スタートリビュー ン2007年2月22日 記事の概要紹介
ミネソタ州議会に新たな法案
3M社のかつての過フッ素化合物 PFBAのリスクを警告



情報源:Star Tribune, February 22, 2007
Bills would flag risks of old 3M chemicals
By Tom Meersman, Star Tribune
http://www.startribune.com/587/story/1019852.html

概要紹介:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2007年2月24日


 今週、ミネソタ州議会に提出された法案により、3M社によってかつて製造されたある化学物質が”有害化学物質”として定義され、その健康リスクが新たな審査を受けるかもしれない。
 この法案はPFBAと呼ばれる化学物質が先月、ミネソタ州首都圏東部の6つの地域で飲料水用井戸から検出されたことを受けて提出されたものである。3M社の他の化学物質は、前からオークデール市とレイクエルモ市民に供給する公共及び個人の井戸で検出されていた。

 この化学物質に関する3つの法案が、この汚染に対する州の対応を批判していたコテージ・グルーブ出身の上院議員カティー・シーベンによって提出された。コテージ・グルーブはPFBA汚染によって影響を受けた都市のひとつである。他の都市は、ウッドベリー、セントポールパーク、ハスティングス、サウス・セントポール、及びニューポートである。

 ミネソタ州健康当局は、水中のPFBAのレベルは人の健康に対し緊急の脅威はないが、この化学物質への長期的な暴露についてはほとんど知られていないと述べた。

 シーベンの法案のひとつは、過フッ素化合物(PFCs)と呼ばれるPFBA及びその同類化合物を、ミネソタ州スーパーファンド法として知られているミネソタ州環境対応責任法の下に有害物質として定義することになる。

 この法案は環境中のPFCsを除去または浄化するための全てのコストは、納税者ではなく汚染者によって負担されるべきことを求めている。

 これらの化学物質のいくつかは、かつてメープルウッドの3M社によって、防汚織物、消化泡、フィルム、焦げ付き防止調理器具のような製品に使用するために製造されていた。3M社の責任者はこの法案に関するコメントを求めてかけた数回の電話に応答しなかった。

 ミネソタ汚染管理局の報道担当ラルフ・ヘウスナーは、管理局はPFCsは有害物質であると宣言する権限をすでに持っていると述べた。

 州議会に提出された他の法案はPFBAに暫定的な健康リスク制限を設定するものであり、少なくとも暫定的に他の二つの過フッ素化合物PFOAとPFOSの既存の制限値を強化するものである。その値は生涯にわたって飲んでも安全であるとミネソタ州健康局が考える1日の量である。
 健康局は2002年にPFOAとPFOSの健康ベース値(HBV)を確立していたがPFBAについては規定がなかった。この法案はこの3種類の化学物質について8月1日までに再評価し制限値を決めることを求めている。それまで、それぞれの暫定的制限値として健康局のこれらの物質に対する現在のガイドライよりわずかに低い0.5ppbを採用することを求めている。

 もうひとつの法案はミネソタ州内での環境健康追跡しスエムを確立するという大きな内容の法案である。ひとつの条項がボランティアの血液中のPFCsを含んで異なる化学物質の濃度の小規模な調査を承認することになる。


関連記事:
ミネソタ州健康局 2007年1月 環境健康情報/ミネソタ州首都圏東南地域で地下水中にパーフルオロ酪酸(PFBA)

Star Tribune, March 14, 2007: Two 3M chemicals hazardous, state says
 ・PFOAとPFOSは有害物質であると決定
 ・地下水汚染のクリーンアップを3M社に実施させるための法的措置をとる


化学物質問題市民研究会
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