EEB 2016年2月9日 プレスリリース
EEB は加盟国に対し、
BPA が有害と分類されるよう
行動することを求める

情報源:EEB Press Release, February 9, 2016
EEB calls on Member States to act as BPA classified as toxic
http://www.eeb.org/index.cfm/news-events/news/
eeb-calls-on-member-states-to-act-as-bpa-classified-as-toxic/


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2016年2月13日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/NGOs/160209_EEB_Press_BPA_Classified_as_Toxic.html

 欧州環境局(EEB 訳注:EU の NGO) は欧州委員会及び EU 加盟国によって先週末にとられたビスフェノールA(BPA)を ”ヒトへの生殖毒性が推定される物質(Category 1B)” (訳注1) としての決定 [1] を歓迎する。

 欧州環境局(EEB)の上席化学物質政策担当タチアナ・サントスは次のように述べた。

 ”今、BPA が公式に生殖毒性物質として分類されるということは、加盟国はEU市民をBPAへの暴露から守り、この物質に関連する疾病を治療するのに数百万ユーロ(数億円)を費やすのを回避するための措置をとるべきとする明確なシグナル受けたということである。BPA は今、REACH 候補リスト [2] [3] に直接含めることができ、我々の健康と将来の世代の健康に影響を及ぼす極めて危険な化学物質なのだから、この物質の廃止または代替がまさに最優先となるであろう。

原注 [1]: 更なる情報は、Chemical Watchの 2016年2月8日の記事を参照のこと。
https://chemicalwatch.com/44942/bpa-poised-for-classification-as-category-1-reprotoxin
(訳注:記事要約)  ・・・情報筋によれば、先週の REACH 委員会の会議は BPA 分類を含む規則案をそっくり承認した。欧州員会はこの規則案を審議のために欧州議会に送るであろう。これには約3か月かかる。その後正式採択及びEU官報への掲載のために欧州委員会に戻される。・・・

 BPA は40年以上の間、プラスチックを硬化するために使用されている。それは、主にポリカーボネートプラスチックとエポキシ樹脂の製造に使用するために非常に大量に製造されている(ヨーロッパでは年間100万〜1,000万トンが登録されている)。

 つまり、それはどこにでもあるということである。医療品装置、CD、歯科詰め物、水ボトル、食品及び飲料用缶の内面ライニング、コンピュータ、冷蔵庫、洗濯機、自動車、玩具、携帯電話、チリ紙、女性生理用品、おむつ、本、雑誌、壁紙、その他多数。(訳注2

 その結果、疫学的研究が世界の90%以上の人々の体内にBPAが存在することを報告している(参照:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24840445)。暴露は主にプラスチック容器のような食品接触材を経由して生じる。以前はBPAは赤ちゃん用食品接触材で一般的に使用されていたが、これは欧州連合では2011年に禁止された。

 BPAによって引き起こされる有害影響のロングリストがあり、それらは主にホルモン系、生殖系、及び発達系障害と関連する。それらには、脳、乳腺、腎臓、肝臓、及び前立腺への潜在的な影響が含まれる。これは特に、妊婦、胎児、幼児、及び千沙な子どものような最も脆弱な人々がこの化学物質に暴露するときに重要である。

原注 [2]: この決定は、化学物質の登録、評価、承認、及び制限に関する規則(REACH) の下に設立された REACH 委員会によってなされた。加盟国は技術的及び科学的進展に適応する目的で、Regulation (EC) No 1272/2008 of the European Parliament and of the Council on classification, labelling and packaging of substances and mixturesを修正する欧州委員会規則案 (9th ATP to CLP)に賛成投票した。

原注 [3]: ビスフェノールAの生殖毒性としての公式な分類は、洗浄剤やローションを含んで消費者のための化学物質混合物の禁止を含むその使用に関する更なる措置を課す。さらに、雇用者は、妊娠中又は授乳中の労働者が職場においてBPAに暴露するのを防止する責任がある。最終的にそれは条項 57c に合致するので)自動的に REACH 候補リストに、そして最終的には、特別の許可が得られなければEUではその使用が許されない”禁止リスト”((annex XIV)に含められることになる。


訳注1:欧州連合(EU)の発がん性・変異原性・生殖毒性(CMR)の分類
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/carcinogen/carcinogen_classification.html

3. 生殖毒性物質
 Category 1A:ヒトへの生殖毒性とが知られている物質
 Category 1B:ヒトへの生殖毒性が推定される物質
 Category 2 :ヒトへの生殖毒性が疑われる物質

訳注2:紙とBPA
訳注:参考情報


化学物質問題市民研究会
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