IISD 2019年1月17日
SAICM 懸念ある化学物質の政策課題の
最良の実施に関するプロジェクトを立ち上げ


情報源:IISD, 17 January 2019
SAICM Launches Project on Best Practices for Chemical Policy Issues of Concern
By Lynn Wagner, Ph.D. Group Director, SDG Knowledge Program
http://sdg.iisd.org/news/saicm-launches-project-on-best-practices...

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2019年1月26日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/saicm/news/IISD_190117_
SAICM_Launches_Project_on_Best_Practices_for_Chemical_Policy_Issues_of_Concern.html


 2019年1月16日: 「国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM)」事務局は、新たに生じている懸念ある化学物質政策の課題に関する世界的な最良の実施に関するプロジェクトを立ち上げた。地球環境ファシリティ(GEF)の全面適用プロジェクトである同プロジェクトは、4年間にわたり 70か国以上で実施され、最初の結果は 2020年の化学物質管理に関する国際会議で発表されるであろう。

 国連環境計画化学物質健康部門の主任ヤコブ・デュアは 2日間のワークショップを開催し、同プロジェクトを立ち上げた。彼は、参加者は、国家レベルの化学物質管理の実施を前進させるプロジェクトの作業計画、予算、及びコミュニケーション計画を検討するだけでなく、同プロジェクトがどのようにしてより幅広い開発議題に寄与するかについて考えるべきであると示唆した。

 彼はプロジェクトは化学物質問題と廃棄物問題についての意識向上に役立つであろうと強調した。

 SAICM 事務局のブレンダ・コエッコエックは、 SAICM は利害関係者が一緒に活動するための自主的な枠組みであり、特に SDG目標 12.4(2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、そのライフサイクルの間、化学物質と全ての廃棄物の環境的に健全な管理を達成すること、及び人間の健康と環境への有害影響を最小化するために、それらの大気、水、及び土壌への排出を著しく削減すること。) を達成することに寄与することを説明した。(訳注1:持続可能な開発目標(SDGs)

 彼女は、 SAICM が注力する”新たな政策課題(EPIs)”は、鉛と塗料、高い有害性を持つ農薬、製品中の化学物質、有害な電子機器、内分泌かく乱化学物質、医薬品汚染、ナノテクノロジー、過フッ素化合物であると言及した。

 コエッコエックは、プロジェクトの最初の成果は 2020年に開催される「第5回国際化学物質管理会議(ICCM5)で発表されると述べた。彼女は、プロジェクトは、 SAICM の 2020年目標及び持続可能な開発のための 2030アジェンダに寄与するとともに、新たな政策課題(EPIs)を管理するための国家及びバリューチェーンのイニシアティブの採択の加速を狙っていることを強調した。

 同プロジェクトは三つの要素に注目している。塗料中の鉛の廃止;製品中の化学物質のライフサイクル管理;そして知識管理と利害関係者の関与である。導入機関(implementing agency)は国連環境化学物質・健康 GEF ユニット(UN Environment Chemicals and Health GEF unit)であり、SAICM 事務局は実行機関(executing agency)である。 IISD は、SDG 知識ハブを通じて同プロジェクトの知識管理要素の引き渡しにおけるパートナーである。

 同プロジェクトは、ジュネーブのパレ・デ・ナシオンで2019年1月15日から16に開催されたプロジェクト・パートナーのためのワークショップの間に立ち上げられた。 [SDG Knowledge Hub sources] [SAICM website]

関連イベント
Third Meeting of the Open-Ended Working Group for SAICM
Fourth Session of the UN Environment Assembly (UNEA-4)


訳注1: 持続可能な開発目標 (SDGs)


化学物質問題市民研究会
トップページに戻る