G8 マイアミ宣言以後5年間の各国の進捗情況
10. 各国の将来計画

情報源:Five year review of progress since the G8 Declaration / April 2002, Canada
掲載日:2003年10月30日
(訳:安間 武 /化学物質問題市民研究会

10. Future Plans by Country
10. 各国の将来計画
■カナダ

  • 子どもの環境健康の保護を確実にするために、下記のような項目を実施する。
      ・鉛と大気品質など重点項目を実施
      ・子どもの環境健康を政策、実施計画、その他イニシアチブに統合
      ・カナダ環境保護法(1999)を見直す時に、この法の下で子どもの環境健康がどのように目を向けられているかを検証
  • 子どもの環境健康に関し、州/準州政府機関、研究及び学術機関、私企業、及び、NGOs とのパートナーシップを維持、強化する。
  • 子どもの環境健康に関する地域及び国際的イニシアティブを支援し参加する。これらには、北アメリカ環境協力委員会の ”子どもの環境健康イニシアティブ” などがある。
■欧州共同体(EC)

  • 欧州委員会は、 ”環境と健康に関するコミュニケーション” を提案し、2002年末までに採択すべく、準備中である。このコミュニケーションは、子どもに特別な注意を払いつつ、健康に対する環境的危険の影響を低減する戦略を確立するものである。
■フランス

  • 気候変動に対する国際的計画の枠組みの中で、努力を結集し拡大する。
  • 子どもへの懸念を健康政策に織り込んでいく。
  • 保健省と環境省との間の協力体制を強化する。
  • 京都議定書の批准に導く努力を継続する。
■ドイツ

  • 第2回 子どもの環境と健康に関するパブリック・フォーラムを通じて、公衆、関係者、及び政府当局者との対話を強化する。
  • 子どもの環境健康と持続可能な開発とのより良い統合のため努力。する
  • 連邦政府内に子どもの環境健康に責任を持つ組織的な基盤を確立する。
  • 省庁間の協力体制、特に交通の影響と研究に関し、強化を図る。
■イタリア

  • 2002年までに持続的開発のための国家環境戦略を採択する。
  • 持続的開発のためのローカル・アジェンダ21を実施し、公衆−個人の参加を促進する。
  • 政策決定プロセスへの公衆参加を推進することにより市民社会を励まし、NGOs 、公衆、政府当局、通商組合、及び私企業と相談してことを図る。
  • 国際組織の活動への参加を継続する。
■日本

  • リスク評価における内分泌かく乱化学物質(EDCs)の問題に引き続き目を向ける。
  • 残留性有機化学物質に関するストックホルム条約などの国際的条約の締結に向けて引き続き努力し、国際組織を支援する。
  • PRTRやその他からのデータを用いて環境リスクを低減する努力を強化し、また、公衆、産業、及び政府との間のリスクコミュニケーションを強化する。
■イギリス

  • ”国家健康サービス計画” は、”女性と子どものための効果的で適切なスクリーニング・プログラム” を2004年までに導入するという計画を示している。これには、妊婦と新生児の thalassaemia 及び、sickle cell 病を検出するスクリーニング・プログラムを含む。
  • イギリス国家スクリーニング・委員会の”出生前”部会は、出生前スクリーニング・プログラムの見直し作業を行っている。最初に検証されるべきプログラムはダウン症候群のスクリーニングであり、”国家健康サービス”は、全ての妊婦は妊娠6ヶ月目のスクリーニングを受けるべきとする勧告を受けている。
  • 赤ちゃんの新たな聴覚テストが、現在の乳幼児テストに替わって導入されようとしている。
■アメリカ

  • アメリカは、北アメリカ環境協力委員会の ”子どもの環境健康イニシアティブ”のような、子どもの環境健康に関する地域及び国際的イニシアチブを継続して支援し参加する。
  • アメリカは、パートナーシップ及び核となるプログラムへの統合を通じて、子どもの環境健康の保護を確実にするために継続して活動する。
  • EPA は現在、報告書『アメリカの子どもと環境』の第2版を2002年中に発行すべく努力している。
 (訳注:第2版に関する情報)
 America's Children and the Environment : Measures of Contaminants, Body Burdens, and Illnesses Second Edition  
 (当研究会による訳 : まえがき、目次、主要調査結果)




化学物質問題市民研究会
トップページに戻る