レイチェル・プレコーション・レポート #27 2006年3月1日
メーン州知事 グリーン調達指令に署名
より安全な代替品の開発と使用を推進、植物プラスチックも


情報源:Rachel's Precaution Reporter #27, Wednesday, March 1, 2006
Maine's Governor Baldacci Orders a New Policy for Chemicals
http://www.precaution.org/lib/06/ht060301.htm#Maines_Governor_Baldacci_Orders_a_New_Policy_for_Chemicals

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2006年3月2日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_06/06_03/06_03_01_potato_plastic.html

 よく組織された多くの市民らの働きかけで、メーン州知事、ジョーン・バルダッチは、州政府が消費者製品とサービスで有害物質に替わるより害の少ないの代替物質を見つけることを公約する知事命令に2006年2月22日に署名した。命令には予防という言葉は使われていないが、予防的アプローチである。メーン州の活動家らは良くやった! そしてメーン州知事バルダッチに脱帽!
Rachel's Precaution Reporter #27, Wednesday, March 1, 2006
Peter Montague Tim Montague


 米メーン州は、より安全な代替を求める州調達政策に変更する命令に州知事が署名し、日用品中の有害化学物質の広がりを削減するための小さいが重要な一歩を踏み出した。この命令はまた、より安全な化学物質とバイオベースの製品の研究と開発を推進する。

 ほとんどの人々は、がん、学習障害、そして病気に関係する化学物質が家庭の日用品中で使われていることを知らない。例えば、臭化難燃剤はソファーのクッション、マットレス、電子機器のプラスチック・ケースなどを難燃化するために用いられている。

 それらの化学物質はヒトの母乳からも検出され、また実験動物の脳の発達を損なうことが知られている。EPAによれば、空気中に浮遊するドライクリーニングに使用されるパークロロエチレンに繰り返し曝露するとがんになるかもしれない。

 メーン州ではそのような化学物質の総量を削減するために、知事命令は、より安全な代替品が入手可能で、効果的で、価格が手ごろなら、州の各機関は発がん性物質を使用または放出するような製品やサービスを回避することを求めている。例えば、その命令は、州の車は非鉛ホイールウェイトを使用し、州職員の制服はパークロロエチレンによるドライクリーニングを必要としないものを購入することを求めている。

 価格については、臭化難燃剤を使用しない電子機器用のプラスチックのコストは約2倍である。しかし、マサチューセッツ大学ローウェル・センターによれば、プラスチックは全体の製造コストの中で占める割合は小さいので、例えば300ドル(約3万3,000円)のテレビでは、わずか7ドル(770円)高くなるだけである。

 この知事命令により生じるその他の変化はコストの節減であろう。それは州内全ての施設で統合害虫管理(IPM)アプローチを採用することを求めている。学校では既に、害虫防除に有害物質の使用を最小にすることを求めるこのアプローチを採用している。現在、いくつかの州の施設では、害虫や雑草の存在に関係なく定期的に農薬が散布されている。必要な時にだけ散布すればコストの節減になり有害物質への曝露も減少する。

 同時に、その命令は12人の委員からなるタスクフォースを作り、メーン州消費者のためのより安全な化学物質代替を促進し、そのような化学物質と製品の研究と開発を拡大するための政策を展開する。ギルフォードにある繊維関連会社インターフェース・ファブリックスは既に製品の一部にトウモロコシで作った繊維を使用している。トウモロコシ ベースのプラスチックは、従来ののプラスチックの標準である石油とは違い、再生可能な資源なので、環境にとってより良い。

 また、コーン ベースのプラスチックは他の野菜廃棄物と同様に堆肥にすることができる。その製品はメーン州から購入されるであろう。メーン大学の研究者らは廃棄ポテトからバイオ製品を作るための開発を行っている。

 この研究開発の拡大はポテトのための新たな市場を生成することになり、アルーストーク郡の助けになる。また、メーン州を拠点とするか会社が興り、バイオベースの製品市場が生成される。コーンベースのプラスチックは、食料雑貨のワイルド・オーツや小売業の巨人ウォルマートのような環境にやさしい会社で包装用に用いられる。

 メーン州のより安全な化学物質の推進とグリーン・ケミストリーの構築は環境と経済に有益となるであろう。



化学物質問題市民研究会
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