2013年3月27日 行動を求めるNGOs キャンペーン
EDC フリー
ホルモンかく乱化学物質をやめろ


情報源:NGOs Campaign 'Call for Action' , 27 March 2013
EDC Free - Stop hormone disrupting chemicals
http://www.pan-europe.info/Resources/Other/2013%2003%2027_EDC-Free%20Campaign%20Call%20for%20Action_%20FINAL.pdf

訳:安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2013年7月8日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/edc/EU/130327_NGO_Campaign_EDC_Free.html


 私たちは全て、毎日の生活で、ホルモンかく乱物質(内分泌かく乱化学物質 EDCs とも呼ばれる)に暴露しています。しかし、それらへの暴露が、広範な健康問題をもたらしているという証拠がますます増大しているにもかかわらず、政府はこの暴露を規制し、なくす措置をとるのが遅すぎます。この行動要求は、人々のEDCsへの暴露を減らすための緊急の必要性から生じたものであり、欧州連合(EU)と各国政府が何をなすべきかを述べています。

 私たちは、EDCsが私たちの全てを多くの深刻で潜在的に致命的な疾病と健康障害に陥りやすくしているので、EDCsについて深く懸念しています。それらには、生殖及び不妊問題、がん、神経障害、及び肥満と糖尿病などがあります。人々は、幼少時代及び子ども時代、特に胎内で発達中の出生前の期間が内分泌かく乱作用に最も脆弱です。

 最近のヨーロパ全土のヒト・バイオモニタリング研究は、我々の化学物質汚染の程度を示しています。尿のような体液中の特定の化学物質のレベルに目を向けている研究は、ある種のEDCsを子どもとその母親の両方に見つけています。

 野生生物もまた、ホルモンかく乱物質への暴露の被害を受けています。魚類、鳥類、カワウソ、ホッキョククマも世界中の汚染された地域で有害な生殖影響を示しています。このことは、EDCsが野生生物種のある集団の生存を脅かしていることを意味します。

 2013年中に、EU加盟国政府と欧州委員会は、EDCsの規制に関する重大な決定をするでしょう。このことは、私たちが、EDCs関連の疾病を防止し、医療コストの上昇を削減するための、唯一の機会を持つことを意味します。私たちはEDCsへの暴露をなくすための強い立法が必要です。それは、より安全な化学物質とより安全な製品のための革新を促進し、それによって私たち全てのためのより健康的な将来を作り出す法律です。

現在と将来の世代の健康を守るために、私たちの家、職場、そしてコミュニティでの私たちの日々のEDCsへの暴露を止めなくてはならない。このメッセージを広めるために協力を! 私たちは次のことを望みます

 EUの時代遅れのEDC戦略が現在見直されています。私たちは、EDCsに関連するさらなる健康影響を効果的に防ぎ、暴露をなくすための行動のための包括的な新しい戦略を必要としています。私たちはまた、EUが21世紀における目的に相応しい最も新しい科学に基づくEUの新たなEDC戦略を策定するよう求めます。

  1. EDCsへの暴露を低減するために、全ての関連するEU法を改正すること。
    • 主要なEUの化学物質法REACHと全ての関連するEUの法律(化粧品、食品容器、医療用品、おもちゃ、労働者の健康と安全、等)を強化すること。その改善は次のことをもたらすべきである。i) 新たなEDCsが上市されない ii) 既知/疑われていEDCs 対するより安全な代替の継続的な開発と促進 iii) 人と環境のEDCsへの暴露を低減すること。これらの改善をもたらさないどの様な法改正も、不適切である。

    • EDCsがいかに多く、強力に私たちのホルモンをかく乱するかということよりも、むしろ、それらが私たちのホルモンをかく乱することができるという理由のために、EDCsは規制されるということを確実にすること。現在、EUで行われているEDCsを特定するための”基準”に関する議論で、ある産業グループは、EDCsの強さ又は能力について何らかの考慮を望んでいる。しかし、これは基本的に間違っている。その理由の第一は、たとえ非常に低用量の”弱い”EDCsであっても、胎児期の発達に、また後年、健康不良をもたらすかもしれないからである。。第二は、多くのEDCsは、一緒に作用し、結合されたより強い影響をもたらすことができるからである。さらに、EDCsに関する研究は、非常に低用量で影響がしばしば起き、そのことは一般的に、内分泌かく乱作用を持つすべての化学物質について予測されることを示している。EDCsは、EDCsであること自体をもって規制されなくてはならない!

  2. 全てのEDC暴露源を”全面的に”とらえる工程表を設定すること。
    • i) EDCs特性をもつ化学物質を特定するためのスクリーニング及びテストのシステムを迅速に改善し、ii) 法律に適切なテスト要求を織り込むための合意された工程表を確実にすること。これらの改善は、上述されたより安全な代替物質の代用が機能するようEDCsが特定されることを確実にすることになる。いつ、どこで、どの化学物質が私たちのホルモンをかく乱しているのか私たちが知ることができる計画を策定すること。

  3. 早期の警告信号にもっと迅速に対応すること。
    • 可能性あるダメージを防止するために、行動を起こす明確なきっかけが必要である。広範な科学的合意がなされるまで様子をうかがい待つことは、予防の原則を拒絶することに等しい。例えば、私たちは現在、ヨーロッパの国から続々とでるEDCsに関連するかもしれない著しい精子の質の低下を示すデータを持っている。私たちは単にもっと多くの研究を実施するだけで良いのか?あるいは、私たちはEDCsへの暴露を削減するために、今、必要な措置をとるのか? 暴露削減を開始しよう−転ばぬ先の杖!

  4. EDCsについて公衆に知らしめること。
    • 一般公衆と職業人に i) 特に脆弱なグループ:妊娠前の女性、妊婦と母親に対して、日々の生活で(食物、職場を含む屋内環境、消費者製品、等)どのように暴露を最小にするかについての情報を確実にすること。健康と教育を職業とする人は公衆に暴露の削減を助言することができるよう、EDCsに関して訓練されることを確実にすること。EDCsについて知ることが第一歩である。
 EDCsの規制のための私たちの要求に関しもっと詳細を入手するためには下記の私たちの方針を述べる声明(ポジションペーパー)をクリックしてください。
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