IISD 報告 概要
水銀に関する水俣条約第1回締約国会議(COP1)
2017年9月24日〜29日、ジュネーブ

情報源:International Institute for Sustainable Development (IISD) Reporting Services
1st Meeting of the Conference of the Parties to the Minamata Convention on Mercury (COP1)
24-29 September 2017 | Geneva, Switzerland
http://enb.iisd.org/mercury/cop1/about.html

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2017年10月3日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/COP1/IISD/IISD_Mercury_COP1.html

ハイライト(原記事に写真多数)
  • Summary Highlights, 24 - 29 September 2017
     水銀に関する水俣条約第1回締約国会議(COP1)は、2017年9月24日〜29日にスイス、ジュネーブの国際会議センターで開催される。地域、及びその他の協議は9月23日の全日及び9月24日の午前中に開催され、午後3時から COP1 の開始が予定されている。

     水銀に関する水俣条約は50か国以上により批准され、2017年8月16日に発効した。 COP1 に参加する代表者らは、条約の下に、水俣条約のための全権委員会議(Conference of Plenipotentiaries for the Minamata Convention)及び政府間交渉委員会(Intergovernmental Negotiating Committee)によって規定される多くの事柄について討議することが予想される。これらは、特に、水銀供給源及び貿易、排出、財源とメカニズム、遵守、及び効果の評価を含む。

     スイス大統領主催のハイレベル・セグメントは、”水銀の歴史を作る(Making Mercury History)”の標語の下に9月28〜29日に開催されることになっており、そこではハイレベル代表団が彼らの条約に対する関与を祝することになっている。

  • Highlights for Sunday, 24 September 2017
     ”水銀の歴史を作る”というテーマの下に、水銀に関する水俣条約第1回締約国会議(COP1)が、スイスのジュネーブで、2017年9月24日(土)に始まり、2017年9月29日(金)に終了する予定である。簡単な開会式典で代表者らは、スイス連邦環境庁(FOEN)長官マーク・シャルドネンス 氏及び国連環境の副局長イブラヒム・チャウ氏による開会演説を聞いた。

     次に代表者らは、役員選出、手続き規則、信任状委員会の指名を含む組織上のことがらを決めるために総会を開催した。そして代表者らはウルグアイのフェルナンド・ルグリス氏を議長とする全体委員会(Committee of the Whole)を設置した。

     一般演説の一巡後、締約国会議(COP)は、事前に採択されていた供給源と貿易、廃止期日の免除、及び排出に関連するガイダンス文書に関する討議に入った。

  • Highlights for Monday, 25 September 2017
     水銀に関する水俣条約第1回締約国会議(COP1)第2日目、2017年9月25日(月)。ウルグアイのフェルナンド・ルグリス氏を議長とする全体委員会(COW / Committee of the Whole)で代表者らは、とりわけ、報告;特定の国際プログラムを含む資金メカニズム;締約国会議(COP)と地球環境ファシリティ(GEF)協議会との間の基本了解事項;地球環境ファシリティ(GEF)へのガイダンス、常設事務局の機能;及び効果の評価に関連する問題を討議した。

     報告と資金メカニズムをさらに討議するための二つのコンタクト・グループが立ち上げられ、同日開催された。夕方、議長の友達グループは、常設事務局の機能を検討するために会合を持った。代表団はまた、昼食時に土壌に関するテーマ別対話に関与し、また水俣条約初期評価(Minamata Convention Initial Assessment)に参加した。

  • Highlights for Tuesday, 26 September 2017
     水銀に関する水俣条約第1回締約国会議(COP1)は2017年9月26日(火)に全体委員会(COW)で会合を持ち、中でも、閾値、汚染サイト、財政規則、実施遵守委員会、作業プログラムと予算、及び排出ガイダンスを討議した。

     資金メカニズム及び報告に関するコンタクト・グループは、新たに立ち上げられた技術的問題に関するコンタクト・グループとともに、同日夕方に会合を開いた。

     代表者らはまた、昼食時に大気に関するテーマ別対話に関与し、水俣条約初期評価(MIA))診断に参加した。夕方、親しみを込めて”スイス休憩(Swiss Break)”と呼ばれるレセプションをスイス政府が開催した。

  • Highlights for Wednesday, 27 September 2017
     水銀に関する水俣条約第1回締約国会議(COP1)に参加した代表者らは水曜日午前中に全体委員会(COW)の状況説明会合開いた。その後、報告、資金メカニズム、作業プログラムと予算、及び技術的問題に関するコンタクト・グループが召集された。

