ケムセック(ChemSec)2012年4月17日
化学物質製造会社についての情報 ECHA はもっと公表しようとしているが、まだ十分ではない 情報源:ChemSec News, 17 April 2012 ECHA to publish more, but not enough, information about chemical producers http://www.chemsec.org/news/news-2012/916-echa-to-publish- more-but-not-enough-information-about-chemical-producers 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2012年4月18日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/reach/ChemSec/News/chemsec_120417_chemical_producers.html 欧州化学物質庁(ECHA)は、どの会社が安全データシートを求められる有害化学物質(訳注1)を製造しているか公表を開始すると発表した。ケムセックは、透明性が増す方向のこの動きを歓迎するが、重要な透明性の問題はまだ解決していないことがわかった。 昨春、起こした訴訟で、ケムセックは環境法団体クライアントアース(ClientEarth)とともに、REACH 基準にしたがった非常に高い懸念のある物質(SVHC)として特定された SIN リストの化学物質の製造会社名を公表するようECHAに求めた。 ”我々は、ECHAが現在、、EU市民が正当にもつ知る権利のために、登録された全ての化学物質の製造社名を公表する意図があるのか、あるいは単に安全データシートが必要となる化学物質を製造している会社名だけなのか、明らかでいことがわかった”と、ケムセックの上席化学物質顧問ジャーカー・ライトハートは述べている。 SIN リストの化学物質のあるものはまだSVHCとして公式に分類されておらず、したがってECHAの動きは、例えば、現在まだ合意された分類と表示システムが決まっていない”同等の懸念ある物質(内分泌かく乱物質を含む)”の製造社名も公表されるのかどうか保証されていない。 さらに、ECHAは、透明性の観点から重要であり、欧州市民の曝露と影響の増大に密接に関係する化学会社が製造又は輸入している有害化学物質の量を示す情報の公表をいまだに拒否している。 ECHAは、新規の物質登録からの情報を今年の後半に発表し始めるとしているが、ECHAはいつこれに取り掛かるのか明らかにしていない。既存の登録は、会社が遡及して企業秘密を主張することができるよう”再提出期間”が与えられる。その期間がどのくらいなのか、そして既存の登録についてのデータはいつ公表されるのかについて明らかでない。 企業秘密の主張は正当性を認められるために3つの基準を満たす必要がある。
ECHAの登録情報の一部分を公表するという発表は、最初のREACH登録締め切り期限の2年半後、そしてケムセック/クライアントアースの提訴に従い、REACH登録についてもっと多くの情報を公表すると約束してから1年後のことである。 以前は、化学物質製造者についての情報は、ESIS(欧州化学物質情報システム)により公的に入手可能であった。さらに、その情報は危険物質と分類されたものだけに限定されるものではなかった。その点に関しては、ECHAの措置はREACH施行以前の基準に及んでいない。 ”あと数週間で5年目になるREACHは、これよいもっと透明性を持つべきであり、それは高いレベルで健康と環境を保護することを確実にするという目的を達成するための前提条件である ”とケムセックの上席化学物質顧問ジャーカー・ライトハートは述べている。 ECHA press release http://echa.europa.eu/en/web/guest/view-article/-/journal_content/22c22fe1-f670-426f-903f-541586de45e7 ChemSec and ClientEarth court case http://www.chemsec.org/list/eu-court-case 訳注1:全性データシート REACH規則での安全性データシートについて/J-Net21 ここが知りたいREACH REACH における化学物質安全性評価(CSA)、化学物質安全性評価報告書(CSR)および安全性データシート(SDS)(REACH における化学物質安全性評価(CSA)の要点(案)) ■安全データシートが必要な物質
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