ECHA プレスリリース 2010年12月1日
最も危険で最も共通な化学物質が登録された

情報源:ECHA/PR/10/23 Helsinki, 1 December 2010
Most hazardous and most common chemicals registered
http://echa.europa.eu/news/pr/201012/pr_10_23_registration_deadline_20101201_en.asp

訳:安間 武 /化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2010年12月12日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/reach/ECHA/101201_ECHA_Press_First_REACH_Registration.html"


 2010年11月30日のREACH登録締め切りまでに、約3,400の段階的導入物質(Phase-in Substances/既存化学物質)(訳注1)を含む4,300物質のために、24,675件の登録が首尾よく提出された。段階的導入物質及び非段階的導入物質(訳注2)の最終的な登録数と物質は、提出されたすべての登録書類が今後数週間で処理された後に、明らかになる。ECHA のウェブサイトは定期的に段階的物質の登録数と登録された物質名を更新する。

 REACHの目的は、人の健康と環境の保護を向上させることはもちろん、化学物質の安全使用を通じて産業界の競争力を改善することである。最初の登録期限はこの長期的な目標に向けて、非常に重要なステップである。
 欧州化学物質庁(ECHA)長官ギールト・ダンセットは、”ヨーロッパ内外の多くの人々が、REACH 規則が2006年の末に発表されて以来、このことに向けて働いてきたのだから、これは、重要な日である。私はREACHに対応するために取り組んできた会社、及びそれらの会社と我がECHAを支えてくれた加盟国と欧州委員会の同僚、そしてこのことの実現を可能とするために大きな仕事を成し遂げた私の部下たちを祝福する”。

 ECHA管理委員会議長トーマス・ジャクルは、”今日の締め切りは、EUの化学物質政策の改革にとって重要なマイル・ストーンである。最初の政策討議が行なわれた1998年に立ち上げられたプロセスが、全ての利害関係者と強力で有能な欧州機関としてのECHAからの絶大な強力を得て、本日結実した”と述べた。

 登録数の約86%は大企業から、14%が中小企業からであった。登録の19%は代理人(非EU製造者の代理を務める会社)によりなされたが、このことは非EU企業がフォーラム(Substance Identity Exchange Fora (SIEF))(訳注3)に首尾よく参画することができることを実証するものである。

 登録のほとんどは、ドイツ、イギリス、オランダ、フランス、ベルギーを拠点とする会社からなされた。さらなる統計データは、添付のメモとECHAのウェブサイトから入手可能である。

 ECHAは、今後数ヶ月間で、最終的な段階的導入物質数と、産業界から受領した詳細情報に基づく当初の予測との相違を検証する。いずれにしても、登録数は、ECHAの歳入予のベースであった当初の欧州委員会の予測と合っているので、来年度のECHAの活動資金は確保された。

更なる情報:

訳注1:段階的導入物質(Phase-in Substances)
EU既存商業用化学物質インベントリ(European Inventory of Existing Commercial Chemical Substances;EINECS)にリストアップされている物質であり、1971年1月1日から1981年9月18日の間に、EUに上市されていた物質(既存化学物質)。EINECSには100,204物質がリストアップされている。

訳注2:非段階的導入物質(non-phase-in Substance)
REACHの発効以前に製造・上市されていなかった物質(新規化学物質)。

訳注3:物質情報交換フォーラム(SIEF)
同一の段階的導入物質について試験の重複を避け、その物質の分類と表示を統一するために、データと情報の交換のために設けられたフォーラム。



化学物質問題市民研究会
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