ES&T サエイエンス・ニュース2006年5月3日
幼児の農薬暴露
有機リン系農薬 幼児にはもっと危険か?
情報源:Environmental Science & Technology: Science News, May 3, 2006
Infant pesticide exposure
http://pubs.acs.org/subscribe/journals/esthag-w/2006/may/science/kb_pesticide.html

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2006年5月5日


 Pharmacogenetics and Genomics (2006, 16, 183-190)に発表された論文によれば、ある幼児らは、従来信じられていたより有機リン系農薬にもっと脆弱もしれない。新たな研究は、”農薬暴露の安全レベルのための現状の基準は脆弱な集団に対し十分保護できるかどうかという疑問を提起する”−とカリフォルニア大学バークレー校環境健康科学助教授であり、同論文の共著者であるニーナ・ホランドは述べている。

 現在のアメリカEPAの基準 (訳注1)は、子どもを守るために成人に比べて10倍の安全係数を求めている。しかしこの新たな研究は、ある新生児らはこれらの農薬に対しある成人らよりも65〜130倍敏感で(more sensitive)、従来信じられていたより26〜50倍、感受性(susceptibility)のレベルが高いかもしれない。新生児とともに調査に参加した130人のラテン系女性ンのうち、40%以上が妊娠中に農業に従事していた。バークレーの研究者らは、有機リン化合物の有毒代謝物を分解する酵素であるパラオキソナーゼ 1 を農薬感受性のマーカーとして測定した。

訳注1: EPA 健康安全ファクトシート/子どもを農薬から守る 2002年1月(当研究会訳)



化学物質問題市民研究会
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