2010年12月4日(土)
NGO国際水銀シンポジウム
水俣病と世界の水銀問題
水俣から学び、強い水銀条約とする

掲載:2010年9月16日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/event/101204_mercury_symposium.html

 国連環境計画(UNEP)は世界の水銀汚染を削減するために、2013年の水銀条約制定に向けて、政府間交渉委員会会合(INC)を5回開催する予定であり、その第2回目の会合が2011年1月に千葉・幕張で開催されます。このUNEPの取り組みに世界のNGOも参加しており、幕張での第2回会合に世界から多くのNGOの参加が予定されています。世界のNGOは、水俣の経験を学び、このような悲劇を二度と起こさないよう、強い水銀条約にすることを望んでいます。
 原田正純先生、水俣病被害者/支援者、水銀問題に取り組む海外のNGOを招聘し、水俣病の経験と世界の水銀問題を明らかにしていただき、それらを織り込んだ強い水銀条約を求めたいと思います。

当研究会は、このシンポジウムの開催趣旨に賛同し、シンポジウムへの参加又はシンポジウムの開催を広めることにご協力いただける賛同団体・個人を募集しています。賛同金は不要です。
 「開催の趣旨と賛同のお願い/シンポジウム参加申し込み」をご覧ください。


お名前を公表することに同意いただいたシンポジウム賛同団体・個人をご覧ください。


日時:2010年12月4日(土) 12:30開場 13:00〜17:15
場所:JICA研究所 国際会議場(東京・市谷) 地図
交通:JR中央線・総武線「市ヶ谷」徒歩10分
    東京メトロ有楽町線・都営地下鉄新宿線 「市ヶ谷」A1番/4番出口 徒歩10分
    東京メトロ有楽町線・南北線 「市ヶ谷」6番出口 徒歩10分
資料代: 500円
定員:200名(事前申し込みがなくても、余席があれば参加できますが、資料準備のために事前にメール/FAX/TELで参加の連絡をいただければ幸いです。)
同時通訳付き


プログラム

■はじめに 13:00〜13:30
  • 「開会挨拶」 藤原寿和(化学物質問題市民研究会代表)
  • 「水銀条約と日本の水銀問題の概要」 安間武(化学物質問題市民研究会)
■第1部 水俣病から学ぶ(司会:藤原寿和) 13:30〜15:25
  • 「水俣病被害者の闘いと今後の課題」 谷洋一さん (NPO法人水俣病協働センター理事)
  • 「水俣病被害者の報告」 佐藤英樹さん (水俣病被害者互助会会長)
  • 「世界水銀条約に向けての水俣病被害者/支援援者の声明」:佐藤スミエさん(水俣病被害者互助会)
  • 「水俣から学ぶ」 原田正純先生(元熊本学園大学教授)
  • 「質疑応答」
■休憩 15:25〜15:40 (15分)

■第2部 世界の水銀問題(司会:安間武) 15:40〜17:10
  • 「事例に基づく世界の水銀問題とNGO活動」  ジョセフ・ディガンギ博士(米)(IPEN 上席科学顧問)
  • 「途上国における小規模金採鉱:フィリピンの事例」 リチャード・グティエレスさん(比)(バン・トクシックス代表)
  • 「質疑応答」
■閉会 17:10〜17:20
  • 「まとめと閉会挨拶」 安間武 (化学物質問題市民研究会)
■主催:化学物質問題市民研究会
 〒136-0071東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル 4階
 TEL/FAX 03-5836-4358 syasuma@tc4.so-net.ne.jp http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/

■支援:欧州環境事務局(EEB)、国際POPs廃絶ネットワーク(IPEN)

化学物質問題市民研究会は、こ会議に欧州環境事務局(EEB)を通じてガーフィールド基金及び欧州委員会から資金支援、及び国際POPs廃絶ネットワーク(IPEN)から資金支援を得ました。


