NYT Well Blog 2009年2月24日
がん発症は大学の建物が原因であると非難 情報源:The New York Times Well Blog, February 24, 2009 Campus Building Blamed for Cancer Clusterd By Tara Parker-Pope http://well.blogs.nytimes.com/2009/02/24/campus-building-blamed-for-cancer-cluster/?hp 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2009年8月15日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_09/09_02/090224_nyt_cancer_EMF.html
先週、学生と教授らは、大学は構内の文書館はがん発症数が異常に多い場所であるという懸念に対応していないと非難して、彼らが呼ぶところの”安全の危機”に抗議するプラカードをもって大学構内を行進した。同大学の新聞 The Guardian に発表された報告書によれば、抗議者らは1,300人以上が署名した請願書を大学総長マリエ・アン・フォックスに手渡した。 2000年以来この建物で働く少なくとも8人が乳がんであると診断されており、卵巣がんと唾液腺がんを含む少数の他のがんもまた報告されている。同大学の疫学者セドリック・ガーランドによる2008年6月の分析によれば、乳がん発症数だけでも通常より著しく多い。その報告書の中で彼は、文書館の従業員の浸潤性乳がんのリスクは一般のカリフォルニア人集団におけるよりも4〜5倍高いように見えると指摘している。(報告書全文ダウンロード) 建物の労働者らと研究者らは、問題発生源は1階で待機しており電磁場(EMF)を生成している建物のエレベータかもしれないと懸念している。ガーランド博士の報告書によれば:
ガーディアン紙によれば、大学は”高レベルの電磁場暴露のリスクがある場所を空けて”、エレベータのモーター装置を電磁場生成を低減する他の装置に取替えた。 カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究者、リーカ・カイフェッツ(Leeka Kheifets)(訳注1)は彼女の研究を続けるよう要請されているが、マイクロウェーブニュース(Microwave News)の報告書によれば、批判家らは彼女の米電力研究所(EPRI)との結びつきを警戒している。 大学は、とられた暫定安全措置や電磁場とがんに関する科学的文献へのリンクとともに、文書館調査の概要を示すウェブサイトを立ち上げた。(同サイトへアクセス) 2003年、科学者らは、ロングアイランドで多数公表された一連の乳がん発症と電磁場暴露との間に関連性は見つからなかったと報告した。 訳注1:参考情報 電磁波研会報・第24号 2003.9.28発行/国立環境研究所公開シンポジウム「生活環境中の電磁界リスクとガバナンスについて」 |