グランジャン博士のウェブサイト
Chemical Brain Drain - News 2013年10月1日 
ホルモンと脳

情報源:Chemical Brain Drain Website - News
Hormones and the brain, 1 October 2013
By Philippe Grandjean, MD
http://braindrain.dk/2013/10/hormones-and-the-brain/

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2014年1月21日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kodomo/CBD/Hormones_and_the_brain.html

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 ヨーロッパでは現在、環境政策に関する多くの議論は、産業汚染物質が人と野生生物のホルモン系を阻害することができる可能性に向けられている。そのような影響は他の有害影響とともに生殖系への及びがん発症への有害な結果をもたらす。本日、ランセット誌は調査を拡大する必要性を強調したが、同時に、胎児やその他の潜在的に最もリスクある集団のためには予防原則がおそらく最も適切であろうと提案している。これに関連して、ひとつの重要な事が考慮されなくてはならない。これらの化合物は脳の発達に有害であるか?

 2004年に発表されたある調査が、48種類の内分泌かく乱物質の半分はまた、神経毒性を引き起こすことを示した。欧州委員会のために最近更新された文書は、発達中の脳の化学的毒性への感受性は神経内分泌系、すなわち下垂体(hypophysis)と脳の関連部位が最もありそうであるいうことを示唆した。これらの脳の部位は、生殖腺、甲状腺及びその他のホルモン腺の機能を制御する。脳と内分泌系との間の密接な生理学上の関連は、内分泌かく乱物質の大部分はまた、化学物質による脳汚染、及びその逆を引き起こすことを示唆している。例えば、つい最近発表された内分泌かく乱作用がよく知られている化粧品の成分であるノニルフェニルのレビューは、この化合物が発達神経毒性であると結論付けた。神経毒性について検証されている内分泌かく乱物質に関する既存の知識があるなら、多くの他の化合物も両方のタイプの影響を引き起こすことが見つかりそうである。したがって、我々の生理学は初期の発達が有害化学物質に独自に過敏であり、この脆弱性はホルモン系はもとより脳にも明確に関連していると判断する。

 


化学物質問題市民研究会
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