より安全な化学物質・健康な家族 連合
2010年4月15日 プレスリリース
アメリカの家族の健康を守るために
画期的な化学物質法案が提出された

1,1000万人のNGO連合はこの法案を支持するが、制定前に改善を求める

情報源:Safer Chemicals, Healthy Families Press Release April 15, 2010
Landmark Chemical Legislation Introduced to Protect the Health of American Families
Coalition of 11 Million Supports Bill, But Seeks Improvements Before Enactment

http://www.saferchemicals.org/2010/04/
landmark-chemical-legislation-introduced-to-protect-the-health-of-american-families.html


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2010年4月23日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/usa/Coalition/100415_Coalition_Press_Release.html


 200以上の健康・環境団体の広範な連合は、上院議員ローテンバーグ氏と下院議員ワックスマン氏及びラッシュ氏により本日上程された”2010年安全化学物質法(Safe Chemicals Act of 2010)”に対する支持を発表した。長らく待たれたこの画期的な立法は連邦政府が有害化学物質から公衆を保護する方法を徹底的に見直すものである。

 ”安全化学物質法は、化学物質政策を21世紀のかなたに向けるものである”と本日開催されたテレビ記者会見で、「より安全な化学物質・健康な家族 連合」のディレクター、アンディ・イグレジャスは述べた。”我々は、危険な化学物質を市場から締め出すためのこの法案を強化するために議会とともに働くことを期待している”。

 下院議員ワックスマン氏及びラッシュ氏は、夏の中頃までに委員会活動を完了するために下院における積極的なスケジュールを発表している。

 下院と上院の立法案には相違があるが、安全化学物質法は公衆の健康保護を著しく改善するであろう多くの本質的な改正を含んでいる。

  • 化学会社は全ての化学物質について基本的な健康と安全情報を開発し公的に入手できるようにすることを求めること。
  • 化学物質が妊婦と子どもを含む脆弱な集団を保護する安全基準を満たすことを求めること。
  • 有害物質の汚染場所(hot spots)である地域を特定し、暴露を削減するための措置をとるためのプログラムを立ち上げること。
  • ホルムアルデヒド、塩化ビニル、難燃剤のような最も悪名高い化学物質を制限するための決定と行動を促進すること。
 この立法を支持する一方で、「より安全な化学物質・健康な家族 連合」は3つの重要な領域における改善を要求した。
  • 長年、数百の化学物質が安全であることをに最初示すことを要求することなく、市場に出し、製品中で使用されることを許してきたこと。
  • 環境保護庁(EPA)が、すでに広範囲に研究され、世界中の政府によって制限されている残留性、生物蓄積性、及び有毒性(PBT)を持つ、最も危険な化学物質であっても、それらの製造と使用を直ちに制限する明確な権限を与えてこなかったこと。
  • EPAが化学物質の安全性を決定する時に、最善で最新の科学を反映するようにとの米国科学アカデミーの勧告を採用するよう要求していないこと。但し上院の法案はこれらの勧告を考慮するようEPAに要求している。
 安全化学物質法は、1976年連邦有害物質規正法(TSCA)を改正使用としている。現在のTSCAは効果的ではないことが広く認識されている。TSCAは成立時に、すでに市場にあった62,000種の化学物質をテスト又は安全性の立証を求めずに適用除外(grandfathered)にした(祖父条項)。TSCAの下で30年が経過して、EPAはこれらの化学物質のうち数百についてだけテストを要求し、わずか5物質だけ部分的に制限しただけである。一方、日用品中の有毒化学物質へのヒトの広範な暴露を報告する科学的研究が増大し、これらの暴露が、生殖能力の低下、学習障害、乳がん及び前立腺がん、ある種の小児がんを含んで、多くの深刻な慢性疾病と障害の発生の増大とを関係付けている。

 ”我々は、上院議員ローテンバーグ氏と下院議員ワックスマン氏及びラッシュ氏が、わが国の化学物質安全システムを劇的に改善することになる法案を導入したことに拍手喝さいする”とエンバイロンメンタル・ディフェンス・ファンドの上席科学者であるリチャードA. デニスン博士は述べた。”しかし、それが立法プロセスに移った時に、全てのアメリカ人を本当に守る安全システムを実施するために、この法案が必要とするいくつかの改善を行い、その約束を確実に果たすために、彼らの今後の更なるリーダーシップが重要となるであろう”。

 環境正義グループは、ある地域に存在する有害化学物質への不公平に高い暴露を低減するために、行動計画を開発することをEPAに義務付ける条項を特に賞賛した。

 ”多くのコミュニティ、特に有色人種のコミュニティ、先住民の土地、低所得者のコミュニティが存在し、そこでは有害化学物質への暴露のために極端に高い割合で人々が死んでいる。この法案は初めて、これらのコミュニティを特定し、有害化学物質の主要な汚染源から彼らを守る権限をてEPAに与えることになる”と環境正義のためのコネティカット連合の代表、マーク・ミッシェルは述べた。

 「より安全な化学物質・健康な家族」は、安全化学物質法の肯定的な側面と欠点の両方について、公衆と議会メンバーに教育するための堅固なキャンペーンを実施することを約束する。

 ”科学者らが言うところの安全と我々の政府がスパーマーケットの商品棚に置くことを許すものとの間の溝を埋めるべきときである”とアメリカ学習障害協会のモーリン・スワンソンは述べた。”この法案は、アメリカの家族に彼らが求めている希望の一端を与える方向への大きな前進であることを示している”。

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