グランジャン博士のウェブサイト
Chemical Brain Drain - News 2015年1月21日
脳汚染物質としてのダイオキシン類

情報源:Chemical Brain Drain Website - News
21 January 2015
Dioxin as brain drainer
By Philippe Grandjean, MD
http://braindrain.dk/2015/01/dioxin-as-brain-drainer/

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2015年1月24日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kodomo/CBD/Dioxin_as_brain_drainer.html

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 子どもの脳発達を損なうとして知られている産業化学物質にはPCB類(ポリ塩化ビフェニル類)がある。しかしPCBは化合物の混合であり、それらのあるものは、イタリアのセべソ爆発事故及びエージェント・オレンジ中の存在で知られる猛毒のダイオキシンに似ている。PCBはダイオキシンのような効果持つので、脳汚染物質なのか? ドイツの新たな研究は、ダイオキシンへの出生前暴露は9歳児の集中力の逸れ易さと注意力の欠陥の増加に関係していることを示唆している。人の母乳はダイオキシン類を含んでいるが、母乳からの暴露について明確な影響はない。従って、ダイオキシンの主要な脳発達阻害は、母親の胎内で起きるように見える。

 その結果はまた、PCB曝露それ自身が有害影響を引き起こすことを示唆した。従ってPCBはそれ自身で脳汚染物質であり、PCB類のあるものがダイオキシンに似ているというだけの理由ではない。それは、我々がPCBの神経毒性について知っていることの全てと照らして道理にかなっている。また、いくつかの可能性ある神経毒性メカニズムが知られており、それらのあるものは、ダイオキシンによって引き起こされているわけではない。

 しかしこれは117人の子どもについての単一の研究である。その結果はオランダの以前の報告と合致するが、その結果は検証されるべきなのであろうが、それは必要か? 追加的研究は安易に期待されるべきではない。ひとつの理由は、ダイオキシンの含有を調べるためのひとつ血液サンプルの分析には1,000ドル(約12万円)以上かかるので、研究を行うには非常に金がかかる。さらにそのような研究には時間がかかる。例えさらなる研究論文が出てきても、何らかの不確実性は残るであろう。結局、米・環境保護庁はダイオキシン類のリスク評価を完成させるのに20年以上を要した。ダイオキシンが実際に脳汚染物質らしいのだから、証拠の重みづけは、子どもたちへの脳毒性を文書化することはどのように大変であるかということを考慮すべきではないか? もし疑いがあるならダイオキシンもまた脳発達に有毒であるということを認めることを妨げるべきではないと公衆健康の論理は言うであろう。従って、既知の脳汚染物質リストに、もう一つ望まれぬ化合物が加わることになるであろう。しかし、この場合、良いニュースは、ダイオキシン暴露は減少しており、約15年前にドイツの子どもたちが出生前に暴露したレベルより世界のほとんどの場所のレベルは下がっているということである。


化学物質問題市民研究会
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