     事務局の機能に関する議長の友達グループは、前日、双務的な会合を続けた。

     代表者らはまた昼食時に、水に関するテーマ別対話に関与した。

     全体委員会(COW)の会合で、代表者らは6月に条約を批准したルワンダが意思決定締約国になることを認めた。

     夕方、地球環境ファシリティ(GEF)は、彼らの映画 ”Make Mercury History(水銀の歴史を作る)” を公開した。

  • Highlights for Thursday, 28 September 2017
     木曜日、水俣条約ハイレベル・セグメントは、午後、開催式典でハイレベル代表者会合を開き、8か国大臣円卓会議及び双方向対話和を開催し、夕方パレ・デ・ナシオンでの大臣夕食会に参加した。

     全体委員会(COW)は進捗報告を聞くために午前中に参集し、午後、締約国会議(COP)に決議案を勧告するために会合を開いた。

     事務局機能に関する議長の友達グループのオープンエンド会合が、双方向会合の結果に関して報告するために手短に開かれた。報告及び作業プログラムと予算に関するコンタクト・グループが様々な点を討議するために終日、開催された。締約国会議(COP)は、昼食時に、”Moment for Minamata(水俣のひと時)”を開催し、代表者らは地球環境ファシリティ(GEF)により主催された水俣条約の実施に関するハイレベル・イベントに参加した。

  • Highlights for Friday, 29 September 2017
     29日(金)の午前中、水俣条約 COP1 ハイレベル・セグメントは、28日に開催された(木)8か国大臣円卓会議の報告を聞くために、また国家声明を聞くために、会議を招集した。基調演説で、コンサベーションインターナショナル(CI)の最高運営責任者(CEO)の M. サンジャヤン氏は、水俣条約の発効を称賛しつつ、本日設定された軌道は10年で世界を変えるであろうと強調した。会議中、イギリスは15万ドル(約 1,700万円)を特定国際プログラム(SIP)に寄付、ノルウェーは 20万ドル(約 2,200万円)の寄付を発表した。数か国は水銀使用により引き起こされる、及び水銀汚染に関連する課題に対応するための国家レベルの取組みの概要を報告した。

     ハイレベル・セグメントの閉会に当たり、 COP1 議長であるスイスの環境副大臣マーク・シャルドネンス 氏は、水銀政策は公衆健康と地域レベル汚染の戦略及び管理措置に統合されるべきであると強調した。

     全体委員会(COW)は、作業プログラムと予算に関するコンタクト・グループからの進捗報告を聞くために、そして他の未解決の問題に対応するために、午後に召集された。議長であるウルグアイのフェルナンド・ルグリス氏は、事務局設置に関する、コスタリカ、エクアドル、ガーナ、日本、ヨルダン、メキシコ、パナマ、ペルー、ジンバブエ、チリ、及びコロンビアにより提案された、提案書草稿に関する各国間の協議を可能にするために、午後遅く、全体委員会(COW)をしばらく中断した。COP2 以前の暫定期間は事務局はジュネーブに置かれるという理解に基づき、作業プログラムと予算に関するコンタクト・グループは午後遅くから夜にかけて開催された。

     全体委員会(COW)は事務局設置の討議に戻ったが、代表者らはアメリカによる当初の提案の修正に合意することができなかった。全体委員会(COW)の再開で、代表者らは、決議案を承認し、特に、当初はジュネーブにある水俣条約事務局を通じて役割を果たすよう、UN Environment Executive Director に要請することに同意した。そして、実施遵守委員会に関する決議案を承認した。そこで議長ルグリス氏は全体委員会(COW)を中断した。

    • 8:51pm - COP1 閉会総会開会、10決議採択。 9:05pm に全体委員会(COW)からの更なる決議を待つために中断。
    • 11:08pm - 事務局に関する決議を採択するために総会再開。 11:11pm に総会は再び中断。
    • 1:35am - 作業プログラムと予算、かっこ付付文書を含む決議案、財政規則、及び地域センターを討議し承認するために全体委員会(COW)が再開され、1:44amに閉会。
    • 1:58am - COP1 総会が再開し、作業プログラムと予算、かっこ付文書を含む財政規則、及び財政規則を承認。地球環境ファシリティ(GEF)との了解覚書(MoU)を討議。 COP1 議長シャルドネンス 氏は 2:49am に総会を中断。
    • 3:08am - COP1 総会は再開し、3:15am に閉会。
レポート(文書)



化学物質問題市民研究会
トップページに戻る