ケムセック(ChemSec)2012年3月20日
OECD と欧州委員会が強調 内分泌かく乱物質、ナノマテリアル、化学物質複合影響 に対する行動がもっと必要 情報源:ChemSec News, 20 March 2012 OECD and European Commission: action on EDCs, nano and cocktail effects needed http://www.chemsec.org/news/news-2012/897-oecd-and-european-commission- action-on-edcs-nano-and-cocktail-effects-needed 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2012年4月10日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/reach/ChemSec/News/chemsec_120320_oecd_ec.html 欧州委員会とOECD(経済協力開発機構)の両組織は先週(3月12日の週)、内分泌かく乱物質(EDCs)、ナノマテリアル、及び有害化学物質の複合影響への行動がもっと必要であると協調した。 現在、パブリック・コンサルテーションにかけられている第7次EU環境行動計画(7EAP)の文書の中で、欧州委員会はいかに今日の環境問題が深刻であるか、そして持続可能性と環境的思考をより広いEU政策の枠組みに統合することの必要性を述べている。 同報告書は、”もし現在の世界の資源の利用がこのまま続けば、我々を維持するために2050年までに二つ以上の地球を必要とするであろう”と述べている。”今日既に、いくつかの再生可能ではない資源は現在知られている限界に近づいており、一方多くの再生可能な資源は不可逆的に悪化させられており、又はその再生能力を超えて使用されている”。 欧州委員会はまた、EUにおける現在の一般的な化学物質の法令は、REACHやCLP規則(分類表示包装)などのように、良好な基本的規制の枠組みを提供しているが、”ナノマテリアルの急速な開発と広範で多様な応用に関連する懸念、内分泌かく乱物質に関連する潜在的なリスク、及び化学物質の複合影響への曝露に取り組むためには、良好な実施と適切な対応を確実にすることがもっと必要である”と述べている。 欧州委員会の第7次EU環境行動計画(7EAP)に関するコンサルテーション期間は6月1日までであり、7EAPは欧州における2020年までの政策策定を導くよう意図されている。 同じく先週、OECDの報告書”2050に向けた環境展望:行動を起こさない場合の結果”は、天然資源と生態系の真の価値を高い値打ちと価格で評価して、環境的により適切な代替をせずに汚染を続けると高いコストになるような政策と、環境的に適切な革新を促進する政策の組み合わせを勧告した。有害化学物質に関しては、”有害化学物質への曝露に関連する疾病の苦しみは世界中で著しいものがあるが、しかし、化学物質の安全対策がまだ不十分な非OECD諸国ではもっと深刻である”とOECD報告書は認めている。 OECD報告書は、”インターネットやその他の手段を通じて公衆が化学物質情報を広く利用できるようにすること”、及び、”新規に出現している、又はほとんど理解されていない問題(例えば、内分泌かく乱物質、ナノマテリアル、及び混合化学物質)の評価”など、国際的な化学物質管理の協力を強化することの必要性を含んで必要な政策行動のリストを強調している。 同報告書はまた、有害化学物質の影響が十分に抑制される前に、いかに多くの作業がまだ残っているのかについて強調した。すなわち、”OECD諸国政府は、化学物質への人の曝露の評価に進展を見せたが、健康影響についての知識はまだ限定的であり”、”多くのOECD政府は化学物質の規制範囲を拡張するために国家の法律を変更したか、又は変更の途上にあるが、実施はまだ不完全である”ことを強調した。 情報源
|