欧州労連 etui etui ニュース 2012年9月19日
インドと中国がREACH相当の法を導入中

情報源:etui news 19 September 2012
REACH is being copied in India and China
http://www.etui.org/Topics/Health-Safety/News/REACH-is-being-copied-in-India-and-China

訳:安間武(化学物質問題市民研究会)
掲載日:2012年10月5日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/reach/union/etui_news_120919_REACH_India_China.html


 中国とインドは化学物質の製造と上市に関する法を強化する動きを始めている。これらの法体系の改革の規模は巨大である。新興諸国(BRIICS グループ:ブラジル、ロシア、インド、インドネシア、中国、南アフリカ)は現在世界の化学物質生産の28%を占めているが、10年前にはわずか13%であった。これらの国の国民医療費は莫大である。世界保健機関(WHO)の研究によれば、危険な化学物質を原因とすることができる死亡者は、世界で年間約490万人である。中国とインド両国はがんの発症が急激に増大しており、年間死亡者はそれぞれ150万人、及び63万5千人に達している。

 インドで計画されている改革は、明示的に欧州連合のREACHに言及している。彼等は物質を登録すること、最も危険な物質の使用を制限または禁止すること、そして公的機関により管理されるべき国家目録を作ることを義務付けることを求めている。パブリック・コメントが現在実施されており、新たな法令は2012年末又は2013年の初めまでに採択されるであろう。

 中国では、法令591が2011年12月に適用された。同法令は以前の一連の規則と調和し、それらを改善することを求めている。それは、物質の登録と評価という点で、REACHに相当する原則に立っている。それは制限と禁止の部分については恐らくまだ緩い。同法令は中国の製造者と中国の市場に出す製品を輸入する外国との取引業者の両方に適用される。

 ヨーロッパの化学分野の主要な産業団体であるCEFICは、インドで計画されている改革にはっきりと反対を表明し、彼等が言うところの”REACHの過大なコスト”をインド当局に警告した。この態度はアメリカの化学産業の雇用者団体も同様であり、世界貿易機関(WTO)に訴える可能性を示唆してインドを脅迫すらしている。




化学物質問題市民研究会
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