は、すでにヨルダン王国によって示された素晴らしい歓待への感謝の意を表明した諸国と地域の声に加わりたいと思います。我々はまた、この会合開催のための準備に取り組まれた条約事務局に対し感謝いたします。

 批准プロセスを支援するために、IPEN は、ASGM、汚染サイト及び脆弱な集団の生物監視のような条約の重要な条項に関する能力構築、知識向上、研究プロジェクトを通じて、30 以上の発展途上国及び移行経済国で活動してきました。

 水銀汚染サイトの特定と管理のための効果的で、入手可能で、科学的に適切なガイダンスが緊急に求められています。また、将来の世代を守るために持続可能な方法で汚染サイトを管理するために、最も必要とする諸国のための適切な財政的資源の要求もあります。この会合での汚染サイト・ガイダンスの暫定的な採択は、多くの国にとっての批准のための障壁を取り除くのに役立つでしょう。

 ASGM は強いガイダンスを必要とする関連問題です。現在、委員会に提出されている国家行動計画ガイダンスの草稿は国家のアプローチに注力しています。しかしガイダンスを真に効果的にするために、また国家の政策の意図が公衆の健康と環境の保護のための現場での行動に展開されることを確実にするために、ガイダンスは採鉱者、現地当局、ヘルスケア従事者及び NGOs を調整する現地行動計画が盛り込まれるべきです。

 IPEN は条約についての意識向上に専心しており、INC6 に先立ち水銀条約ガイドを、INC7 用には汚染サイト・ガイダンスを発表し、またその間には水俣条約初期評価(Minamata Initia Assessments)に向けて多くの国で意識向上の活動の実施してきました。IPEN は、全ての地域での水俣条約の迅速な批准と早期の実施に向けて、貢献し続けるでしょう。

 IPEN はまた、ぜい弱な集団の水銀汚染を評価し、世界の監視データのギャップ、特にグローバル・サウスにおけるギャップを減らすために、UNEP とのパートナーシップによって、妊娠可能年齢の女性の世界的な生物監視を実施しているということを皆さんにお知らせすることは喜ばしいことです。我々は、自国の目録とするデータを収集することの可能性を検討したいと望む国があれば、この会合においてそのプログラムについて話し合う機会を持つことを期待しています。

 結論として、IPEN はヨルダンに参集したすべての代表者が人の健康と環境を水銀の排出と放出から守るために活動を続けると約束することを歓迎します。まだ終わっていない作業を完了させ、迅速で効果的な行動をもたらすであろう強いガイダンスを採択することにより、水俣を真に敬いましょう。

 条約に水俣の名前を冠したということは、同条約を直ぐに発効させるための道を開くために全ての政府が条約の迅速な批准に向けて動く倫理的な責任が生じるということです。IPEN は、水銀汚染と人の健康への影響を低減するために、最も強いそして最も効果的な措置を主張することにより、水俣を敬い続けることでしょう。我々は、各国政府に対し、条約を批准し実施することにより、水俣を敬うよう求めます。

 ありがとうございました。


化学物質問題市民研究会
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