グランジャン博士のウェブサイト
Chemical Brain Drain - News 2015年1月28日 脳汚染物質としての麻酔 情報源:Chemical Brain Drain Website - News 28 January 2015 Anesthesia as a brain drainer By Philippe Grandjean, MD http://braindrain.dk/2015/01/anesthesia-as-a-brain-drainer/ 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2015年2月8日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kodomo/CBD/Anesthesia_as_brain_drainer.html 麻酔剤に関して生命の早い発達段階は最も脆弱な時期らしいので、例えば先天的形成異常のための外科手術を受ける子どもたちの研究がなされている。いくつかの研究は手術をした子どもたちに発達の遅れが見られることを示唆しているが、疑問はこれらの子どもたちは誰と比較されるべきなのかということである。何らかの診断がその遅延の理由であるということであろうか? 麻酔は、外科手術のような確かな必要性がない限り子どもたちには使用されないので、この問題は容易には解決しない。 同様の難問が環境化学物質による脳汚染リスクにも存在する。我々は全てそれらに暴露しているが、それらの脳発達への影響はよくわかっていない。異なる治療グループについてのコントロール研究は倫理的に問題があるであろうし、非曝露の比較グループは見つけるのが難しいかもしれない。しかし、報告がないということは、もちろんリスクがないということの証拠として理解されるべきではない。 問題を全体的視野で見れば、アメリカでは毎年、12か月以下の幼児150万人、15歳以下の子どもたちについては600万人が、麻酔を受けている。これと比較して、米疾病予防管理センターは、1〜5歳の子どもたち50万人が高い鉛血中濃度(50μg以上)を持っていると見積もっている。もう少し多い数の子どもたちがメチル水銀への高い暴露(母親の髪の毛1グラム当たり0.58μg以上の水銀)を受けて生まれており、また数十万人が潜在的に有毒なレベルの農薬とその他の既知又は疑いのある脳汚染物質に暴露している。現在、米・食品医薬品局は, 脳に有害な麻酔から発達中の脳を保護する方法を積極的に調査しており、さらにはもっと有効な保護アプローチが一般的化学物質についても開発されることが望まれる。 |