欧州食品安全機関(EFSA)2020年9月17日
食品中の PFAS:
EFSA はリスクを評価し
耐容摂取量を設定

European Food Safety Authority (EFSA)
17 September 2020
PFAS in food: EFSA assesses risks and sets tolerable intake
http://www.efsa.europa.eu/en/news/pfas-food-
efsa-assesses-risks-and-sets-tolerable-intake


訳:安間 武/化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2020年9月19日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/eu/efsa/200917_PFAS_in_food_
EFSA_assesses_risks_and_sets_tolerable_intake.html


 欧州食品安全機関(EFSA)は、体内に蓄積する主要なパーフルオロアルキル物質(PFAS)に新しい安全閾値を設定した。閾値 4.4ナノグラム/体重1キログラム/1週間という耐容週間摂取量(TWI)は、食品中のこれらの物質の存在から生じる人間の健康へのリスクに関する科学的見解の一部である。

 PFASは、世界中のさまざまな産業(例えば、繊維、家庭用品、消防、自動車、食品加工、建設、電子機器など)での製造に使用される人工化学物質のひとつのグループである。

 これらの化学物質への暴露は、健康に悪影響を及ぼす可能性がある。人々は、食品を含んで、さまざまな経路で PFAS に暴露する可能性があり、これらの物質は、飲料水、魚、果物、卵、および卵製品で最も頻繁に見られる。

 EFSA の評価で焦点が当てられた 4つの PFASは、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、ペルフルオロノナン酸(PFNA)、及びペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)である。

 EFSA の科学者によると、最も暴露している集団は乳児や幼児であり、妊娠中及び授乳中の暴露が PFAS レベルの主な原因である。

 専門家は、ワクチン接種に対する免疫系の反応の低下が、耐容週間摂取量(TWI)を決定する際の最も重要な人間の健康への影響であると考えた。これは、コレステロールの増加を主な重要影響として使用した 2018年の PFAS に関する EFSA の意見とは異なる。

  2018年の意見では、PFOS と PFOA に個別の TWI が設定されていたがが、EFSAは、より最近の科学的知識を考慮してこれらの物質を再評価し、複数の化学物質への複合暴露を評価するための最近のガイダンス(guidance for assessing combined exposure to multiple chemicals)に従っている。

 最新の科学的見解は、(2020年2月から2020年4月までの2か月(two-month consultation between February 2020 and April 2020)のパブリック・コンサルテーション中に加盟国の科学機関、市民、規制当局から受け取ったフィードバックを反映している。

 EFSAの科学的助言は、食品を通じての PFAS への暴露から消費者をいかに最善に保護するかに関する決定に関わるリスク管理者をサポートする。

■食品はどのようにして PFAS で汚染されるか?
 食品は、栽培に使用された汚染された土壌と水を通じて、飼料と水を介したこれらの物質の動物への濃縮を通じて、PFAS を含む食品包装を通じて、又は PFAS を含むプロセス装置を通じて、汚染される可能性がある。



化学物質問題市民研究会
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