HEAL 2023年3月14日
100以上の団体が、欧州委員会に 2030 年までに
PFAS を完全にl禁止するよう要求


情報源:Health and Environment Alliance (HEAL), 14th March 2023
Over 100 organisations call on the European Commission to fully ban PFAS by 2030
https://www.env-health.org/over-100-organisations-call-on-
the-european-commission-to-fully-ban-pfas-by-2030/


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2023年3月28日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/eu/ngo/230314_HEAL_Over_100_
organisations_call_on_the_European_Commission_to_fully_ban_PFAS_by_2030.html



 PFAS 禁止マニフェスト(声明)(The Ban PFAS manifesto)[1]は、今日、欧州委員会のティメルマンス副委員長とシンケビチュウス委員が率いる閣僚及び REACH に取り組んでいる政策担当者に提示された[2]。 25 か国以上の 119 の団体によるマニフェストは、2025 年までに消費者製品中のパー及びポリ・フッ素化アルキル物質 (PFAS) の禁止措置をとり、2030 年までに完全に禁止することを求めている。

 署名者には、健康と環境の団体、医師会、地域社会団体が含まれており、彼らは全て PFAS 汚染の規模について懸念を抱いている。 彼らは、特にヨーロッパで 17,000 を超える汚染サイトを明らかにした最近の国境を越えたメディアの調査に照らして、緊急事態に対処するために欧州委員会による迅速な行動を要求している [3]。

 PFAS マニフェストは、健康と環境に対する PFAS の負担を増やさないようにするために、欧州当局が法律を策定することを求めている。 署名団体は、汚染の規模が REACH 規則の現在の弱点とそれを改革する緊急の必要性を示していることを強調し、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、及びオランダによって提出された普遍的な PFAS 制限提案を支持している [4]。 最後に、彼らはまた、欧州及び各国の当局に対し、既存の汚染に対処し、費用負担が納税者ではなく汚染者によって負担されるようにすることを求めている。

 ”REACHの下で PFAS グループ全体を制限し、現在計画中である他の制限を迅速に採用することにより、2030年までに全ての PFAS の生産と使用を完全に段階的に廃止することが可能である。 PFAS は、その極端な残留性と、野生生物と人間の健康への有害な影響に関する科学的証拠の増加により、現在と将来の世代の両方に容認できないリスクをもたらす”と、 HEAL の健康と化学物質プログラムのリーダーであるナターシャ・シンゴッティ(Natacha Cingotti)は、欧州委員会に強調した。

バックグラウンド

 パー及びポリ・フッ素化アルキル物質 (PFAS) は、広く利用されている合成化学物質の大きなグループであり、衣料品、化粧品、食品包装などに使用されている。 それらは私たちの健康と環境にとって危険であることが科学的に証明されており、ほぼどこにでも見られる[5]。 PFAS は簡単には分解されないため、私たちの体、動物、環境に蓄積する。 1,250 万人を超えるヨーロッパ人が、PFAS によって汚染された飲料水がある地域社会に住んでいると推定されている [6]。

編集者のためのノート

  1. Manifesto for an urgent ban of 'forever chemicals' PFAS('永遠の化学物質' PFAS の緊急禁止のマニュフェスト 2023

  2. 出席者:ヘレナ・ブラウン Helena Braun(ティメルマンス Timmermans), エレナ・モンタニ Elena Montani(シンケビチュウス Sinkevicius)、マーチン・ビークマン Martijn Beekman - 政策担当役員/域内市場・産業・起業・小規模企業総局(DG GROW)、バレンティナ・ベルタト Valentina Bertato - 政策担当役員/環境総局 (DG ENV)

  3. The Forever Pollution Project(永遠の汚染プロジェクト), Cross-border coordination partner: Arena for Journalism Across Europe, 2023

  4. ECHA receives PFASs restriction proposal from five national authorities, January 2023(ECHA 5 か国当局から PFASs 制限提案を受領)2023年1月

  5. The "forever chemicals" that are harming our health: PFAS, HEAL(我々の健康を害している永遠の化学物質 PFAS、HEAL)

  6. The Cost of Inaction, a socioeconomic analysis of environmental and health impacts linked to exposure to PFAS, Nordic Council of Ministers, 2019 (不作為のコスト、PFAS への暴露に関連する環境および健康への影響の社会経済的分析、北欧閣僚理事会 2019年)



化学物質問題市民研究会
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