世界行動デー2007年5月2日
市民社会からの安倍晋三首相への手紙 日本と各国との経済連携協定に含まれる有害廃棄物と その他の搾取的な条項を除外することを求める (PDF版) このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/iken/2007/GDA_letter_070502.html 内閣総理大臣 安倍晋三 殿 5月3日は、1947年に施行された日本国の憲法を祝う憲法記念日です。それは国民が古い明治憲法から現在の憲法へ移行したことについて熟考する日です。この憲法施行は日本がもう一度平和国家へ仲間入りした第一歩でしたので5月3日は日本の再生の日でもあります。 私たち、下記に署名した世界中の様々の国からの市民団体は、日本の現在の指導者たちが日本国憲法の下に日本が果すべき義務を思い出すよう要求します。特に憲法第98条(2)は"日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする"と述べています。 憲法第98条(2)はアジアにおける二国間経済連携協定の日本のとどまるところを知らない追求により無視されているように見えます。この議論の中心は日本がシンガポール、マレーシア、フィリピン及びタイと調印した経済連携協定中の有害廃棄物及びその他の世界的に禁止されている物品や材料に特恵関税を与えることを主張することにあります。このことは、日本はその締約国であるバーゼル条約、及びいくつかの多国間環境協定(MEAs)の下での日本の義務に違反する結果となります。 世界中の市民団体は、これら二国間協定について、特にそれらがいかに有害廃棄物貿易を促進するかについて、また、日本の有害廃棄物によりアジアの二国間協定の相手国に結果としてもたらされる環境的及び社会的不正義について深い懸念を表明しています。 市民社会の懸念を鎮めるために日本が示した公式の反応は、日本からのどのような有害廃棄物輸出もバーゼル条約と関連国の国内法に従うということです。私たちは、この反応は不誠実であり日本国憲法が求める条約の遵守に欠けると感じます。 日本は、有害廃棄物の発生と輸出を第一に防止し最小とすることを求めるバーゼル条約の他の義務を忘れてしまっているように見えます。すなわち:
アジア地域には、二国間協定を通じて廃棄物植民地が日本によってアジアに築かれようとしていることについての明らかな不安があります。日本の指導者らは立ち止まり、日本と各国の経済連携協定について市民社会が抱いている懸念に目を向けることが賢明でしょう。 日本国憲法は日本の歴史においてまたアジアの歴史において困難な時期に生まれ、そしてそれは傷を癒し不安を軽減するために考えられたひとつの手段でありました。この歴史的な憲法施行後60年経過した現在、日本は、長年培われてきた誠実な遵守の約束を無視するだけでなく、古傷を深くえぐる恐れのある二国間協定を推し進めようとしています。 憲法記念日の精神に従って私たちは次の措置をとるよう強く要請します。
以上
署名団体:(2007年5月2日現在)今後も賛同団体があれば、下記に追記いたします。 (日本) アジア農民交流センター アジア労働者情報交流センター(NAW) ATTACジャパン 青梅の水とごみを考える会 化学物質過敏症支援センター 化学物質問題市民研究会 関西フィリピン人権情報アクションセンター グローバリゼーションを問う広島ネットワーク 市民がつくる政策調査会 ジュビリー関西ネットワーク 全国労働安全衛生センター連絡会議 脱WTO/FTA草の根キャンペーン実行委員会 黙っちゃらんない・神奈川市民の会 ティナラク織の会「カフティ」 止めよう!ダイオキシン汚染・関西ネットワーク 止めよう!ダイオキシン汚染・東日本ネットワーク 農民運動全国連合会 東アジア環境情報発伝所 日の出の森・支える会 フィリピンのこどもたちの未来のための運動(CFFC) フィリピン・ピースサイクル フォーラム平和・人権・環境 取りまとめ: 化学物質問題市民研究会 〒136-0071 東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル 4階 TEL/FAX 03-5836-4358 世界行動デー(Global Day of Action / GDA)について
2007年1月にインドのケララ州で開催された Waste Not Asia (アジアに廃棄物を持ち込むな)会議に参加したアジア各国のNGOsは、日本政府が東南アジア諸国との締結を急いでいる経済連携協定(EPA)を通じて開発途上国へ廃棄物や廃棄物寸前の中古品の輸出を推進しようとしていると抗議しました。そして2007年5月2日を世界行動デー(Global Day of Action / GDA)とし、世界各地で様々な抗議行動をすることになりました。 この世界行動デー(GDA)は脱焼却グローバル連合(GAIA)やバーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)が事務局となり計画を進め、当研究会も協力しています。次の3つの抗議行動が中心となります。
マニラでは5月2日に日本大使館前で抗議行動が行われ、その様子は当研究会が中心となって5月6日に京都で開催する「国際ワークショップ/日本の廃棄物輸出政策 3Rイニシアティブと経済連携協定」でBANが報告する予定です。 2. 安倍首相への手紙 事務局が世界中のNGOに声をかけ、当研究会も手紙を日本語化して日本のNGOに賛同を呼びかけました。その結果、4月30日現在、世界の4。日本からも0カ国から150以上の団体及び多くの個人から賛同の署名が寄せられており、日本でも20団体以上が賛同を得ました。日本からも賛同団体リスト付きの手紙を5月2日に安倍首相に出しました。 この手紙は事務局(GAIA/BAN)が作成したものですが、建国記念日を前にして、改めて我々日本人に「日本国憲法」について深く考えさせてくれます。 3. はがき
画像をクリックするとJPEGファイルをダウンロードできます
事務局が英文と日本文のはがきを用意しました。この画像をクリックするとJPEGファイルをダウンロードできます。賛同いただける方は、はがきに印刷して安倍首相に出してください。 〒100-8968 東京都千代田区永田町1-6-1 内閣官房内閣総務官室 気付け 内閣総理大臣 安倍晋三 殿 |