Food Safety News 2015年2月24日
デンマーク国立食品研究所
欧州連合の BPA 安全レベルは要検討と述べる

ノースカロライナでは BPA 禁止を提案

情報源:Food Safety News, February 24, 2015
Denmark's National Food Institute Says Europe's BPA Safe Levels Need Work
BPA Ban Introduced in North Carolina
By News Desk
http://www.foodsafetynews.com/2015/02/
denmarks-national-food-institute-says-europes-bpa-safe-levels-need-work/#.VPgVAbkfodU


訳:安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2015年3月7日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/edc/EU/150224_FSN_Denmark_BPA_safe_level.html


 EFSA は、食品缶詰の内面ライニングやプラスチック容器に使用されるエポキシ樹脂は現在の許容されるレベルでは安全であるとしたが、ヨーロッパのより低い制限値をどこに置くべきかについての論争はまだ続いている。

 彼らは、”両親が有害な製品と安全な製品の違いを見分けることは不可能である”とする論理に基づき有害物質のない子ども法”が2015年2月12日に提案されたノースカロライナ州のそのメモをまだ入手していないのかもしれない。ノースカロライナの上院法案 81 は、通過すれば子ども用製品中でのビスフェノールA(BPA)を禁止することになるであろう。
 しかし、アメリカ及びヨーロッパの食品安全機関の両方は最近、そのような缶詰やボトルで用いられている BPA レベルは、子どもや成人に安全であると判定した。

 2年前に食品医薬品管理局(FDA)は、赤ちゃん用ほ乳びんとシップカップ中のこの物質を禁止するという予防措置をとった。しかし2014年の公式な評価で FDA は、2009年から2013年に実施された300の科学的研究に基づくひとつの判断として、1日当たり5μgという現在の暴露レベルは安全であるとした。

 そして1月に、影響力のある欧州食品安全機関(EFSA)は BPA のどのような暴露源であっても−食事、化粧品、そしてレジの領収書に使用されている感熱紙のようなものまで−それらからの暴露は、安全レベル、又は”一日耐容摂取量(TDI)”より相当に低いということを見出した。

 EFSA の報告書訳注1)は、 TDIs は安全に低められていると示唆する所見を示したが、デンマーク工科大学の国立食品研究所(NFI)は、EFSA は制限値をもう少し下げることができたはずであると述べる同研究所の報告書を発表した。

 国立食品研究所(NFI)のレビューに関する声明によれば、同研究所は、EFSA の報告書の中の主要な結論に焦点を当てて、そして新たな TDI が十分に保護的であり、したがって同研究所の以前のビスフェノールAの評価を変更する必要があるかどうかを調べるために、EFSA の毒性評価を検証した。

 同研究所の科学者らは、”・・・EFSA の新たな TDI は、人々を内分泌かく乱影響から適切に保護しない。ひとつの理由は、EFSA は、適切な不確実要素を適用していないことである。さらに研究者らは、EFSA は新たな TDI を確立するに当たって、メスの乳腺、オスの生殖系、及び脳発達と機能への影響を示す動物研究からのデータを十分に検討していないと判断した”。

 同研究所の計算によれば、内分泌かく乱影響から適切に保護するために新たな TDI は、1日当たり体重kg当たり 0.7μg 又はそれ以下であるべきである(訳注:EFSA の新たな TDI は 4μg/kg bw/day)。同研究所の評価は EFSA 報告書中のものと同じ研究に基づいている。

 ”我々は、国立食品研究所の以前のビスフェノールAリスク評価を堅持する。我々は、ビスフェノールAの耐容摂取量は EFSA が勧告する値の 5分の1 以下であるべきであると評価している”と国立食品研究所のウラ・ハス教授は述べている。

 この物質を全面禁止するノースカロライナ州の法案については、任命された委員会からのどのような判断もまだ出ていない。


訳注1
EFSA Press Release 2015年1月21日 ビスフェノールA 暴露による消費者の健康リスクはない



化学物質問題市民研究会
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