2012年1月23日 プレスリリース
市民団体共同声明
水銀条約に「水俣の教訓」を反映するよう求める

PDF版
掲載日:2012年1月23日
安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/CSO/120123_press_CSO_joint_statement_Minamata_jp.html

 私たちは、世界中の水銀汚染を懸念する国内146団体・個人、海外340団体・個人の賛同を得た”市民団体共同声明 水銀条約に「水俣の教訓」を反映するよう求める”を2012年1月23日付けで、外務大臣、経済産業大臣、及び環境大臣宛てに提出しました。

 私たちは世界中のどこにおいても二度と水俣の悲劇を繰り返すことがないようにするために、現在、国連環境計画(UNEP)の下に2013年に採択されるべく検討されている水銀条約に、水俣の悲劇から学んだ教訓を反映することが重要であると考えています。しかし、昨年10月31日〜11月4日にナイロビで開催された水銀に関する法的拘束力のある文書に関する政府間交渉委員会第3回会合(INC3)で提案された条約案の中の「第14条 汚染サイト」は、非常に弱い自主的な条項とする表現に後退しました。「水俣の教訓」の重要な一部である ▼汚染者による被害者への責任と補償 ▼汚染者による汚染サイトへの責任、修復、コスト負担 ▼行政と汚染者による被害究明のための徹底的な調査 ▼被害の原因と被害に関連する全ての情報の開示−は全く含まれていません。

 これらの教訓が水銀条約に含まれなければ、汚染サイトの修復、被害者の補償、徹底的な調査、情報開示を条約の下に求めることができなくなります。水俣の悲劇が世界中のどこでも二度と起こらないようにするために、そして万が一、どこかでそれが起きても、当該国と汚染者に最後まで責任を持たせることができるよう、水銀条約に 「水俣の教訓」 を反映させなくてはなりません。

 そこで当研究会が中心となり、2011年末に市民団体共同声明 ”水銀条約に「水俣の教訓」を反映するよう求める” の日本語版と英語版を作成し、水俣病被害者互助会及びグリーン・アクションと連名で、世界中の個人及び団体に賛同を求めるキャンペーンを展開しました。その結果、本年1月22日現在、国内の個人及び団体146筆、海外の個人及び団体340筆の賛同を得ました。私たちは、この共同声明を1月23日付けで賛同リストをつけて、外務大臣、経済産業大臣、環境大臣あてに送付しました。

 国連環境計画(UNEP)は、日本政府の提案により、2013年に水銀条約の採択、署名のための外交会議を日本で開催することを決定しており、日本政府は条約名を水俣条約としたい意向であると世界は理解しています。しかし、「水俣の教訓」が反映されていない条約に、「水俣条約」と命名するようなことがあれば、それは水俣の被害者の尊厳を侮辱し、水俣の悲劇が二度と起きないようにするための水銀条約の権威を損なうものであると考えます。

 共同声明では、これらの「水俣の教訓」を水銀条約に反映させることは、水俣の悲劇を経験した日本政府の責務であり、その実現のために日本政府は最大限の努力をすることを強く求めています。

取りまとめ団体:
 化学物質問題市民研究会
 水俣病被害者互助会
 グリーン・アクション

連絡先: 〒136-0071 東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル 4 階 TEL/FAX 03-5836-4358
化学物質問題市民研究会 安間 武 ac7t-ysm@asahi-net.or.jp
以上

資料:
2012年1月23日 市民団体共同声明 ”水銀条約に水俣の教訓を反映するよう求める” 賛同リスト付き
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/Shiryou/Lessons_Learned_from_Minamata_jp.pdf

2012年1月 市民団体共同声明について  ”水銀条約に水俣の教訓を反映するよう求める”
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/CSO/Lessons_Learned_from_Minamata.html



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