グランジャン博士のウェブサイト
Chemical Brain Drain - News 2014年2月7日
カナダの農薬とカナダ人の脳

情報源:Chemical Brain Drain Website - News
Canadian pesticides and Canadian brains, 7 February, 2014
By Philippe Grandjean, MD
http://braindrain.dk/2014/02/canadian-pesticides-and-canadian-brains/

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2014年3月6日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kodomo/CBD/Canadian_pesticides_and_Canadian_brains.html

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【2014年2月7日】農薬は、赤道から遠い緯度にある地域では、生存する害虫が少ないので、それほど必要性はない。だからカナダには、熱帯地方と同じ、一連の化学物質を使用する理由はないはずである。カナダ政府及びヘルス・カナダ(カナダ保健省)は、他の諸国では、例えば欧州連合ではすでに禁止されている多数の農薬を使用する必要性を認めてきた。しかし現在、カナダ政府は23種の農薬を再び、見直すことに同意した。

 二つのNGOs、エコジャスティス(環境正義)デービッド・スズキ基金は、昨年、政府を訴えた。法によれば、当局は、経済協力開発機構(OECD)の他の加盟国で禁止された化学物質を見直すことが求められている。カナダ害虫管理規制局は2013年末に23種の農薬が見直されるであろうというメッセージを静かに発表していた。その決定が今週発表されて、注目を浴びた。

 その決定は、神経毒性が知られている5種類の農薬を含んでいる。カルバリル(Carbaryl):ノミよけ首輪や家庭用殺虫剤であり、また様々な作物を害虫から保護するために用いられている。2,4-D :農業用及び園芸用に使用される除草剤。ダイアジノン(Diazinon):様々な作物及び畜牛の耳標の害虫管理に持ちいられる。ジクロルボス(Dichlorvos):建物内の害虫管理に用いられる。ペンタクロルフェノール(PCP)(Pentachlorophenol):木材防腐剤。

 人の健康にリスクを及ぼすこれらの物質全ては飲料水を汚染するかもしれず、又は生態系にダメージを引き起こすかもしれない。しかし、これらの5種類の化合物についてヒトの脳に及ぶす有害影響が懸念の主要な理由として一般的にリストされることはない。

 なぜか? まず第一に、ある製品の使用を制限するのには、がんリスクと生態系への危害だけでしばしば十分とされる。第二に、神経毒性及び化学的脳汚染に関する証拠が通常弱い。23化合物のうち18化合物についてはヒトの脳への可能性ある有害影響に関する情報は、少なくとも現在はない。このことは、これらの化学物質物が脳発達に安全であることを意味するのか? 農薬のあるものについて、通常はラット、マウス、及び細胞培養であるが、実験室での研究が神経細胞と脳に有害であることを示している。

 農薬の現状の使用を見直す時には、カナダ政府はまた、カナダの次世代の子どもたちの脳発達を保護する必要性を考慮すべきである。



化学物質問題市民研究会
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