講演者プロフィール
原田正純さん
 1964年、熊本大学大学院医学研究科修了、医学博士。熊本大学精神神経科講師、熊本大学体質医学研究所助教授を経て1999年より2010年まで熊本学園大学社会福祉学部教授。胎児性水俣病、三池一酸化炭素中毒、土呂久砒素中毒、カネミ油症など社会医学的研究を行い、ベトナム枯葉剤影響や中国・インド・タイなどの砒素中毒、カナダ・ブラジル・中国・アフリカなどの水銀汚染など世界各地を調査。最近では、水俣病被害者互助会の9人が国と県、原因企業チッソに損害賠償を求めた訴訟で原告側証人として証言。著書に「水俣病」(岩波書店)、「炭じん爆発」(日本評論社)、「慢性水俣病、病像論とは何か」、「水俣病と世界の水銀汚染」(実教出版)など著書多数。

谷洋一さん
 1948年福岡県北九州市生まれ。1970年水俣病問題に関わり、第一次訴訟や未認定患者支援活動をおこなう。1984年アジアと水俣を結ぶ会を結成、アジアの産業公害やインド・ボパール事件やベトナム枯葉剤問題など被害調査や被害者との交流支援活動に取り組む。1996年水俣病被害者支援施設「水俣・ほたるの家」設立に参加、2007年よりNPO法人水俣病協働センター理事、水俣病被害者互助会事務局長、日本環境会議理事など。


ジョセフ・ディガンギさん(Joseph DiGangi)
 残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約の技術作業部会に国際POPs廃絶ネットワーク(IPEN)を代表して参加しており、同条約のPOPs検討委員会で科学及び政策の分野に貢献している。また、国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM)を実施するための世界、地域、及び準地域の会合へのIPEN関与のための調整をしており、水銀条約交渉を行なう世界及び地域の会合にも参加している。現在、SAICM事務局で公益NGO分野を代表している。カリフォルニア大学アーバイン校で生物化学及び分子生物学の分野における博士号取得。

リチャード・グティエレスさん(Richard Gutierrez)
 廃棄物、製品、及び技術に関わる有害物質貿易の問題に取り組む環境活動家であり弁護士。アメリカのシアトルを拠点とし有害廃棄物貿易を監視するNGO、バーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)で2006 年まで8年間活動。その後フィリピンに帰国してバン・トクシックス(Ban Toxics!)を設立し、有害物質貿易問題に関わる東南アジアのNGOの活動を支援している。現在は世界の汚染物質である水銀問題に注力しており、水銀貿易、小規模金採鉱、水銀の保管と処分に取り組んでいる。バン・トクシックスはゼロ・マーキュリー・ワーキンググループ(ZMWG)と国際POPs廃絶ネットワーク(IPEN)のメンバーである。



佐藤英樹(水俣病被害者互助会会長)
 1954年 熊本県水俣市生まれ。中学卒業後 大阪の和菓子屋に勤める。1970年母が水俣病認定申請、棄却され、行政不服闘いの後、1971年10月認定されるが、チッソが補償支払いを拒否。父武春は川本輝夫らと共に自主交渉座り込みを闘い、1973年協定書を勝ち取る。1974年帰郷し、甘夏ミカンなどの栽培の仕事に従事。1979年結婚。1995年認定申請、その後政治解決策は非該当とされる。2004年関西訴訟最高裁判決後、再申請。2005年水俣病被害者互助会結成、会長となる。2007年国賠訴訟提訴(第二世代訴訟)。水俣病を教訓に環境にやさしい安全なみかんを目標に完全無農薬の甘夏、しらぬい、パール柑などを作っている。

佐藤スエミ(水俣病被害者互助会)
 1955年 熊本県芦北郡芦北町女島の漁師の家庭に生まれる。中学卒業後、岐阜の紡績工場に勤務後、帰郷し、地元の会社に勤務。1979年結婚、2男2女を授かる。1995年水俣病の認定申請。最終的全面解決といわれ、仕方なく医療手帳を受諾。現在、甘夏みかん作りの農業に携わりながら、水俣病被害者互助会の活動に参加、NPO法人水俣病協働センター{水俣・ほたるの家}で、被害者らの世話をしている。

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