Beyond Pesticides 2007年9月24日
米下院議員ら
内分泌かく乱物質に行動するよう
EPAに圧力をかける


情報源:Beyond Pesticides Daily News, September 24, 2007
Members of Congress Push EPA To Act on Endocrine Disruptors
http://www.beyondpesticides.org/dailynewsblog/?p=192

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2007年10月11日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_07/07_09/070924_bp_members_push_EPA_ED.html


【Beyond Pesticides, 2007年9月24日】 7人の下院議員が先週木曜日に危険な内分泌かく乱化学物質製品を早急に特定し審査する行動を起こすよう強く求めた書簡をEPAに送付した(訳注1)。この手紙はEPA長官ステファン・ジョンソンに内分泌かく乱物質のテストと管理を実施するための明確な期限を示すよう求めるものである。内分泌かく乱物質はホルモン及び発達プロセスをつかさどる内分泌システムの正常な機能をかく乱する物質である。米下院議員らによれば、天然のホルモン作用を模倣する又は変更するこれらの物質に対するEPAの規制は遅く、目標設定の方向性に欠ける。”今日まで、EPAのこの分野における取り組みは、期限がなく、遅延し、公衆の意見の取り込みが不適切であることが明らかである”と、下院議員ヘンリー・ワックスマン(民主党)に率いられる下院監査政府改革委員会から出された書簡は述べている。同委員会上級少数派メンバーであるトム・デービス(共和党)、下院議員エリジャ・クミングス(民主党)、下院議員クリス・バンホーレン(民主党)、下院議員ウェイン・ギルヒレスト(共和党)、及び下院議員ジム・モラン(民主党)もまたこのEPAへの書簡に署名した。

 EPAが内分泌かく乱物質に迅速に取り組みまないので、アメリカ人及び将来の世代は食物及び飲料水を通じてこれらの物質に暴露することにより生じる有害な健康影響にさらされていると活動家らは述べている。下院議員らの書簡によれば、ダイオキシン、PCB類、DDTは内分泌かく乱物質として有名であるが、他の多くの物質、特に農薬やプラスチックに使用されている物質のあるものは限られた動物実験に基づき内分泌かく乱物質であることが疑われている。

 1996年食品品質保護法(FQPA)は、農薬製造者が、化学物質の発がん性、催奇性、変異原性、あるいはその他の問題ある特性を持つ化学物質であるかどうかを決定するために求められるものと同様なテストで、内分泌かく乱性について彼らの製品をスクリーニングするための一連の分析評価をEPAが開発するための期限を1999年に設定している。製造者の迅速なテストが二段階テスト・システムの第一段階であり、その後、”第一段階”テストで要注意とされた物質は、それらが内分泌かく乱物質であることを確認し、内分泌系にどのように作用するのか決定し、そのような影響を引き起こす用量レベルを特定するためのもっと徹底的な”第二段階”テストが行われる。下院議員らは、この二段階プロセスのうちの第一段階すらまだ完了していないと述べている。

 議会によってそのように命じられてから10年以上経った今年の6月にEPAは、内分泌系へのダメージ及び正常なホルモン機能へのかく乱に対する可能性を調べるために73種の農薬をテストすると発表した。下院議員らの手紙によれば、”この最初の73化学物質リストは、FQPAの下でのスクリーニング用にEPAが特定した全化学物質1,700のうちのほんの一部であり、有害物質規正法(TSCA)目録に現在登録されている75,000種の化学物質のほんの微小なパーセントである。EPAは明らかに残りのテストのための化学物質を特定するための組織内部での期限を設定しておらず、潜在的懸念ある全ての化学物質がテストされることを確実にする計画を全く持っていない”。下院議員らはEPAにこの手紙に答えるために実働期間として20日を与えたが、その手紙には、何時、二つの段階が確実に完了するのかという質問が含まれている。(情報源:OMB Watch



訳注1 米上院議員からEPA長官あての書簡(2007年9月20日付け)オリジナル
http://oversight.house.gov/documents/20070920162537.pdf



化学物質問題市民研究会
トップページに戻る