ケムセック(ChemSec)2013年3月4日
中国 対応すべき58の化学物質を特定

情報源:ChemSec News, 4 March, 2013
China identifies 58 chemicals to act on
http://www.chemsec.org/news/news-2013/january-march/
1135-china-identifies-58-chemicals-to-act-on


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2013年3月7日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/reach/ChemSec/News/chemsec_130304_China_58_chemicals.html


 中国は最近、優先化学物質58種のリストを含む化学物質管理5か年計画を発表した。これらはDEHP、ビスフェノールA、ノニルフェノールのような、よく使用されている内分泌かく乱物質を含む。

 中国は、大きな化学物質製造産業を持っているだけでなく、広範な消費者製品の製造を行なっている世界最大の化学物質製造国である。中国における改善された化学物質規制は、中国の環境と中国人の健康はもちろん、地球規模で人の健康を守り、有害物質汚染を制限するために重要であると、ケムセック(ChemSec)の上席化学物質顧問ジャーカー・ライトハートは述べている。

 中国環境省の5か年計画はまた初めて、”がんの村(cancer villages)”の存在を認め、2015年までに”廃絶リスト”と”制限リスト”を示すであろうと述べている。発がん性・変異原性・生殖毒性物質(CMR)、残留性・生物蓄積性・有毒性物質(PBT)、高残留性・高生物蓄積性物質(vPvB)、及び内分泌かく乱物質(EDC)が、これらのリストに追加された化学物質の中心をなしている。

 中国は2010年以来世界最大の化学物質製造国である。この計画は、大規模化学物質製造と有害化学物質の放出により引き起こされている全国で発見されている大量の汚染は、至急に対処する必要があることを示していると、グリーンピース東アジアの有害物質キャンペイナーであるYixiu Wuはコメントした。

 ”このことは、中国の化学物質管理が、かつての中国の環境政策の標準であった汚染管理から汚染廃絶に変わってきていることを示している”とグリーンピース東アジアはコメントした。

 布製品産業、医薬品製造産業、及び石油精製産業を含む7つの産業が汚染防止優先管理のためにリストされた。

 中国の文書がCAS番号を挙げる47物質のうち、22物質がSINリストに記載されている。

 優先的対応のためのブラックリスト化は、強い政治的意思を示している。しかし最も重要なことは、中国政府が産業に対して、世界の他の様々な場所で禁止されているこれらの有害化学物質は、中国では将来居場所がなくなるという明確なメッセージを送ったことであると、グリーンピース東アジアの有害物質キャンペイナーであるYixiu Wuは述べた。

グリーンピース翻訳による58優先化学物質(英語)



化学物質問題市民研究会
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