EurActiv 2009年5月5日
REACH のボス
”会社は化学物質を適切に登録していない”


情報源:EurActiv, 5 May 2009
REACH chief: Companies 'failing to properly register chemicals'
http://www.euractiv.com/en/environment/reach-chief-companies-failing-properly-register-chemicals/article-181943

訳:安間 武 /化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2009年5月7日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/reach/euractiv/090505_REACH_chief.html


 ヨーロッパの会社は、EUの新たな化学物質規則(REACH)を完全には順守していないと欧州化学物質庁(ECHA)の長官、ギールト・ダンセットは EurActiv のインタビューで述べた。

 多くの会社は、不完全な REACH 登録書類一式を提出するのみならず、ひとつのファイルにいくつかの物質をリストし、それらの物質の成分を十分正確なものにしていないとダンセットは述べた。

 最初の REACH 登録のレビュー・プロセスはまだ実施中であるが、RECHA は提出された書類一式に体系的な問題があることを既に見つけた。最も重要な教訓のひとつは、会社がひとつのファイルに多くの物質を登録しないようにさせる必要があるということであるとダンセットは EurActiv に述べた。

”ひとつの物質しか登録できない。いくつかの物質をまとめて、ひとつの登録とすることはできない”と彼は述べた。

 さらに、現在までのところ、すべての登録が全ての技術的規則にしたがって編集されていたわけではないとダンセットは述べた。会社は、”我々ファイルをチェックするときに適用するビジネス・ルール”を理解しているようには見えない。

 ダンセットはまた、会社は物質の正確な成分を記述しておらず、”どの物質について我々が話をしているのか明確に区別できないので”多くの書類は十分ではなく、送り返されたと強調した。

 一方、ECHA は、会社は、情報を共有し、テストの重複を避け、主登録者が登録を取りまとめることができるよう、いわゆる’物質情報交換フォーラム(SIEFs )’を結成するよう促している。

 約146,000の異なる物質について270万件以上の予備登録が終了したが、それは欧州委員会が予想したより約20倍多く、ECHAは2010年までに約55,000物質が登録されると予測している。全フォーラムの80%は10〜99社からなるが、現在までのところ、これらのフォーラムの10%以下しか主登録者(社)を決めていない。

 主登録者が書類一式をたったの数日で編集するというようなことがないように、また ECHA がそれを他の登録者のものより前にチェックできることを確実にするために、”会社が実際に自分たちで SIEFs を組織することが非常に重要である”とダンセットは述べた。

 彼は、会社は”共同登録のタイミングの調整を確実にすることに関心を持っていた”と強調した。実際、書類が技術的に不完全なら、会社は”完全な登録をするまで、彼らの製品を市場から撤去しなくてはならない”とダンセットは述べた。

 EACH 規則と実施ルールの全体的な施行については、”施行法は国内法であり、必ずしも各国が同じではないので、施行は非常に難しい”とダンセットは述べた。ひとつの国で重大な間違い又は非順守であるとみなされること、が他の国では平均的な非順守かもしれないと彼は付け加えた。

 さらに、全ての加盟国が施行規則をまだ決定したわけではない。欧州委員会は、オーストリア、ベルギー、スペイン、イタリア、ルクセンブルグ、ラトビア、ポルトガルからの国内 REACH 施行法の届け出を待っている。

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