IPEN, 2021年1月14日
アルニカ(Arnika)、プラハの試料採取場所で
過フッ素化合物類(PFASs)と臭素系難燃剤類(BFRs)を発見

汚染源の特定と監視を求める

情報源:IPEN, 14 January 2021
Arnika Finds PFAS and BFRs in Prague Sampling Sites
Calls for Identification and monitoring of source sites
https://ipen.org/news/arnika-finds-pfas-and-bfrs-prague-sampling-sites

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2021年2月7日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_21/210114_IPEN_
Arnika_Finds_PFAS_and_BFRs_in_Prague_Sampling_Sites.html



【チェコ共和国、プラハ】PFAS と総称され、簡単に分解されないため”永遠の化学物質(Forever Chemicals")”と、しばしば呼ばれる過フッ素化合物の多くが、当該研究で調査したほぼ全ての場所で、特に食品、水供給、及び土壌の中で見つかった。

 チェコ共和国の NGO であるアルニカ(Arnika)は最近、プラハとその周辺の汚染場所を調査し、そこで得たほぼ全ての試料中に PFAS、その関連化学物質、そして臭素系難燃剤(BFR)を発見した。 ”周辺の永遠の化学物質(Forever Chemicals Round and Round)”と名付けられた調査は、PFAS 類および BFR 類 の発生源を特定し、継続的に監視することが地域の健康と環境の持続可能性にとって不可欠であることを明らかにした。

 これらの化学物質類の規制範囲は増加しているが、過フッ素化合物類および及び臭素化合物類の種類は多い。したがって、ある化学物質が特定され、制限されても、根本的な健康への影響は理解されることなく、別の化学物質が採用されて使用されることになる。皮肉なことに、これらの物質の多くは、既知の安全な代替物質を有している。消防士の血液サンプル中に PFAS の存在を示す研究に対応して、空港は、既知の PFAS 汚染の約 3分の1を占め、アルニカの最近の研究を含んで、空港近くの水路で発見された PFAS 泡消火剤を、フッ素系から、より安全な泡消火剤に移行している。

 ”過フッ素化合物類と臭素系難燃剤は、ほとんどの用途に対して必須ではなく、今日の市場にはすでにより安全な代替品がある(訳注1)。したがって、それらの生産はすぐに停止すべきである。我々は、製造者と立法者の両方に、これらの有害物質の本質的でない目的での使用を制限するよう求める。 PFAS によって引き起こされる飲料水の水質の悪化と地球環境汚染は取り返しがつかない(irreversible)”と、 Arnika のイトカ・ ストラコバ(JitkaStrakova)は言う。

 1940年代から使用されている PFASは、防水性や防汚性のある衣類、ファーストフードの包装紙、潤滑剤、カーペット処理、塗料、調理器具など、さまざまな消費者製品に使用されている。 PFAS は、焦げ付き防止のための調理器具表面などの食品接触材料や、ピザボックス、電子レンジポップ・コーンバッグ、ベーキング・ペーパー、その他の紙ラップなどの食品接触紙にも広く使用されている。多くの場合、食品接触包装の PFASは、食品油が他の表面に移動するのを防ぐことを目的としている。

 多くの研究が、人体中に PFAS が存在することを報告している。それらは 3〜5年以上体内に留まる可能性があり、また食物源で生体内蓄積および生物濃縮するため、潜在的な健康への影響について大きな懸念がある。 PFASは、エストロゲンを模倣し、他のホルモンの合成と有効性に影響を与え、場合によってはある種のがんのリスクを高めることが示されている。内分泌学会との IPENの最近の研究(訳注2)は、これらの潜在的な害とそれらについて何が行われているのかをさらに探求している。

 アルニカ(Arnika)の研究では、PFAS と BFR は、プラハ化学技術大学の食品分析栄養学部の研究室でテストされた水と魚の試料中で検出された。空港や工業地帯に近い試料では、はより高いレベルが示され、過去の汚染の有害な遺産を明らかにした。他の試料では、同等のチェコおよびヨーロッパの採取場所と同じ範囲のレベルが示された。


訳注1
訳注2


化学物質問題市民研究会
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