2012年9月24日 IISD Report
国際化学物質管理会議第3回会合(ICCM3)
概要:総会閉幕


情報源:IISD, 24 September 2012
SUMMARY OF THE THIRD SESSION OF THE INTERNATIONAL CONFERENCE
ON CHEMICALS MANAGEMENT
17-21 SEPTEMBER 2012
Closing Plenary
http://www.iisd.ca/vol15/enb15196e.html

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2012年10月2日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/saicm/iccm3/IISD/IISD_ICCM3_Summary_Closing_Plenary.html


総会閉幕

報告書の採択

 金曜日(21日)ペイツ議長はドラフト会議報告書(SAICM/ICCM.3/L.1 and Add.1)を紹介し、この報告書はいくつかの修正を持って採択された。

 保健分野戦略に関し、中国は、”様々な国の化学物質管理と保健システムに相違があった”という文言を、”様々な国の保健システムに関する権限に相違があった”という文言に変更することを要請し、代表者らは同意した。

 化学物質と廃棄物の資金調達オプションに関する協議プロセスに関し、GRULACは、中国、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンの支持を得て、資金調達への統合アプローチに関するUNEP事務局長の提案の支持には様々な程度差があったということを示す文言に編集するよう求め、”主流化と産業の関与という提案に大きな支持”という言い回しは、全ての代表がこの課題を支持したことを示すことになると懸念した。ノルウェーは、”統合アプローチを歓迎する”という文言は、”長期資金調達に関するUNEP事務局長の提案を歓迎する”という文言と同じではないと述べた。報告者は、報告書は総会の討論を、したがって、その内容に関する異なる見解があったとしても、UNEP事務局長の報告に対する代表者らの一般的な歓迎に関するこの言い回しを反映していると述べた。

 資金調達コンタクト・グループ共同議長ジーゲラーは、同グループはUNEP事務局長提案に関して異論があったことを確認した。合意された領域は;SAICMのための長期資金調達は適切であり、予測可能であり、アクセス可能であり、持続可能である;いかにリソースを自主的なメカニズムに割り当てるかに関する議論の必要性;長期資金調達メカニズムのガバナンス構造に関する説明の必要j性を含む。ペイツ議長は、コンタクト・グループの議事録は、付属書として報告書に添付されることを提案し、会議の報告書に関する合意を求めた。

 中国は、テキストは”多少の(some)代表者らだけ”がUNEP事務局長の提案を支持したことこと;したがって、”多少の代表者らが主流化と産業の関与を支持したこと”を反映し;したがって”大きな(considerabl)支持”という表現は削除することを主張した。彼はまた、共同議長ジーゲラーの口頭報告は会議の報告書に反映され、報告書採択の条件としては添付されないことを要請した。GRULAC はアルゼンチンの支持を得て、この会議報告書がこの会議におけるその立場に関する declaration read out を反映することを求めた。

 ペイツ議長は、ドラフト報告書は:中国により提案された60項及び61項についての変更を留意する;資金調達コンタクト・グループ共同議長の口頭報告を報告書の採択に関する項に反映する;コンタクト・グループ共同議長の書面報告書を会議報告書に添付する;報告書の採択に関する議論を保存する;GRULAC とEUの資金調達に関する発言資金調達議題項目の下に正しく反映される;と提案した。

クロージング・ステートメント

 金曜日(21日)夜のクロージング・ステートメントで、EUは、何も対策しないと高くつくこと、及び”現場の活動”への直接的な資金調達の必要性に言及しつつ、今回の会合でSAICMは適切な化学物質管理を促進する主要なキーのひとつとしてその重要性が再確認されたと述べた。

 ケニアはICCM4において長期資金調達を実現する必要性を繰り返した。アフリカ・グループを代表してザンビアは、ICCM3で合意されたフォローアップ活動を検討し、ナノマテリアルやEDCsのような新規課題に取り組み、ICCM4に備えるためのアフリカ地域会合を支援するよう求めた。

 中東欧(CEE)グループを代表してスルベニアは、彼女のグループは、ICCM3の討議、クイックスタートプログラム(QSP)の延長、及び新規課題に関する協働行動に関する合意に満足したと述べた。同グループは、WHOが引き続きSAICM事務局に関与することを希望する表明した。

  GRULAC を代表してジャマイカは、協力と協働のICCM3精神を賞賛し、QSPを延長した取り組みを評価した。

 IPENは、塗料中の鉛に関する決議を賞賛し、拡大生産者責任(EPR)を含む電気・電子製品中の有害物質に関する決議を評価し、製品中の化学物質の決議を消費者にとって重要であると認めた。

 農薬行動ネットワーク(PAN)は、ICCM4 前の会合間作業により広い範囲の利害関係者を含め、参加させることを求めた。UNEP事務局次長 Amina Muhammed の代理としてUNEP のTim Kaston は、2020年目標達成に向けていくつかの活動を成功裏に導いたINC3を祝福した。

 ペイツ議長は、議論には異論があったが、SAICMの共通の目標は視界にあると感想を述べつつ、代表者らに彼らの参加を感謝した。資金調達は化学物質と廃棄物という大きな議題にとってひとつの難題であと言及しつつ、彼女は、HLD でのRemi Allah-Kouadio(コートジボワール)の言葉、”協力、防止、約束が2020年目標を達成するキーである”を引用した。彼女は午後10時5分に会議閉幕を宣言した。



化学物質問題市民研究会
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