IPEN COP8 プレスリリース 2017年4月25日
POPs 条約 COP8 でカナダとチリは単独で、
電子廃棄物の投棄を合法化し、
有害化学物質の子ども用品へのリサイクルを
促進しようと試みている

情報源:IPEN COP8 Press Release, 25 April 2017
At UN meeting, Canada and Chile stand alone trying to legitimize e-waste dumping
and promote recycling of toxic chemical into children’s products
http://www.ipen.org/news/press-release-un-meeting-canada-and-chile-
stand-alone-trying-legitimize-e-waste-dumping-and


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2017年5月3日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/POPs/IPEN/170425_IPEN_Press_
Canada_and_Chile_stand_alone_trying_to_legitimize_e-waste_dumping.html

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【ジュネーブ】 本日、ストックホルム条約第8回締約国会議(COP8)で、チリとカナダは、電子廃棄物(e-waste)中で広く見いだされる有害難燃剤を含有する物質のリサイクルを許すことを提案して代表者らを驚かせた。その提案は、条約のリスト上にある物質のリサイクルと再使用を明らかに禁止しているストックホルム条約に違反する。

 DecaBDE は電子機器のプラスチック製筐体中で使用されており、もしそれが除去されていなければ、プラスチックがリサイクルされると新製品中に混入する。毒性研究が潜在的な発達影響、神経毒性、及び生殖影響を示しており、DecaBDE 又はその分解生成物はまた内分泌かく乱物質として振る舞うかもしれないことを示している。

 皮肉なことに、新たなIPENの調査[原注1]は、これらの国々によって主張されている有害リサイクル政策は、子どもたちのための製品を広く汚染していることを示している。実際にカナダでは、サンプルとして収集された全てのおもちゃは OctaBDE と DecaBDE を含有するリサイクルされたプラスチックから製造されていた。

 ”どの様にしてこれらの国は潜在的に子ども達を汚染する政策を主張することができるのか?”と、IPEN の共同議長であるパム・ミラーは述べた。”有害化学物質を含有する物質をリサイクルするということは、新たな製品を汚染し、暴露を継続し、リサイクルの信頼性を損ねる”。

   同条約専門家委員会は有害リサイクルの実施に対して警告し、これらの物質をリサイクルの流れから”可能な限り早急に”除去するよう明確に勧告しており、”それができなければ必然的により広範な人と環境の汚染を招き、リサイクルの長期的な信頼を失うことになる”と言及した。

 提案されたリサイクル適用除外はまた、電子廃棄物(e-waste)の開発途上国への投棄を合法化するに等しく、そのことは皮肉にも”リサイクル”と表現されている。

 電子廃棄物は世界で最も急速に成長している廃棄物の流れであり、これらの国々はそれを合法化し、もっと多くを投棄したいとすら望んでいるように見える”と、PAN エチオピアのタデッセ・アメラは述べた。”OECD諸国はすでに我々に膨大な量の電子廃棄物を送り込んでおり、彼らは我々の有害物質による苦しみをもっと増やそうとしているように見え、それは条約の目標と正反対のことである”。

原注1
1http://ipen.org/sites/default/files/documents/toxic_toy_report_2017_update_v1_5-final_en.pdf



化学物質問題市民研究会
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