C&EN 2010年10月25日
多くの会社が食品缶詰での
ビスフェノールAの使用をやめる


情報源: C&EN, October 25, 2010
Removing Bisphenol A
Canned Foods: Many companies plan to phase out use of chemical in product containers, survey finds
Melody Voith
http://ehp03.niehs.nih.gov:80/article/info:doi/10.1289/ehp.1003089

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2010年10月27日


 環境的に責任ある調査を専門とするコンサルタント会社であるGreen Century Capital Managementと、株式保有団体である As You Sowによる新たな報告書によれば、食品会社は、缶詰内面のエポキシ・ライニングを製造するために使用されるビスフェノールA(BPA)の使用をやめることに著しい進捗を挙げている。

 消費者と研究者らは、エポキシ樹脂による缶詰内面のライニングから食品中に移動することができるBPAの可能性ある健康影響についての懸念を提起している(C&EN, July 20, 2009, page 28)。同報告書の著者らは、消費者のBPAに対する反発は株の価値とブランドの評判ににリスクを及ぼすが、会社は措置を取っていると述べている。報告書のための調査に回答した食品会社の半分は、BPA使用の廃止の計画を持っているが、このような会社は2009年にはわずか21%であった。

 全体として、Hain Celestial Group 、ConAgra、H. J. Heinzの3社が、彼らの製品からBPAの使用をやめるための取り組みにグレードAの評価を受けた。各社はいくつかの製品中で非BPAの缶詰ライニングを使用し始めている。調査に回答した22社のうち、18社は、代替品を調査中であり、11社がBPAを廃止すると約束した。6社がBPAに対する取り組みを公表している。4社が回答しなかった。

 いくつかの会社は、食品パッケージを変更するためには彼らへの供給者に依存していると述べたが、同報告書は、ConAgra と Campbell Soup をBPAを使用しない缶詰ライニングのための広範なテストプロセスについて賞賛している。しかし、同社らの取り組みにはまだ透明性にかける。会社はテストしている代替について口が堅い”と報告書の著者であるGreen Centuryのエミリー・ストーンは述べている。”我々は会社がリスクを及ぼすかもしれない新たな材料を導入することはのぞまない”。

 消費者の圧力に加えて、食品メーカーはBPAに対する規制強化に直面している。今月初め、カナダ環境省はBPAを有毒物質に指定した(C&EN, Oct. 18, page 22)(訳注1)。しかし、アメリカの化学産業団体である米化学工業協議会は、BPAは食品接触用途であっても安全であると反論している。


訳注1 CBC News 2010年10月13日 ビスフェノールAは有毒であるとカナダが公式宣言



化学物質問題市民研究会
トップページに戻る