BCLP 2023年2月9日
EU の広範な PFAS 制限提案が公開された 複雑で重要なプロセスが始まる 情報源:Bryan Cave Leighton Paisner (BCLP), February 9, 2023 EU broad PFAS restriction proposal published - A complex and significant process begins https://www.bclplaw.com/en-US/events-insights-news/eu-broad-pfas- restriction-proposal-published-a-complex-and-significant-process-begins.html 訳:安間 武/化学物質問題市民研究会 http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2023年2月14日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/eu/news/230209_BCLP_EU_broad_PFAS_ restriction_proposal_published-A_complex_and_significant_process_begins.html 概要 PFAS はしばらくの間、ヨーロッパの規制当局の注目を集めてきたが、2023 年は EU の広範な PFAS 制限案にとって重要な年になるであろう。 1月に EU 加盟 5カ国(訳注:オランダ、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン)が、 EU の化学物質規則(REACH)に基づいて欧州化学物質庁(ECHA) に規制案を提出し((訳注1)、(訳注2:採択されれば、EU 27 か国すべてに適用されることになる C&EN, February 7, 2023))、2 月に ECHA は広範な PFAS 制限案を公開した(訳注2)。この提案が REACH 制限プロセスを経過するにつれて、ECHA と利害関係者/助言を求められる人々が直面する作業の負荷がかなり大きくなることは間違いない。(訳注2:PFAS のクラス全体を制限することは、「多数の用途で使用されるこのような大規模で複雑な物質群を適切に管理するための最も適切で効果的なオプションである」と提案は述べている。C&EN, February 7, 2023)。 広範な PFAS 制限提案の簡単な歴史 PFAS は、工業プロセスや日常の消費財などで広く使用されている化合物/合成化学物質の非常に大きなグループである。「永遠の化学物質」と呼ばれることもある PFAS は非常に劣化しにくい。それらは容易には環境中で分解せず、水中や土壌中に堆積してそれらを汚染する。 そのような汚染は、修復が困難で費用がかかることがわかっている。 一部の PFAS が人間の健康に悪影響を与える可能性があるという懸念もある。 これを念頭に置いて、PFAS はかなり長い間、ヨーロッパの規制当局の注目を集めてきた。 特定の狭い状況(例えば消火用泡など)での PFAS 使用の制限について、より具体的な議論がすでに行われているが、数年の準備段階を経た 2023年は、EU の幅広い PFAS 制限提案にとって重要な年になるであろう。今、物事は前進しているように見える。 2023年1月13日、5つの EU 加盟国 (デンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン) が、 EU の化学物質規則 REACH の下に 幅広い PFAS 制限に関する提案を欧州化学物質庁 (ECHA) に提出した。 2023年2月現在の状況 2023年2月7日、ECHA は次のような提案を発表した。
現在リストされている制限の範囲は、”PFAS の製造、上市、及び使用に関する制限”と説明されており、提案の幅広さと潜在的な自由度をさらに示している。 さらに、現在公開されている制限報告書/書類は長く複雑で、複数の付属書がある。 したがって、この提案が制限プロセスを経るにつれて、ECHA と利害関係者/助言を求められる人々が直面する作業負荷がかなり大きくなることは間違いない。 次に何が起こるか − 協議、意見形成、その他 提案書の提出により、第一段階は完了した。 第 2段階では、ECHA の科学的レビュー、協議、意見形成に焦点を当てる。
利害関係者/助言を求められる人々は、特に今後の協議に関して、このプロセスを認識し、検討する必要がある。 イギリスはどうするのか? イギリスの EU 離脱(ブレグジット/Brexit) は、この環境規制分野に非常に関連している。化学物質に関しては、ブレグジット後、イギリスでは EU REACH ではなく、UK REACH が規制の枠組みとなっている (北アイルランドでは EU REACH が引き続き適用される)。 英国の REACH と EU の REACH の分離に注目して、PFAS に関して EU と比較して英国での異なる規制アプローチについて議論があった。 英国はもちろん、政策的観点から EU の広範な PFAS 制限提案を認識しているが、英国のアプローチ (PFAS に関する RMOA(規制管理オプション分析) を含む) は、EU のアプローチとは異なるものになる可能性がある。 ただし、この点に関してはかなりの不確実性が残っているため、英国の REACH と EU の REACH の分離の進行中の複雑さは、PFAS を含んで引き続き監視する必要がある。 訳注1
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