「我が国における農薬登録制度上の課題と対応方針(案」に)関する意見
化学物質問題市民研究会 http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2009年7月5日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/iken/2009/090703_nouyaku_public_comment.html 2009年7月3日
農林水産省消費・安全局 御中〒136-0071東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル 4階
【資料】化学物質問題市民研究会 事務局長 安間節子 TEL/FAX 03-5836-4358 syasuma@tc4.so-net.ne.jp http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 「我が国における農薬登録制度上の課題と対応方針(案)」に関する意見・情報の募集について http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=550001061&OBJCD=100550&GROUP= 【当会のコメント】 7頁(4) 国民の意識と情報の提供A 農薬に関する制度等についての国民への情報提供: ”全国103箇所において農薬に関するリスクコミュニケーションを開催”とあるが、参加者から内容が適切でなかったという批判も聞く。その内容・資料など詳細をホームページ上に公開して、市民のチェックを受けるべきである。 8頁 (6) 防除に関する状況 @ 病害虫防除対策: はじめから農薬による防除を前提にしているが、農薬に頼らなければ作れないような農作物のあり方こそが問題である。薬剤耐性獲得の期間が早まっているのに対応して、次々と新しい農薬を作って防除するというあり方こそを見直す時期に来ている。農薬を減らすという欧米の動きと逆行している。 13頁 A 科学的な情報・知見・データに基づくリスク管理: 「リスク管理措置の1つである農薬の登録にあたり、薬効・薬害試験はもちろんのこと、急性経口試験など短期間の毒性試験、発がん性、繁殖毒性など長期間の毒性試験、土壌残留性、水質汚濁性に関する試験、植物や動物における代謝試験、使用基準に基づいて農薬を使用した際の食品又は飼料作物への残留量、残留農薬の摂取の推定量などの科学的な知見をもとに」とあるが、近年の農耕地近隣住民への深刻な健康影響がある状況を考え、吸入毒性試験、また胎児や子どもへの影響の観点からの発達神経毒性試験、免疫毒性試験を、文言として当然入れるべきである。 13頁(2) 関係者の意見交換などによる透明性の確保: 「幅広い主体からの意見の聴取」とあるが、これまで、農薬の環境への影響を考える上で必須である環境団体が対象となってこなかった。今回の懇談会においても、委員には入っていない。消費者団体はこれに該当しないので、今後は環境団体も入れるべきである。 15頁 A 今後あるべき法的規制のあり方について (ア)再評価制度の導入 (ア)再評価制度の導入: 全ての登録農薬について最新の知見に基づき、安全性を再評価し見直しすべきである。 見直しには下記基準を加えるべきである。
防除業者は、改正前のように届出制にすべきである。現状では防除業者の実態を捕捉することが難しく、したがって、適切な指導も不可能である。 17頁 (ウ)消費者に対する情報提供と理解の醸成: 殺虫剤のテレビCMで、乳幼児が寝ている横で使うなど驚くような場面も見られる。メーカー・販売者への、宣伝に関する適切な指導が必要である。 17頁 (エ)マスメディアに対する情報提供と理解の醸成: マスメディアに対して、ベネフィットだけではなく、リスクについても同時に伝えるように指導するべきである。 18頁 (オ)住宅地等における農薬の使用者に対する指導: 農薬散布の結果、周辺の住民は、慢性暴露による潜在的な生殖系、内分泌系、免疫系、発達神経系などのダメージに加えて、化学物質過敏症の発症及び化学物質過敏症患者の低用量での身体的反応などの健康被害を受けている。したがって、農薬散布により周辺の住民が受ける健康影響を防止するためには、指導や自主的な取り組みの推進では不十分であり、法的拘束力のある下記措置を取るべきである。
4頁 2 農薬をめぐる現状(1) 農薬の生産、出荷の状況A 輸出入について: 輸出入金額だけではなく、輸出入量の推移も示していただきたい。 8頁 (5) 国際機関や欧米の動向: 「我が国においても、従前から要求する試験項目を見直す」とあるのは、具体的には何を指すのか。 15頁 A 今後あるべき法的規制のあり方について (ア)再評価制度の導入 (ア)再評価制度の導入: 3年毎の農薬製剤ごとの再登録の審査内容の詳細について、説明していただきたい。 17頁 B 農薬に関する理解を深める取組 (ア)農業者に対する多様な指導: 「有機農業者に対しては、農薬的効果を謳った資材を用いるのではなく、登録農薬あるいは特定農薬を使用するよう指導する」とあるが、そもそも有機農業とは農薬を使わない農業であるのに、意味不明であるので、説明していただきたい。 以上 |