内分泌学会 プレスリリース 2013年12月16日
フラッキング用化学物質 ホルモン機能をかく乱する 情報源:The Endocrine Society Press Release December 16, 2013 Fracking Chemicals Disrupt Hormone Function https://www.endocrine.org/news-room/current-press-releases/ fracking-chemicals-disrupt-hormone-function 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2013年12月17日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/edc/USA/131216_ENDO_Fracking_Chemicals_EDCs.html 先天性異常、不妊に関連する内分泌かく乱作用を掘削サイトの近くで発見
内分泌かく乱化学物質(EDCs)は、内分泌系の正常な機能を阻害することができる物質である。EDCsは、ある種の食品、大気、水、土壌はもとより、工業製品中にも見出すことができる。研究によればEDCへの曝露は不妊、がん、先天性障害に関連している。 ”700種以上の化学物質が水圧破砕プロセスで使用されており、それらの多くがホルモン機能をかく乱する”と、研究著者の一人、ミズーリ大学医学校のスーザン C. ナゲル博士は述べた。”フラッキングが増加すると人々は、増大する内分泌かく乱化学物質曝露からのより大き健康リスクに直面するかもしれない”。 調査では、天然ガス発掘に使用される、既知又は疑いある12の内分泌かく乱化学物質が検証され、体内の男性又は女性の生殖ホルモン様に作用するか又は阻害する能力が測定された。天然ガス採掘による内分泌かく乱作用を測定するために研究者らは、コロラド州ガーフィールド郡にある、稼働中の天然ガス掘削井戸が1万以上ある掘削密集地域の掘削漏洩場所又は事故場所、及びコントロールとしてのミズーリ州ボーン郡及びコロラド州ガーフィールド郡の掘削が疎らな地域の漏洩のない場所から、地表水及び地下水のサンプルを採取した。 掘削場所からの水のサンプルは、生殖ホルモンエストロゲン(女性ホルモン)とともに、テストステロンを含むホルモンのひとつのクラスであるアンドロゲン(男性ホルモン)への体の反応を阻害することができるEDC作用のレベルが高かった。掘削場所からの水サンプルは中高程度のEDC作用レベルであり、また天然ガス採掘の排水流域であるコロラド川からの水サンプルは中程度のEDC作用レベルであった。一方、掘削が疎らな地域からの水サンプルはほとんどEDC作用はなかった。 ”水圧破砕(フラッキング)は水質保護の連邦規制対象から除外されているが、天然ガス掘削に関連する漏れは、地表水、地下水、及び飲料水を汚染することがあり得る”とナゲル博士は述べた。”我々は、漏洩があった採掘場所近くの水中の内分泌かく乱作用は、コントロール場所に比べて大きいことを発見した。これは、特にEDCsに暴露する子どもたちの、生殖、代謝、神経系、その他の疾病のリスクを高める”。 この研究の他の著者には、ミズーリ大学の C.D. Kassotis, J.W. Davis and A.M. Hormann、及び米地質調査所のD.E. Tillitt が含まれる。 この調査”Estrogen and Androgen Receptor Activities of Hydraulic Fracturing Chemicals and Surface and Ground Water in a Drilling-Dense Region”は印刷版に先立ちオンラインで発表された。 訳注:参考情報
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